チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

絵日傘

2010年07月21日 10時53分42秒 | 日記
桜ひらひら絵日傘に
蝶蝶もひらひらきてとまる
ー大村主計作詞

この猛暑に絵日傘が活躍
今朝も絵日傘を差して歩いていたら
近所のホテルの外人客が
「シャシントラセテクダサイ」
と片言の日本語でせまる

絵日傘は
幼い頃Ⅰ年だけ通った日本舞踊のお稽古で教わった
そのあとお客さんの余興で踊らされた記憶がある
絵日傘の柄をくるくる廻しながら
蓄音機から流れてくる絵日傘の童謡で踊る

絵日傘には郷愁があり
浅草の仲見世で見つけたときは
一瞬で3本もゲットした

しかしこのときは柄物は避けて
黒・紫・ターコイズの無地
きものの色に合わせて使う

最近その店に顔を出したセキド
「無地の絵日傘が一本もないんですよ」
どうやら絵日傘はもう踊り用にしか
使われていないらしい

昨日草履修理でいらした叶屋さんも
「もうメーカーがこういう細身の台は作らないというのです」
巷にあふれている草履は
陽子ちゃんに言わせると
「アンパンみたいな形ばかり」

細身の草履をチョイッと引っ掛けて
スイスイと歩く粋さが否定されているようだ
こういう歩き方は暑さが吹っ飛ぶ

絵日傘も
童謡に歌われている柄ばかりだと
この猛暑に何の役立たず

美は日常に生かされて
さらに使い勝手がよくなると思うのだがーー

いまある絵日傘を大切に使おうっと
コメント
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