はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
http://kouwado.com

ゴッホ展と動物の絵展

2021-11-28 21:07:49 | 日記
11月最後の日曜は快晴。
 
約2年ぶりに上野へ。予約していた『ゴッホ展』を観に行きました。
 
公園口の改札を出たところにあったはずの横断歩道がなくなっていてびっくり。
快適に移動できるようになりました。
 
駅前の大きな銀杏が見頃。
会場の東京都美術館までの道のりは歩くだけで楽しかったです。
水で描いた路上アートがかわいかった。



美術館に到着。

予約制になってから美術館に来るのは初めて。
混み合いすぎず観られたのは良かったです。
 
久しぶりにゴッホの絵を観て、素朴さと力強さを感じました。
個人的には、素描『コーヒーを飲む老人』の牛乳を使ってなめらかな質感を出したとうい雰囲気が特に良いと思いました。
素描『祈り』では祈る人の姿形からだけではなく、真摯に祈っているのだと確かに感じられるものがありました。
油画『麦わら帽子のある静物』では柔らかで優しい色味が心地良く、『鳥の巣』では実際に鳥の姿は描かれていないのに鳥の存在感があるのが面白かったです。
晩年の作品の中でも有名な油画『糸杉に囲まれた果樹園』『種まく人』はやはり特に素晴らしかったです。
『レモンの籠と瓶』の描き方も興味深く、印象的でした。
 
彼の人生の過程がつい目立ってしまいがちですが、単純に人や自然が好きで筆を持って描いていたのではないかと、じっくり作品を観て思いました。
今回の展示で、観相学や骨相学にも関心があり学んでいたと知り、さらにゴッホへの興味が高まりました。
 
同時開催の『わたしは生まれなおしている』もなかなか面白かったです。
こちらは撮影可能な作品もありました。






 
上野を出た後、府中市美術館へ。

『動物の絵』展最終日。

もっと早く知っておけば何回か観に行きたかった!と思うほど魅力的な作品がたくさん。
藤田嗣治の作品は何度観てもその色合いに魅了されます。
ポール・ゴーギャンの動物の絵は初めて観ましたが、とても良かったです。
伊藤若冲『河豚と蛙の相撲図』はずーっと観ていたくなるかわいらしさ。
 
徳川家光のブースでは、興味のある人とない人の差がはっきりしていると感じました。
私たち夫婦は興味津々だったので、じっくり鑑賞しました。
『兎図』『枯木梟図』『木兎図』『鳳凰図』。どれもしばらく目が離せなくなる感じ。
 
犬の絵も数多く展示されていましたが、私は上田公長『犬の子図』が一番好きです。
 
後期はこの『兎図』の展示はありませんでしたが、夫は徳川家光のウサギトートバックを購入。

なかなかないセンス。一度観たら忘れられない。
 
絵葉書も購入。

下側の、徳川家光『鳳凰図』=通称「ピヨピヨ鳳凰」は印刷物になっても秀逸。見れば見るほど引き込まれます。
 
久しぶりに図録も購入。

読み物としても魅力的な内容。
 
久しぶりの展覧会はしご。集中し続けていたので疲れましたが、とても楽しく充実した時間が過ごせました。
 
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国分寺で紅葉狩り

2021-11-21 19:35:27 | 日記
いつでも行ける気軽さから、あまり足を運ぶ機会のない武蔵国分寺公園。
久しぶりに行ったらすっかり秋色になっていました。
 
まずは円形広場を散策。
 



国分寺市では「ぶんぶんうぉーく」というイベントが毎年この時期に開催されます。
例年2日間の開催でしたが、昨年と今年は感染対策として「ぶんさんうぉーく」と名前を変えて、長めに開催されています。今年は11月19日から11月30日の期間で開催中。
 
開店時間前だったので、様々なお店が準備中でした。

大きな銀杏の木があちこちで色付いていました。

かりんの実も重たそうにぶら下がっていていて、かわいい。





黄色の絨毯。

公園の中央にある大きな木。
電線がないので開放感があります。
噴水越しに見る紅葉。

カモが水浴びしていました。

ガマズミの実はここでも真っ赤でかわいらしい。



ふれあい橋を渡り、こもれび広場へ。あぶみがわらの絵が素敵。

ムクロジ。黄色と黄緑のコントラストがきれい。





大きな銀杏の木の下にいると落ち着きます。
 

銀杏の木の左側、何の鳥か分かりませんが、編隊飛行中。

しばらくぐるぐると同じところを回旋していました。


野鳥の森を抜けてお鷹の道方面へ。

切り株にたくさんのきのこ。

落ち葉がサクサクと心地よい音。

大きなドイツトウヒ。
真姿の池に到着。
お鷹の道沿いのモミジも色付いていました。


ご近所でも十分紅葉を楽しめた休日でした。
 
国分寺は観光スポットが少ないですが、のんびり歩くのに適した道がたくさんあります。
まだ散策したことがないけれど、興味がある、という方は、ぶんさんうぉーくの開催期間中に歩いてみると良いかもしれません。

 

 
 
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山梨・竜門峡で紅葉狩り

2021-11-15 21:08:59 | 日記

あちこちで紅葉が見られる季節。

山梨県の竜門峡に行ってきました。


7時過ぎに第二駐車場に到着。気温は3℃。

日川沿いの遊歩道を進みます。

水力発電所がありました。



例年よりも紅葉の進みは早かったようで、足元には落ち葉がたくさん。ふかふかの感触が心地よく、木々の香りも楽しめました。





炭焼窯跡。

少しずつ川に近づいていきます。

天鼓林。

地盤が固い奥秩父の山中特有の現象で、足を強く踏み鳴らすと地中からポンポンと鼓の音に似た共鳴音が還ってくる場所だそうです。

自分でジャンプした時はよく分からなかったのですが、夫がジャンプすると確かに音が響いていてびっくりしました。


この辺りもとても景色が美しかったのですが、写真に撮ると奥行きがなくイマイチな感じに。
 
もふもふの苔もたくさんありました。

日陰で黄色は特に際立って見える美しさ。

誰にも出会わず、密を避ける意味でも最適。

小さいけれど鮮やか赤にはっとさせられます。

落葉樹と常緑樹のコントラストもあちこちで見られました。

水の中でゆらゆらしていた葉をしばし観察。

水の音がだんだん大きくなっていきます。

様々な種類の落ち葉。
足元も見上げた景色も色付いています。

さらに水の音が大きくなってきました。



平戸の石門。

ここをくぐると、最終目的地の天目山栖雲寺まであと少し。

木賊の石割ケヤキ。

どの角度から見ても迫力がありました。
蜘蛛淵。

栂見の洞穴。人一人入れそうな空間でしたが、入るのはやめました。

急斜面を登った辺り。ハイキングコースではありますが、岩伝いに進んだりとなかなかバラエティに富んだ散策路でした。

少し富士山が見えるスポットがあったのですが、撮影中の方が全く動く気配がなく、諦めて先に進むことにしました。

周辺の紅葉を楽しみつつ寺の方へ。

実もありました。

天目山栖雲寺に到着。

真っ赤なモミジが気になったので、拝観料を払い石庭へ。
サクッと見て回ろうと思っていましたが、思いのほか広い石庭。
禅道場として、禅僧・業海本浄禅師が自然の岩組を活かして作庭したそうです。実際にここで弟子と共に石上に坐していたのだとか。

紅葉と石のコラボがあちこちに。







少しず石段を登りながら散策。どこを見ても見事な眺め。

大きなモミジの下にいると、葉の色の影響か暖かな光が差し込んできて、とても心地良かったです。
名残惜しい気がしつつ、さらに石段を登ります。

他にも立派なモミジがたくさんありました。

地蔵菩薩磨崖仏。3枚続けて見てもらえると分かりやすいかと。





振り返っても美しい景色。

文殊菩薩磨崖仏。


座禅石、ということはここでも座禅されていたのでしょう。
離れて見ても大きい。
忿怒岩。

下の方に小さな仏像がたくさん。

さらに石段を登り続け、どこが終わりか分からないまま、おそらく石庭の一番高いところに到着。
振り返ると、先ほど諦めていた富士山が!笠雲をかぶっていました。ご褒美をもらえたようで嬉しかったです。
満足して、来た道を戻りました。もしかしたらハイキングコースより急坂だったかも。
最後に石庭入り口の真っ赤なモミジを堪能して寺を後にしました。

帰りは車道を通って、遠くから紅葉を眺めつつ歩きました。

アスファルトの道の方が足が疲れるので、途中で日川渓谷レジャーセンターに立ち寄り、ベンチで少し休憩。
 
ここも紅葉が見事でした。





手ぶらで釣り堀やバーベキューができるそうなので、歩くのが大変の方でも車で来て気軽に紅葉を楽しめる場所だと思いました。
 
高速に乗る前に、勝沼方面に向かい、くらむぼんワインに立ち寄りました。

ワインのラベルのデザインが素敵で気になっていたワイナリー。古民家の雰囲気も素晴らしく、来てみて良かったです。

樽の上で試飲。どれもおいしい!

運転手の夫はぶどうジュース。こちらもおいしかったです。

店内もとても良い雰囲気。数本購入して帰りました。


紅葉が存分に楽しめた、大満足の休日でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
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上手な鍼灸治療の受け方

2021-11-12 21:07:38 | 鍼灸

鍼灸治療に興味はあるけれど、なんとなく敷居が高い印象を持っている方が少なくないと思います。

どの治療院がいいかじっくり調べてた上で鍼灸院を予約したとしても、多くの方が最初は緊張して当日を迎えるのではないでしょうか。せっかく勇気を出して鍼灸治療を受けることを決めたのだから、できればリラックスして治療を受けていただきたいところです。

 

そこで今回は、私が考える上手な鍼灸治療の受け方について書きます。

1.症状がいつから発生してどのくらいの頻度で起きているかを明確にすること。

いざ問診票に記入をしたり、鍼灸師に質問された時に、あれ?いつだっけ?となる方は意外と多いです。問診がスムーズに進むとその分施術を丁寧に行うことができますので、来院前にメモを取っておくのもお勧めです。

 

2.鍼灸師から質問されることになるべく素直に答えること。

東洋医学に基づいた診察において、食事や睡眠などの生活習慣について細かく伺う場合があります。中には答えづらいものもあるかもしれませんが、できる限りありのままを教えて頂けると、より良い施術が可能となります。実際とは異なる回答の場合、施術方針を間違ってしまいかねません。

 

3.施術を受けている間に感じたことを我慢せず鍼灸師に伝えること。

診察することで、患者さんが敏感がどうか等ある程度は把握できますが完全にとはいきません。治療中にちょっとした痛みや違和感が出た場合、すぐに教えて頂けると対応しやすくなります。鍼が刺さっていると少しも動かない方がいいかな?と気にされる方も少なくないと思われますので、手足を動かしたい時など、遠慮なくひと声かけて頂けたらと思います。

 

なお、当院の場合は症状によってかなり細かく質問することがあります。また、症状を少しでも早く改善するために、生活習慣の改善点などをアドバイスすることがとても多いです。

鍼灸師ができるのは、患者さん自身の回復力を高めるお手伝いをすること。どんなにたくさん治療を受けたとしても、患者さんご自身が良くしていこうという意識を持たなければ、症状はなかなか変化しづらいです。

(人からいろいろ言われたくない方・気が向いた時に気軽に治療を受けたい方には、当院は向いてないと思います。)

 

私は日々の鍼灸治療で、丁寧さときめ細やかさを大切に、責任を持って患者さんと向き合い、信頼関係を築けるよう努めています。

このブログで書いた3点について、少しでも患者さんが話しやすいように工夫しているつもりですが、至らぬ点もあると思います。

直接話しづらい場合はメールでも構いませんので、どうぞお知らせください。

 

 

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「ライオンのおやつ』を読んで

2021-11-03 20:33:19 | 日記

久しぶりに小説を読む休日。

小川糸さんの『ライオンのおやつ』を完読しました。

最近は小説を読むことがなく、少し前にテレビドラマで同作を見たのがきっかけで読みたいと思い手に取りました。

余命宣告を受けた主人公が、最後の日々を過ごす場所として瀬戸内の島にあるホスピスを選び、本当にしたかったことを考え実行する様子が描かれています。

生まれていた以上、「死」は誰にも訪れること。

そのことを私たちは知っているけれど、日々の暮らしの中で意識し続けることはありません。

大切な人がなくなったり、病気になったり、身近に死を意識せざるを得なくなった時に真剣に向き合うようになるものなのかもしれません。

 

この小説は「人生の最後をどう生きるか」をテーマに、ホスピスで毎日出される「おやつ」を通して話が進んでいきます。

どのおやつもとてもおいしそうで、読むだけで暖かな気持ちになります。それぞれのおやつには入所している1人1人の人生のエピソードがあり、どの人生も尊いのだと改めて気付かせてくれます。

主人公が自分に起きたことを受け入れていく過程も、受け入れた後に最期の日を迎えるまでの日々も、とにかく丁寧に表現されていると感じました。実際に主人公のような経験がない私にも、疑似体験をしているような生々しさも感じました。

誰にもいつか訪れる「死」をいきなり突きつけられるような鋭さは全くなく、読み進めるに連れて「死」にじんわりと親しんでいけるような感覚。

今生きている人は皆「死」を体験していないし、体験した人は「死」を語ることはできません。それでもこの小説を読むと、言葉にはし難い大切な何かに気付かされるような気がしました。

 

 

ドラマを先に見て原作を読んだ感想としては、小説の雰囲気をしっかりと味わえるキャスティングだったのではないかと思いました。

生きるということ、そのことがシンプルに淡々と描かれているように感じられるので、個人的には原作の方がより好きです。

 

 

小説の舞台となった瀬戸内の島は、愛媛県大三島なのだそうです。

松山市に住んでいた私は小学校の行事と、10年ほど前に帰省した際に来島海峡大橋を渡るついでに少し立ち寄ったのと、2回行ったことがありますが、落ち着いて大三島を観光したことはありません。

松山市は海へアクセスしやすいので瀬戸内海には親しんで育ちましたが、島から眺める瀬戸内海はより一層穏やかな感じがします。

この小説を読んでいる間、その穏やかさが常に感じられました。

 

冒頭の写真は数年前に帰省した時に、着陸前の機内から撮影したもの。

いつか、ゆっくり大三島を訪れてみたいです。

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