チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

忙しい

2008年06月30日 15時18分21秒 | 日記
何がって
今日は19度
昨日は25度

単を着たり
薄物に手を通したり
その日の気温で着るものが変わる

今日は「夏越し大祓い」の日
スタッフ一同で
大宮の氷川神社にお参りをした

其のとき
田中は立絽
セキドは紋路
加奈さんは絹紅梅
チャコちゃん先生は結城縮み

歩いてあるいて
茅の輪をくぐり
日差しが出ると
結城縮みはちょっと汗ばむ

しかし日陰に行くとちょうど良い
こういうときにいいのが
夏大島や小千谷の絹縮み

梅雨寒といっても
ヤハリ汗ばむ

それにしても
日本の絹の素材の多いこと
同じ生糸を使っていても
織り方つまりレシピでがらりと変る

直会いでてんぷら頂
今年の後半に向けて
スパート!!
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鹿鳴館

2008年06月29日 18時23分17秒 | 日記
スタッフたちと芝居観賞
新派120年記念の「鹿鳴館」
「団十郎」さん見たさに行ったのだが
新派の女優さんは
きものを着た姿が美しい
コレは男優にも言える

いまや
新派にしかこのように美しい
着物姿の女優さんはいないかもしれない

しかし
明治からたかだか百五十年くらいでしょう?
この間の変化は凄い
洋服を着ることすら大変だったのに
いまやきものを着ることが難しい

当時は靴下や下着をどうやって履くかというハウツウ本が売れた
今は
足袋のはき方、湯文字の付け方が分からない
明治時代の母親たちが逝き
昭和の母親は日本のこと良く分からない

芝居を観ているうち
だんだん誰にと言うことなく
怒りがこみ上げ、日本は明治に入ってからおかしくなったのかと
深く考えてしまった

重い思いを引きずるまいと思っていたのに
其れよりもっとやるせないことがおき
チャコちゃん先生
ブルーよ

でもバレエで飛んではねてきたら
少しスッキリした

蚕の蛾五羽に減ったが今日もまだ元気
何も食べないで
体の中のもの必死に出してしまうつもりらしい
身長3センチに縮んだよ
年取って縮むの人間だけじゃあないね
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口角をあげる

2008年06月27日 11時16分10秒 | 日記
電車の中、駅の構内、其の周辺
不機嫌な顔の人ばかりが急ぎ足に歩いている
一人ひとりお話しするとキット優しくて明るいのだと思う

其の証拠に
掻き分けて出口に向かうとき
「ゴメンナサイ通してくださいナ」
とにこっとすると
かならず白い歯を見せて、道を空けてくれる

優しくするのにテレがあるのか
明るくするのはバカバカしいと思うのか
人との接触に緊張感を持ちすぎているのか

ちょっと口角を上げるだけで
お顔は優しく明るくなる
窓に映る
ご自分の顔を見て
ぜひ口角を上げてみたらいかが?
きっと世の中見事に変る
そして運も上がる

ほんの些細なこと
口角を上げるだけ

ずいぶん前に
外国船に乗りアラスカにいったことがある
其のとき、デイナーでは
チャコちゃん先生だけがきものを着ているので
どうしても注目を浴びる
だからいつもニコニコしていた

そうすると
昼間の時間も顔が会うと条件反射のように口角を上げる

そのうち習性になって
お人と会うとにこっとしてしまう
お陰で船を下りる前夜
「笑顔の美しいご婦人」に全員一致で選ばれ
日本人の仲間が誇らしいと言って
喜んでくれた

お人も自分も楽しくなるの
口角だけでも上げてみましょう

ところで
我が蚕の蛾は今朝も口角ならず
お尻を上げてまたまた合体しちゃった!
次々に世を去って今は6羽
がんばるねえ。
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純国産の絹

2008年06月26日 14時27分45秒 | 日記
蚕の蛾が産んだ卵をどうするかと思案していたら
米沢の山岸幸一さんから
おいしいさくらんぼうが届きお礼の電話のついでに保管方法を聞く
「黒色の紙で箱を作り、其の中に入れて風通しの良いところに置いておくといい」
早速作って数々の卵を其処に収める

山岸さんのところ
「今年は2万頭を飼育したので今一番忙しい」
二人の養蚕家が今年は5人に増えて嬉しいやら忙しいやら

いま大日本蚕糸会の肝いりで
養蚕農家の助成が始まった
しかし農協に加盟していない養蚕農家は其の情報に預かっていないので
山岸さんのところは助成のニュースが行っていなかった

しゃしゃり出のチャコちゃん先生
早速助成の話をし
返す刀で蚕糸会のほうにも報告

宮崎の秋山さんや山岸さんは
もう二十年以上も養蚕農家を育てながらご自分の織りに励んでいる
こういう人こそ助成の対象にしてほしいと心から思う

今年から
純国産糸を使った絹のラベルができたが
養蚕家、糸取り、織り、染めの人たちの名前を布に書いて販売
高島屋デパートでは振袖に純国産糸ものが登場

しかし
中国などの外国から糸を輸入し
日本で染めたり織ったりしたものも
日本産となるのだそうな

何か今話題の食品疑惑の精神と
あまり違わない気がする

何事も正直な表示が安心、安全
国産と言うのは
素材からすべてを日本で生まれたものをさすのではないのかしら

みんなが
生まれのルーツを知りたいという風潮は
とてもいいことかもしれない




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命を終わらせる

2008年06月25日 10時01分17秒 | 日記
蚕の蛾たちは
それぞれ
合体が終わり

今は静かに
其のときを待っている
最終の花火は
スざましく
パワフルだった

昨日の朝
「あなたを求めていく千里」
と言う感じで
蚕盆から
遠く机の端まで
タマゴを撒き散らかしながら
メスの蛾

かたやオスの蛾は
和室の部屋に
どう移動したのか

鎮座ましましている
コレを見たセキド
愛のキュウピットやらで
二匹を盆に戻すと
すぐ合体

それを感じた
他のオスの蛾が
俺のだ!
と言わんばかりに
ちょっかいを出す
押しのけようと必死だが
二匹はめぐり合ったばかり
ムリじゃて

しかし
全く相手にされない
メス蛾もいて
其の子は生き生きと美しい
タマゴも生めず
お腹がパンパン

なんとかオス蛾を
くっつけてみるが
不成功

よくよく見ると
お尻にオスの分泌液をかけられ
誰とも合体できぬ
体にされたらしい

しかし
卵も産んだのにまだ命尽きるまで
合体を繰り返す蚕蛾
蛾になっても飛べない体に
誰がした
命の形をいじった人間は罪深い

せめて
ココでは死ぬまで生きて!と思う
最後の桑の葉を食べてから二週間
飲まず食わずで
ひたすら次世代を生みそして去っていく

我が祖先は
そういう蚕の姿を知って
布を捨てない着物をつくった
大事にしようね
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嬉しいのか 淋しいのか

2008年06月24日 09時44分26秒 | 日記
初めて電車で席を譲られた
品の良い
30歳くらいの女性から

「ありがとう」
と素直に受けたが
嬉しいと言うより
ああそういう齢なのかと
自分に言い聞かす

着物を着ているからだわ
と言い訳をしている自分
しばらく
譲られたことにこだわっている
どこかで
若く見られたい
いえ若いと思う自分がいる

基本的に電車で座るのをあまり希望はしていない
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変容

2008年06月23日 10時52分26秒 | 日記
それにしても
激変
と言うのはこのこと

あの従順に見えた
蚕は
繭から出てきたら
目に見えた黒い印が
方向探知機のひげになり

頭から
其の黒斑点の場所までが羽になる
だから
繭から出てくるときは
羽を折っていて
出てきた後
しばらくして羽に成長して姿が完成

オスは
体が小さく
メスはお腹がでっぷりしている

このオス
今朝は合体中の
メスに横恋慕
しばらく乗っかって
自分の存在をアッピール

しかし
なんといっても
合体中でごわすもんね
どうしようもない
種族を残すと言う懸命な努力
この姿が
本来のオスの姿か

世のご婦人たちよ
オスの浮気は
種を残すと言う本能の表れ

更に
闘争本能もそれ
花も、野菜も、植物も
もちろん
人間を初めとする動物も

みんな
種を残すために
オスは働いている
人間だけが
其の本能を
神聖なものにしていないかもしれない
あの静かな蚕が
一転して闘争者に変容

形も生きかたもかくまで変るかと驚く
今朝
3日ぶりに蚕盆を見たセキド

「凄いですね」
命を生み出すパワーに圧倒されている
生き物はすべて循環
生き残りをかけてアクセクするのは
宇宙法則に逆らうこと

蚕はひたすら循環の中で生きているのだが
私たち人間は
其の素材を利用をすることを考えた
それは知恵と言うより
欲かもしれない
だからこそ蚕の生んだ絹を
私たちは使い切ることだ

蚕から蛾も変容だが
蚕の作った糸からできた着物は
天下一の変容
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タマゴぞろぞろ

2008年06月22日 16時56分15秒 | 日記
直径一ミリの真っ白いタマゴが
ぎっしりと繭の上や
桑の葉の上に生みつけられた

だいたい蛾一羽から
約500個のタマゴが生まれると言うが
桑の葉が白ゴマまぶしに
あっているような感じ
もうぎっしり

どう間違ったのか
机の上にこぼれていたり
お盆のふちにまで
生み落とされたり
これから何時孵化するのか
孵化した後どうするのか
全くの無計画

蚕は好んで
この秋櫻舎に
やってきたんだろうか

それだったら
もう覚悟は決まっているであろう
無計画な人種のところで
孵化し
育ててもらうことを

私たちは
いったいに「覚悟」
と言うものが
アマリにもないように思う
ココの蛾は
ただ敷かれた桑の葉の上で
大切な命のタマゴを生みつけた

ココにきたときから
其の覚悟ができていたらしく
慌てずひたすら職務に没頭している

「覚悟」を決めることは
生きていくうえで
最も美しく神々しい
天手抜き女たちの集団の中で
蚕はどんな環境でも受け入れようとしている

偉いよ、すごいよ、だから絹はいいんだ
飛躍しすぎかね
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合体

2008年06月21日 11時05分14秒 | 日記
繭をわって出てきた蛾
ただいま合体中
メスのほうが大きい

ところで
昨日オスが二羽
繭からお出ましあって
ご自分の繭を陣地と決め
静かに羽を休めていた

そうしたら
メスが一羽繭から体を出すや否や
二羽のオスが
秒速1000回くらいの速さで
羽を打ち震わせ
メスに迫っていく
先ずは強いほうが到着

早速合体して
静かになったが
残された一羽淋しそう

ところが
いきなり羽を震わせたかと思いきや
瞬時の速さで
これから繭を出ようとするメスに
襲い掛かる

見事に合体
長い長い長いぞ
またもや凄いこと
別の繭からメスが出てきたら
一番初めに張り切ったオス蛾が
合体のメスを引きづりながら
其のメス蛾に近づき

なななんと
古女房は打ち捨て
新しい女と合体

もう一羽のオスも
気配を感じて
新しいメスに近づきたいが
こちらの女房
しっかりとオスを押さえつけている

オスの本性見たり
古女房を連れて他の女と合体するなんて
人間のオスにはできまいって
大きなお盆の中
しかし全体からすると小さな空間で
オスとメスのパワフルな
命の交換

捨てられた女は怒りもせず
暴れもせず
静かに横たわっている

オスは
メスに命の種を吹き込めば
それで終わり
なにか
哀れでもある

メスは
これから新しい命を生み
生命を
延々とつなげる役目
コレもしんどい作業だが
宇宙の法則はそうなっている
こうやって蚕の命は永遠に続く

尊いなあ





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蛾が誕生!

2008年06月20日 09時54分11秒 | 日記
今朝二つの繭から蛾が誕生し
自分の繭の上で静かに
羽を休めている

家蚕の蚕の蛾は飛び立たないという
小学生のとき夏休みの観察宿題で
飼った蚕のときは
部屋中に蛾が飛んで
家族に迷惑をかけた

先日秋山工房から
旅してきた小石丸の蛾も
透明感のある白い羽を
打ち震わせながらも
飛び立たない
今日の蛾は生成り色

繭から出た瞬間
大量の内液を出して
体を軽くしているらしい

昨夜22時まで
みんなで企画会議をしていたが
そのとき
何かひらめいた
チャコちゃん先生

「加奈ちゃん、繭の入れ物大きいのにして」
「はい?」
「繭からお出ましのときがきたみたい」
ああなんと!的中!!!
蚕の心が分かるなんて
凄い凄い
たいしたもんじゃて!

今回は
種を作り
孵化させようと

みんなで張り切っている
この春植えた
桑の木も
段々葉が生い茂ってきて
4齢までは大丈夫

あとはまた
何とかなるわさ
どれくらいの種が生まれてくるか
大体500と言われているけど
其の前に交尾させなあかんな
自然にできるのかいな?
まあコレばかりは種の保存の摂理

毎日話題がつきん我がオフイスじゃて
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