北大教授ら分析 別の天体と衝突確認
探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から回収した岩石質の微粒子を分析した結果、イトカワのもとになった天体が約45億年前に誕生した可能性が高いことが分かった。別の天体と衝突して破壊され、現在のイトカワになったとみられる。北大の圦本尚義教授や岡山大の中村栄三教授らが、千葉市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で発表した。圦本教授らによると、微粒子の鉱物比などの特徴を分析した結果、イトカワのもとになった母天体は、太陽系誕生に近い約45億年前に誕生した可能性が高いという。太陽系は約45億6800万年前に誕生したとされるが、それより約630万年以上新しいという。また、中村教授らはイトカワの砂粒4個の表面を調べ、切断して内部を観察。700~900度の熱変化が起きた痕跡を発見した。高温の熱変化は、長さ535㍍のイトカワより大きな天体でなければ起きず、イトカワ母天体があり、別の天体と衝突したことが確認された。衝突の時期は不明という。現在のイトカワに天体と衝突した跡はないが、回収した微粒子の表面には、無数の粒子と衝突した形跡もあった。中村教授は「まだ4粒を分析しただけ。もっと分析が進めば、誕生年代などが、もう少し明らかになる可能性がある」とはなしている。
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