時折、患者さん自身が特に自覚症状がない状態で来院されることがあります。
例えば肩こりや腰痛など、自覚症状がある方の場合は、それを改善することを目的として施術し、日常の生活で気をつけることがあればアドバイスをします。
しかし、患者さんの中には「自覚症状はないが、家族や友人に勧められたから来た」という方がいます。自覚症状がない方への施術は、本人に具体的な目的がないため、問診や身体に現れているサインから治療方針を考えます。自覚症状がないといっても、身体の状態を診てお話しているうちに、何らかの症状があることに気付かれる方がほとんどです。しかし、身体には明らかなサインが出ているのに全く気付かれない方がおられます。このような方が一番心配です。
人の身体にはセンサーのようなものがあって、気候や体調が変化した時にいち早くそれに気付いて対応できるようになっています。体質によって感度が高く気付きやすい人もいれば、感度が低く気付きにくい人もいます。気付きやすい人でも疲れすぎると感度が低くなることもありますし、元々気付きにくい人はさらに気付きにくくなります。
何十年も同じ身体で過ごしていると、常に絶好調でいられることはありません。大切なのは全く病気に罹らないようにすることではなく、身体の変化に気付き、なるべく早く対策することです。
東洋医学は具体的な疾患名が分からなくても、身体に起きてしまった不調を治す自己治癒力を高めることが得意です。
自覚症状がなく以前と変わらず過ごしている方も、より良い状態で人生を送るために、鍼灸や漢方を試してみるのもいいかもしれません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます