はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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目の変化は気付きにくい

2021-05-30 20:41:20 | 養生

ここ数ヶ月、目の症状を主訴とする患者さんが増えました。

特に目に問題がなかった人も疲れを感じるようになったり、そもそも抱えていた目の症状がより感じられてしまうようになったり、症状は人それぞれですが、パソコンやタブレットやスマホ等の端末を使用する時間が長くなったことが一因と考えられます。

私自身もその一人。40歳になる頃から視力の低下を感じてはいましたが、特にこの1年、見えづらさを感じることが多くなっていました。

元々視力が良かったことと、手元が見えづらいと感じていたことから、老眼だと自己判断していました。

 

先日調光レンズの眼鏡を作るために眼鏡店に行き、10数年ぶりで視力を測定してもらいました。結果、老眼はもちろんのこと、近視にもなっていることが判明。まさか自分が近視になるなんて!本当にびっくりしました。

免許の更新の際にもクリアできるギリギリの視力。矯正しなくても日常生活を送るには大きく問題はないけれど、今後のことを考えると今から状態に合った眼鏡をかけた方が良いとアドバイスを受けました。

そこで急遽室内用の中近レンズの眼鏡と、屋外用の遠近・調光レンズの眼鏡の2つを作ることにしました。

出来上がったものを眼鏡店でかけて、使い方を教わりました。目が眼鏡のレンズに対応するのに時間がかかることは聞いたことはあったけれど、身をもって体験するのも初めて。歩く際の注意点、レンズのどの部分でどこを見れば良いか、一つ一つ丁寧に教えていただき有り難かったです。

 

これを書いている時点でまだ3日目ですが、中近レンズの眼鏡に関してはかなり慣れてきた気がします。かけている方が楽だと感じるようにもなってきました。遠近は車酔いしたような感覚になってしまうので、まだしばらく慣れるのに時間がかかりそうです。それでも気に入ったフレームで今の状態にあうレンズで眼鏡を作って、本当に良かったと思います。

 

本人が気づかなくても、視野の欠損が起きていることに気づかず過ごしているケースもあると思います。

目の症状に限ったことではなく、日常生活を送る上でさほど困らないことは放置してしまいがちです。

私の場合ももっと早く視力検査して対応するべきでした。今にして思えば、首の後ろ側の筋肉の緊張感は明らかに強くなっていたし、目が疲れすぎて目を開けていたくなくなるような時間も増えていました。

このことを機に自分の体に生じた変化を軽く考えず、場合によっては速やかに対応していきたいと思いました。

 

西洋医学的に目はたくさんの筋肉に支えられて動いています。眼球を上下左右に動かしたり、焦点を合わしたり、それぞれに必要な筋肉が連動して動くようになっています。だから長時間同じもの(スマホの画面等)を見るということは、懸垂している途中で止まっているような状態です。ちょっと想像するだけでも疲れることが容易に想像できると思います。

東洋医学的には、目は「血」によって働くと考えます。「血」は五臓の「肝」に蓄えられています。「血」は筋肉を養います。

目を使いすぎると「血」を消耗することになり、「肝」の働きが弱まると考えます。

「肝」は筋が潤滑に働くための大切な器官でもあり、精神活動も支配しています。その働きが弱まると、目の疲れを感じたり、頭痛が起きやすくなったり、イライラしやすくなったりします。また、睡眠の質も低下します。

遠くを見たり、目を閉じて休ませたりすることで筋肉の疲労は抑えられます。「血」は夜間に体の内側で休むことで滋養されると考えられているので、夜間はなるべく目を使う時間を少なくすることも大切です。

「血」を滋養するためには適切な飲食物を摂ることが重要です。食事に偏りがある場合も「血」を消耗しやすくなるのでお気をつけください。

 

根本的な解決方法としては、目を一切使わないようにする、というのが一番なのだと思いますが、なかなかそうはいきません。

以上のようなことに気をつけ、目を労りながら過ごしたいですね。

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6月の休診日

2021-05-22 09:00:00 | お知らせ
HPで6月の休診日を更新しました。
ご確認よろしくお願いいたします。

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患者さんからの相談を受けて考えたこと

2021-05-19 22:07:30 | 鍼灸

先日、患者さんから一人暮らしのご自身のお母さんのことで相談を受けました。

お母さんは病気自体は完治したものの後遺症に悩まされていました。少しでも楽になれたらと、近所の鍼灸院の往診治療を開始。週3回のペースで治療を受けて1年ほど経ちましたが、治療後は毎回だるくて数時間は動けなくなってしまうそうです。お母さんは担当の鍼灸師に治療回数を減らしたいと伝えましたが、現在の症状には必要な回数であり、このままのペースで治療を継続することを勧められました。このことを相談された患者さんは、お母さんの治療に立ち会われたそうですが、施術時間は1時間から1時間半ほどだったそうです。
 
鍼灸師ごとに治療方法が異なりますので、他の鍼灸師の詳しい治療内容は分からないことが多いのですが、この話を聞いて複雑な気持ちになったと共に、いろいろと考えさせられました。
 
 
慢性的な症状の場合、自分が見立てた方針で計画的に治療しますが、その人に合った治療をする上で特に大切なのは、治療による刺激量の調整だと私は考えています。刺激量は患者さんの脈や舌やお腹の状態に加えて、皮膚の状態を診て調整しています。刺激に強い人は皮膚にしっかりと張りがあって、さらっとした感じ。刺激に弱い人は皮膚が薄くて柔らかく、しっとりしている感じです。刺激に弱いと判断した場合、私はできる限り患者さんへの負担がないように気を付けながら施術しています。
 
治療後に起きる反応も人それぞれです。
・眠気が強くなる。寝たらなかなか目が覚めなくなる。
・全身がだるくなる。
・それまで気になっていなかったところに違和感が出る。
・トイレが近くなる。
以上がよくあるものになりますが、挙げればキリがないほど個人差があります。
また、反応が起きるまでの時間が早い人や遅い人、反応の持続時間が数時間から数日間続く人もいます。
 
治療後のちょっとした変化や違和感が気になったら、まずは施術した鍼灸師に相談して下さい。身体に起きた変化を具体的に教えて頂けると、鍼灸師はそれが様子を見ていたら落ち着くものなのか、対処が必要なのか判断できます。良くないのは、これは何なのだろうと一人で悩むこと。身体に起きている感覚は患者さん本人にしか分かりませんので、遠慮せずに話して下さい。
 
鍼灸師は適正な刺激量を心がけて治療しても、刺激量の調整がうまくいかないこともあります。その場合、鍼灸師は誠実に対応する責任がありますし、そもそも患者さんがそういった相談をしやすい関係を築くことも大切です。また、患者さんの感覚を優先するのが何よりも大事です。
 
今回相談を受けたケースは、おそらく刺激量が多すぎることによってかえって患者さんが辛い思いをしているのではないかと推測されます。もう一度、担当の鍼灸師に相談して、ちょうど良い刺激量の治療が受けられるようになることを願います。
 
そして、私自身も他人事とせず、今一度気を引き締めて治療していきたいと思います。
 
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適切な医療を受ける

2021-05-11 20:45:27 | 養生

「できれば病院に行きたくない」 「薬はあまり飲みたくない」

患者さんからよく聞く言葉です。

東洋医学に興味を持って来院されている方々なので、当然と言えば当然かもしれません。

しかし、健康診断で要検査と診断されたり、鍼灸治療を受けても検査数値の改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診して下さい。

 

先日70代の患者さんを治療する際に脈を診たところ、脈拍が早く不規則になっていました。1年以上治療していて初めての脈の状態だったことと、ご本人の自覚症状として動悸息切れもあったため、できる限り早い受診を勧めました。

後日その患者さんが来院されたので経過を伺ったところ、かかりつけ医から紹介された病院で精密検査を受け、心臓の一部に肥大はあるものの現時点では手術の必要がない状況でした。ただ、服薬治療は必要とのことで、内服しながら経過観察することになったそうです。

 

東洋医学は病名の如何・軽重を問わず対処できる医学ですが、現代医学のように病気を明確に発見したり進行の程度を見極めたりすることができません。

40代以降の患者さんの中では、検査数値に異常が見られる方は多いです。医療機関を受診するよう指示を受けている場合は、「症状がないから後でいいや」「そのうち何とかなるだろう」と思わずにきちんと受診して下さい。特に、糖尿病や脂質異常症等の生活習慣病は命に関わる病気に繋がる可能性が高いため、早めの受診が肝心です。

西洋医学の治療とともに、東洋医学を健康管理の一つとして取り入れて頂けたらと思います。

 

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井の頭公園で水鳥観察

2021-05-04 17:50:47 | 日記

新緑の井の頭公園に、水鳥を観察しに行きました。

早朝ではないものの、ほとんどの店が開店前の時間帯だったこともあり、人出は少なめでのんびりした雰囲気でした。

白鳥ボートはお休み中。


風がなく穏やかな天候だったので、どこを見ても水面が鏡のようでした。
 
今回の目的は水鳥の観察。
双眼鏡越しにしっかり観察できたのは、カイツブリとカワウでした。
 
カイツブリはとにかく頻繁に潜水します。
潜水の瞬間を撮影。

しばらくすると何かを咥えて浮上してきました。

すると親鳥の元に雛鳥が近付いていきます。

食事にありつけるのはもちろん一羽だけ。その後何度も親鳥は潜水して、雛鳥の中には潜水の練習をしている感じの子もいました。
 
揃って泳ぐ姿はなんとも可愛らしい。


中央やや下の方に写っているのはカワウ。

カワウはカイツブリよりもさらに長く潜水する上、潜った場所から随分離れた場所に浮上してくることが多く、撮影が難しかったです。
時折羽を大きく広げてじっとしていました。

後で調べたら、普通の水鳥は羽づくろいの際に羽毛に脂を塗って水をはじくようにしているそうですが、ウの仲間は尾脂腺(びしせん=脂を分泌する器官)が発達していないため、水に濡れると乾かす必要があるのだとか。潜ることに特化しているとも云える特徴だそうです。
 
井の頭弁財天の赤い色は、新緑の中でチラッと見えるだけでも目を惹きます。

淡い黄緑色から濃い緑色まで、あちこち緑のグラデーションが美しい。


 

しばらくベンチで座っていると、カワウがやってきました。

もう少し近づいて撮影、と考えていたら飛び去っていきました。

噴水のそばに寄ると水飛沫が風に乗って飛んできました。

クレマチス・風車。やわらかい感じの白が爽やかです。

ヘビイチゴの実も1個発見。
 
木々の葉を通すと、日差しが柔らかに感じます。

ムサシノキスゲの黄色が緑に映えます。




公園を後にする前にカルガモを見かけました。
 
吉祥寺は店も人も多くて賑やかな印象の街ですが、井の頭公園の中は別世界のように感じるほど自然が豊かです。
 
これからは気温が高くなる季節。今度は早朝に水鳥観察を兼ねて散策に来たいと思います。



 
 
 
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少し早めの母の日

2021-05-02 20:33:18 | 日記
2021年に入ってから、定期的に夫の両親の治療をすることに決めたこともあり、緊急事態宣言下ではありますが両親の住む奥多摩に行ってきました。
 
道中の景色を楽しみながらのドライブ。
久しぶりに青空と空気の良さを体感しました。

ほとんどの駐車場が閉まっていたため、落ち着いて写真を撮ることができませんでしたが、可能な限り撮影に挑戦。
 
奥多摩では自生している藤の花が見頃。
 
こちらは白い藤の花。

すぐ近くの梅の木には実が。
 
沢井駅付近で撮影。チラッと見える多摩川。


遠すぎてうまく撮れませんでしたが、薄紫の藤の花があちこちに。

車を停めたすぐそばには丸くてかわいい蕾。

御嶽駅付近の藤。



川井駅付近の藤。


 
両親の家に到着。
 
少し早いけれど、母の日の花をプレゼント。
カーネーション、バラ、カラー、ガーベラ、クラスペディア、アストランティア、



いつもお世話になっている花屋森のなかさんにアレンジをお願いしました。
毎年配達だったので、手渡ししたのは初めて。お義母も大喜びで私も嬉しかったです。
 
庭にはたくさんの花々が咲いていてました。
 
クレマチス

アヤメ

名前は分からないけど、小さくてかわいい花もひっそりと。

エビネラン



シックな色味が素敵です。
 
芝桜はまだ見頃のものもありました。
 
奥多摩の景色や植物で気分転換できました。
 

 

 
 
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