先日、テレビ番組に畑美奈栄先生が出演されていました。
畑先生は東洋鍼灸専門学校の大先輩。現在75歳です。
ネパールで東洋医術(はり、きゅう、按摩マッサージ指圧)の技術者養成と普及、無料巡回治療(ヘルスキャンプ)など数々の活動をされています。
在学中私は東鍼祭(東洋鍼灸専門学校の学園祭)でネパール棒灸実演の担当だったこともあり、畑先生にお会いする機会がありました。
小柄なのにパワフル、明るい笑顔とさっぱりした語り口が特に魅力的で、2回お会いしただけなのに今でも当時の記憶が鮮明にあります。
テレビ番組内で紹介されていた数々のエピソード。
波乱万丈とはよく耳にしますが、本当にその言葉通りの人生を歩まれてきたのだと感じました。
ご自身に起こった様々な出来事を乗り越えられた後、ご自分へのご褒美として旅行したネパールで、鍼灸師を目指すきっかけとなる出来事があったそうです。
それは、トレッキング中に病院も薬もない山村を通りかかった時、病に苦しむ子供を抱えた母親に助けを求められたのに、何もできずにその場を立ち去ったこと。
手を差し伸べられなかった自分を許せなかった、と番組内でおっしゃっていました。
そして、その後しばらくしてご自身が高山病になり、たまたま同じホテルに宿泊していた日本人ご夫妻に症状を聞かれ、体をさすってもらううちに症状が改善していったこと。
薬や医療機器を使わずになぜこんなに体が楽になるのか?不思議に感じたそうです。
このご夫妻の職業は鍼灸師。
山中で出会った親子を助けられなったことをご夫妻に話したところ、
「もしそう思うのならあなた自身が鍼灸師になってネパールで鍼灸を広めればいい」
との一言が。
その一言で一念発起し、帰国後、46歳で鍼灸学校に入学し、49歳で鍼灸師の資格を取得後、再びネパールへ。
その5年後に鍼灸学校を設立。
(1人で鍼灸治療をしても知れている。1人が10人診るとしたら10人100人診れて、100人育てれば1000人診られる。というのが理由だそうです。)
58歳の時に無料巡回治療(ヘルスキャンプ)を始められ、現在も無医村や貧困層の多い地域で治療を続けられています。
畑先生にお会いした時に、日本に比べてネパールは湿度が高く、住居が土壁など湿気を含みやすい材質で建てられており、日本では見られないような重症の関節症の方が多いと聞いたことがあります。そのため鍼灸学校で学んだ技術では治せないことも多々あり、患者さんの症状や状況に応じて臨機応変に判断し、より良い治療法を編み出していくのだとおっしゃっていました。
状況に応じて判断し、最善を尽くせるように努力する。
これは鍼灸師だけではなく、すべての仕事に共通することだと思います。
実践していくためには、目の前のことにしっかり集中することと、強い意志を持つことが必要だと思いました。
自分がどうしたいのかを明確にして、その為に何をすればいいかを考え、努力を惜しまずにひたすらやり続ける。
畑先生は苦しむ親子を助けられなかった出来事を経験されて、2度と同じようなことを繰り返さないように、人の役に立てるようにと努力を重ねられてきたから、今もネパールの人々のために働き続けられているのでしょう。
私も今いるこの場所でご縁のあった患者さんに、より良い治療ができるようがんばり続けたいです!
ところで、ネパール棒灸は通常のお灸とはやり方がかなり異なります。
衣服を着たまま行うのですが、服の上にタオルを乗せて、そこに直接棒灸を当て、ミトンで熱を封じ込めるようにしていきます。
まるで温泉に入っているような心地よい温かさが魅力です。
東鍼祭で実演した時も、うとうとされる方がたくさんいました。
難点は煙が多くて、独特の匂いがあること。
通常のもぐさでも煙や匂いが苦手な方がいるので、治療に使うのは厳しいと思っていましたが、今回畑先生が代表を務めるよもぎの会のHPを見ていて煙を減らす道具があることを知りました!
久しぶりにネパール棒灸を購入して、まずは自分用に使ってみる予定です
畑先生は東洋鍼灸専門学校の大先輩。現在75歳です。
ネパールで東洋医術(はり、きゅう、按摩マッサージ指圧)の技術者養成と普及、無料巡回治療(ヘルスキャンプ)など数々の活動をされています。
在学中私は東鍼祭(東洋鍼灸専門学校の学園祭)でネパール棒灸実演の担当だったこともあり、畑先生にお会いする機会がありました。
小柄なのにパワフル、明るい笑顔とさっぱりした語り口が特に魅力的で、2回お会いしただけなのに今でも当時の記憶が鮮明にあります。
テレビ番組内で紹介されていた数々のエピソード。
波乱万丈とはよく耳にしますが、本当にその言葉通りの人生を歩まれてきたのだと感じました。
ご自身に起こった様々な出来事を乗り越えられた後、ご自分へのご褒美として旅行したネパールで、鍼灸師を目指すきっかけとなる出来事があったそうです。
それは、トレッキング中に病院も薬もない山村を通りかかった時、病に苦しむ子供を抱えた母親に助けを求められたのに、何もできずにその場を立ち去ったこと。
手を差し伸べられなかった自分を許せなかった、と番組内でおっしゃっていました。
そして、その後しばらくしてご自身が高山病になり、たまたま同じホテルに宿泊していた日本人ご夫妻に症状を聞かれ、体をさすってもらううちに症状が改善していったこと。
薬や医療機器を使わずになぜこんなに体が楽になるのか?不思議に感じたそうです。
このご夫妻の職業は鍼灸師。
山中で出会った親子を助けられなったことをご夫妻に話したところ、
「もしそう思うのならあなた自身が鍼灸師になってネパールで鍼灸を広めればいい」
との一言が。
その一言で一念発起し、帰国後、46歳で鍼灸学校に入学し、49歳で鍼灸師の資格を取得後、再びネパールへ。
その5年後に鍼灸学校を設立。
(1人で鍼灸治療をしても知れている。1人が10人診るとしたら10人100人診れて、100人育てれば1000人診られる。というのが理由だそうです。)
58歳の時に無料巡回治療(ヘルスキャンプ)を始められ、現在も無医村や貧困層の多い地域で治療を続けられています。
畑先生にお会いした時に、日本に比べてネパールは湿度が高く、住居が土壁など湿気を含みやすい材質で建てられており、日本では見られないような重症の関節症の方が多いと聞いたことがあります。そのため鍼灸学校で学んだ技術では治せないことも多々あり、患者さんの症状や状況に応じて臨機応変に判断し、より良い治療法を編み出していくのだとおっしゃっていました。
状況に応じて判断し、最善を尽くせるように努力する。
これは鍼灸師だけではなく、すべての仕事に共通することだと思います。
実践していくためには、目の前のことにしっかり集中することと、強い意志を持つことが必要だと思いました。
自分がどうしたいのかを明確にして、その為に何をすればいいかを考え、努力を惜しまずにひたすらやり続ける。
畑先生は苦しむ親子を助けられなかった出来事を経験されて、2度と同じようなことを繰り返さないように、人の役に立てるようにと努力を重ねられてきたから、今もネパールの人々のために働き続けられているのでしょう。
私も今いるこの場所でご縁のあった患者さんに、より良い治療ができるようがんばり続けたいです!
ところで、ネパール棒灸は通常のお灸とはやり方がかなり異なります。
衣服を着たまま行うのですが、服の上にタオルを乗せて、そこに直接棒灸を当て、ミトンで熱を封じ込めるようにしていきます。
まるで温泉に入っているような心地よい温かさが魅力です。
東鍼祭で実演した時も、うとうとされる方がたくさんいました。
難点は煙が多くて、独特の匂いがあること。
通常のもぐさでも煙や匂いが苦手な方がいるので、治療に使うのは厳しいと思っていましたが、今回畑先生が代表を務めるよもぎの会のHPを見ていて煙を減らす道具があることを知りました!
久しぶりにネパール棒灸を購入して、まずは自分用に使ってみる予定です