古来、病の原因は虫によるものと考えていた時代がありました。
虫について書かれた書物の中でも、とびきりユニークで親しみやすく書かれているのが、「針聞書(はりききがき)」という書物です。
永禄11(1568)年、摂津の国に住んでいた茨木元行という人物によって書かれたとされています。針の打ち方、人体解剖図、病気の原因と考えられた想像上の虫の姿が描かれ、その虫の特徴と治療に有効な漢方薬などが記されています。
九州国立博物館に所蔵されているので、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
まだ九州国立博物館行ったことがないのでいつか実際に見てみたいとは思いますが、ひとまず手元にある絵本と書籍で楽しんでいます。
特にこの絵本「はらのなかのはらっぱで」は腹の中にいて病の原因とされている虫たちが、ちょっぴり不気味だけれどかわいい姿で描かれていてお気に入りの一冊です。
冒頭の写真はカバー写真、下の写真はカバーをとった本体の写真ですが、どちらもとてもかわいいです。
裏表紙には五臓六腑のイラストが描かれています。
私たち鍼灸師にはお馴染みの絵で、個人的には現代医学の解剖図よりもしっくりくる感じで好きです。
九州国立博物館のサイトに虫たちについて掲載されているので、こちらをご覧ください。
私は鍼灸学生時代に肝虫に一目惚れしましたが、絵本のどこかにみなさんにとってのお好みの虫がきっといるはずです。ちなみに当院の患者さんで小3の女の子にこの絵本を読んでもらったところ、肺虫が一番かわいいとのことでした。
この絵本なら東洋医学の知識がなくても十分楽しめますし、読んでいるうちになんとなく東洋医学の世界観が分かってくるかもしれません。入手困難な時期がありましたが、現在九州国立博物館のオンラインショップで購入可能のようです。
来院予定で試しに読んでみたい方は、ぜひお声かけくださいね。