チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

蹴出し 2

2016年01月29日 13時37分52秒 | 日記
芸者さんが引き着の裾をちょいっとからげて蹴出しを見せる
その歩き方がなんとも色っぽい
引き着の裾からのチラリズム
最近洋服にもそういう下着をちらりとみセルという着方が流行っている

フレアースカートにレースの下着をチラチラと
でも着物の蹴出しの方にどうも美しさの軍配が上がると思うのはチャコちゃん先生だけか

蹴出しが一般に大流行したのは明治に入って広幅の輸出羽二重が生産されるようになってからだ
広幅なので縫い目がなく美しい
羽二重だけではなく縮緬も流行
こういう下着を多く見たけど所詮は下着手元においておくこともできず
あんなのこんなのあったな出終わっている

整理能力のないチャコちゃん先生写真にはとったのにその写真が見当たらない

蹴出しにうわ下着をつけて長襦袢は着ない
そうだ長襦袢の登場の頃からけだしの面白さが薄れているように思う

この蹴出し裾よけともいうその名の通り着物の裾の汚れをカバーするのだが
この力布がお腹を引っ込ませヒッピアップの役目をきっちりとしている
その上足捌きもよく
着物の裾にかかる絹の重みによって腰から足の線を美しくする役目もしている

着物の下着というのは
それぞれ独立して自分の役目をしている
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蹴出し 1

2016年01月28日 15時50分55秒 | 日記
元もと芸者さんや舞妓さんから始まった下着なのだけど
裾よけともいう
明治時代の裾よけを見ると
上に着る着物が地味だものだから裾よけはうんと派手にしている

裾よけというより蹴出しといったほうが華やかだ

赤、藍、藤色、萠黄、流石に黄色は少ない
赤は色街の女性のものと決まっていたが
普通の女性も密かに赤を楽しんだ風景が
日本画や浮世絵に見ることができる

腰に巻くところは絹の布だが
お腹周りは晒し木綿これはし素人も色街も同じ
そしてひと幅なので湯文字の上に巻くことで腰の位置が決まり骨盤がさらに安定する

赤色を素人が使用するようになったのは「錢湯」が大いに役立っている
戦前までは各町内に銭湯は三軒くらいはあって
そこは女達の衣装比べにもなっている

衣装というより下着だ
どういう下着を身に着けているか興味津々
特に色街に近い銭湯は女達が玄人女からいろいろ教わっている

垢抜けた浴衣の着こなし
おしゃれな下着
作法や歩き方みんなちらりと見ながら目で学ぶ

蹴出しのチラリズムが着物を着ている人のお色気の表現でもあった
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湯文字 5

2016年01月26日 11時31分38秒 | 日記
ちょっとしつこい?

でも湯文字は一日中お話していても尽きないほどのもの
最後の湯文字の功用

まず骨盤が安定する 正しく湯文字をつける必要がある
骨盤が安定すると背筋が伸びる
背筋が伸びると肩甲骨が働きやすくなる

この肩甲骨は次の機会にゆっくり

骨盤の中には女性の生命に対する大切なモノがまるでハンモックのようにぶら下がっている
骨盤が安定することで中の物も安定し
それこそ便秘や貧血や生理痛などとおさらばできる

たった湯文字を巻くだけでこんなに体を楽にしてくれるのだ

さらにウエストがくびれてスタイルが良くなる
太ももの外側についた肉は必ず落ちる
100%の保証だ

さらに言えば絹の効果肌がツルツルになってそのうえヒップが上がる
それが紅花で染めたものなら毛細血管を刺激し血流が良くなるので冷えとも決別できる

50年位前までは民間療法として「紅花療法」というのがあった
紅花の汁を竹べらでリューマチなどにかかった患者さんのいびつな指に刷り込む
そうすると痛みが取れさらに指がまっすぐになる
それを現実に目の当たりにしているので
紅花の凄さを立証できる

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湯文字 4

2016年01月25日 17時52分17秒 | 日記
湯文字の素材はオーソドックスは白の晒し木綿
絹・麻・nellなどのウール
しかもだいたい平織りが主流だが
絹の中では縮緬。羽二重・繻子・シルクジャージ・綾織・絽・紗
麻の中では平織りの他に縮み・絽

さて色は白が基準だが
紅花染、紅絹
そして小紋や縞柄\花がらなどかわいい柄も多い

我が秋櫻舍はこのすべてを持っているのだから凄いよね
皆さんそれぞれ好みで購入しているようだ
ただし力布は木綿、木綿でないと締まらないこれが木綿の凄さだと思う

湯文字の長さはひざ上、ミニスカート丈だ
かわいい小紋柄を家でミニスカートのように身に着けている人もいるらしい
また大麻で作った湯文字も着心地締まり具合が良いらしく
殿方に好評
これを広めている方がなんと自ら「湯文字王子」と名づけて
湯文字を広めてくださっている
ありがたいこと
「腰痛がなくなったのでみんなに宣伝させてください」
とおっしゃっている

あまりにも湯文字の評判が良いので
「湯文字エプロン」「湯文字スカート」もできた
チャコちゃん先生は湯文字スカートのMINIバンをつくって
愛用している
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湯文字 3

2016年01月24日 18時20分40秒 | 日記
湯文字の付け方が問題
これ結構難しい
女性の体はコーターの瓶状態なので
どこに力布を持ってくるかで安定感が違ってくる

まずは骨盤力布を当てる
着物の合わせ方と同じように右布をまるでお腹の肉を持ち上げるようにして
その時左の布は力布を左手で前の方に強く引っ張っている

右布が体に巻き付いたら素早く一刻の猶予もなくいだりの力布を右手に移し
右手の力布を左手が受け取りギュッと締めて
ここも一気に双方の力布を後ろに回し
おしりの上に挟み込む

この時一番大事なことは
背筋を伸ばした正しい姿勢にして
肩甲骨だけを動かし骨盤に湯文字を巻く

たったこれだけの動作を続けていくだけで
ヒップラインが美しくなり
下半身がすっきりするうとももお外側の肉が一気に落ちるのも嬉しい

この湯文字なくして
着物姿は綺麗にならないとチャコちゃん先生は体験上思う

ただ難がある
付け方のコツが分かるまで
怖いことに落っこちることがある
ここでくじけてはダメ
ここを乗り越えると骨盤が安定し内臓の丈夫な健康体のおんなになる

最近は殿方も着目してきた
そうだよ縄文の昔は男も愛用していたのだから

写真が横になってしまいました
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湯文字 2

2016年01月23日 22時37分25秒 | 日記
湯文字という言い方は「女房詞」
腰巻きでもいい
しかし湯文字(ゆもじ)のほうがどこか優しい

この形のもの埴輪で時々見かける
男も女もつけていた下着だ
最も大切な場所を覆う布としてあったのだろう

やんごとなき方の湯浴みに二人の女性手伝う
一人は下の方を担当、もう一人はうえのほうを受け持つのだそうだ
その時身に着けていたものがこの湯文字
女房詞であることがおわかりだと思う
上は何もつけていない

さて話は飛ぶがヨーロッパの国の人と温泉に行ったことがある
その時彼女たちは上を隠すが下はびろん
日本の女は上は露わにして下をしっかり隠す

むかしから下が大事
だから湯文字が発達したのか一緒に風呂に入りながら一人考察していた

郭では「ふた布」と呼ぶ
確かに反物幅二枚を縫い合わせたものだ
素材は羽二重っだったらしいから「ふた布」という言葉は美しい

湯文字はもともとは大麻で後に晒そして絹ということになる
特に江戸時代は紅絹がよく使われている

秋櫻舎では早くから寒染めの紅花染めの湯文字を扱っている
紅花は毛細血管を刺激し
血流を良くするので冷え性の多い女性には必需品だった
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湯文字をつける 1

2016年01月22日 19時40分14秒 | 日記
湯文字に出会ったのはいつだったか
腰巻きという言葉もあり母たちはその布を一番下につけていた
後にそれが「湯文字」というものであり日本最古の下着とわかった

一番初めの湯文字は母の手縫い
腰に巻く部分は古着の錦紗という生地で力布が晒し
学校卒業をするときつまり共立女子大は
「黒紋付に袴もしくは黒スーツ」
という知らせがあって母は手を叩いて喜び早速黒五つ紋付きを作り
白い長襦袢など一式作ってくれた

その少し前まで「着物なんて絶対着ない」とひねくれ娘だったので
学校の通達はハハにとってほんとうに嬉しかったのだろう
袴もどこからか調達してきた
謝恩会用に小振袖も誂えてその長襦袢は鹿の子絞りが可愛かった

着付けは自分でした
母や姉たちが着物を着る時なんとなく見ていたのだろう
同級生たちの殆ども自分で着たと思う
湯文字の下には何もつけないようにと言われていたがそれができず
後でトイレにいくたびに苦労した
そのためますます「着物は不便」と思ってしまったのだ

黒スーツを着た学生は同級生の中でたった一人だと記憶している
あの写真を探すが見当たらない
学び舎を後ろにして全員の黒紋付袴姿は思い出しても壮観

共立女子大はかなり近年まで黒紋付袴姿の卒業生が多かった

秋櫻舎は母校の後輩を採用していたので卒業式に彼女たちが黒紋付袴姿で
挨拶に来るととても嬉しかった

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まず足袋を履こう

2016年01月21日 18時06分49秒 | 日記
海外で必ず質問されるのが「足袋」
その豚のあしのような履物はどういうもの?
改めて自分の足を見下ろすと確かに豚の足のような形をしている
多くの方は「じゃパーニーズソックス」と応えるらしい

チャコちゃん先生はきちんと
「足袋であるtabi」と綴をいう
そしてゆっくり(ゆっくりしか言えない)とブロークンで説明をする

つまり足には日本の骨があり
内側の骨と筋肉を動かすのがこの親指
外側の骨と筋肉を動かすのが4つの指

きものを着ると親指に力を入れて歩くので
内側の骨を動かしその骨は骨盤に影響し骨盤を正しい位置に安定してくれる
4本の指はその補佐の作用して骨盤を安定する

骨盤が安定すれば背筋が伸び姿勢が正しくなって
内臓の働きも活発になり健康をもらえる

更に
親指の付け根を刺激しているこの足袋の形は
脳と直結していて前頭葉の動きをスムースにする
それによって常に判断は正しくなる

足袋はそうう役目をきちんと果たしてくれる素晴らしい履物である

こういう説明をすると
今は日本人でも驚く
日本人はが日々劣化しているのはこういうことが先祖から面々と伝えられていることを教わらないからだと思う
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健康を重要視した着付け

2016年01月20日 12時06分43秒 | 日記
チャコちゃん先生は今年の目標を悩みに悩みに悩んで
「健康になる着付け」「絹の恩恵」
を中心に「きもの学問所」を作ることにした

事の発端は
ここのところきものを好きになってき始めた人たちの集まりで
お話する機会が多くなり
その時の一番の苦しみが「着付け」だという現実

更にそれぞれの地方のきものの特徴について話して欲しいという依頼で
「こちらでもコーデイネートをしておきます」
ということで会場に行くと
その地方の特徴のあるきものは一切なく
今流行の無機質なきもののコーデイネートのなっている

話のしようがない

きものの着方があ複雑になり
それぞれの地方の特色が薄れたきものづくりになっている現在
何をどう伝えるかはチャコちゃん先生たちの仕事の人の考えるべき大きな問題だ

そういうことをつらつら考えた1月ではあった
これかの問題として
早速4月から毎週一回の着付けコースを開くことに決定
改めて今自分自身の着付けの一つ一つをチェックしてみている

きものはほんとうに良く出来た衣類ではある
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我が秋櫻(こすもす)

2016年01月03日 10時21分52秒 | 日記
年が明けても気丈に咲いている我が秋櫻
スカイガーデンに咲いている秋櫻
しかも真っ白

これはなにを意味するのか
静かに花に問いかける
真っ白な心で仕事に誠心誠意で取り組むことを教えてくれている

八枚の花弁にも意味があり
八方に気を配り8つの方位を清める

更に蚕との縁
蚕は8の字を描きながら糸を吐き繭を作る
8は無限大を意味するメビウスの形だ

ギリシャ語でkosumosこれは「美の伝達者」「宇宙」
英語はcosmos「うちゅう」である

チャコちゃん先生の会社名は「秋櫻舎」
この名前をつけたくださったのは今は亡き本多光夫(諸井薫)
家庭画報の初代編集長でその後プレジデント社の社長
更にオレンジページやら何やらと売れる雑誌を作る天才

編集を教えていただいたこの道の「師匠」が名付け親
美しい会社名だと嬉しかった
そして45年の月日がたつ

この白い秋櫻に師匠が託した私への叱咤激励
それは一緒に大島紬の取材にご一緒した時の原点に戻りなさい
ということだと思う

作る人、販売する人 着る人の橋渡しに何ができるかを考えながら記事を書くように

白いこすもすが顔をしっかり向けて語ってくれた
今年の行く道を教えてくれているかのようだ
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