この秋に行われる着物のショー企画会議の中でふと思ったことがある
遊び女(め)女達と正妻の違い ただの遊女と太夫(花魁)の違い
男の社会に階級がある如く、女達の世界にもきちんとした階級と言うかけじめがあった
その階級にそれぞれの着物の色や柄があったそして着方
そういうことをわきまえている女性たちの装いは周囲の調和を乱さなかった
装いとともにその階級の言葉使いや作法がありどの階級に属しているかがすぐわかった
それに伴ってそれぞれの職業の日立による対応の仕方も違っていた
以上のようなきものづくりをしていた時代は昭和50年代で終わっている
その後はお金のある人が着物を買い漁った
着物一枚何千万円という時代があってそれをキャッシュで購入する人もいた
その当時
女中さんから富豪の奥方になった女性がいらした
縁あってさる大手の呉服屋さんからその夫人のコーデイネートを依頼された
1M50センチ、60キロ 家事で鍛えた体はガッチリしていて顎もはっている
「女を美しくする」という欲望がメラメラと湧いてきたチャコちゃん先生、ヘアメイクはサチコさんに押し付け着物を探す
「ひさこさん着物が決まらないとメイクできないよ」
「先にやっといいてよ」
「どういう感じのものを着せるかだけは教えてよ」
「わかった!染の着物でもなく、結城や大島でもない、絞りでも刺繍でもない」
「ええーそんな着物あるの?」
「サチコさんと話してる間にイメージが湧いてきたアレだっ!まてしばし」
と展示会場を駆け巡る。その少し前に紹介された着物がありそれは糸を海藻で下染し、幾何学模様のすくい織。絶対これがいい!
「サチコさんシャネルスーツと思っててっ!」
「あっそう!りょうかいっ ('◇')ゞ」
淡い藤色に銀の橋柄 値段は500万円 (キャッシュでお支払いだったとか)
この夫人結局このメーカーの着物が気に入り30枚も購入、たしかに染の着物は似合わなかった
やはり「出目」はある
しかし着物はその人の良さを引き出すそれを素直に感じる心が着方の優劣を決めると思う
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