゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

江戸期以来の「寒試し予想」芽室の松浦さん

2008-03-17 17:00:00 | うんちく・小ネタ

小寒から31日間の天気を1年に見立て・・・                                              先人の知恵VS札幌管区気象!?

100_0623 あらゆる場面でコンピュ-タ-が幅をきかせる                             時代。天気予報も例外ではないと思っていたら、                           十勝管内芽室町の松浦元治さん(73)が毎年2                            月に発表している「寒試し天気予想」が「よく当                            たる」と、評判を呼んでいるという。寒試しは江戸                           時代から農家などで行われていた予想法。札幌管区気象台は2月                            下旬、ス-パ-コンピ-タ-を駆使した長期予報を発表した。先人                            から伝わる知恵が勝つのか、コンピュ-タ-が当たるのか?

道内各地地で毎年発表「よく当たる」と農家に評判

100_0624 前半は低温?

「今年は要注意です」2月25日、松浦さんは米ど                           ころ、上川管内東川町のコミュニティ-センタ-で、                         こう切り出した。毎年この時期、経営する肥料会社                         の営業を兼ねて道内各地を回り、農家などに寒試                          し予想を解説している。予想は数ヵ月先の日付を                          挙げるなど、具体的だ。今年の上川地方は5月上                          旬は気温が極めて低く、4、5日は霜に特に注意しなければならない。              7月3~13日と同15日~23日も低温で、水稲の不稔や病水害に注                          意する必要がある。8月15日からは高温が続き、大霜は10月16日以                         降になる-。「もし5月6、7日ごろ、道内のどこかで雪が降ったら、最悪、                        平成5年(1993年)と思ってください」。93年は全国的な大冷害でタイ                         米を緊急輸入するなど、戦後最悪の大凶作だった年だ。会場がざわつ                         いた。                                                                寒試しは、「寒の内」(寒中。1月の小寒から2月の節分まで)の天気を                         一年間に見立てる天気予想だ。松浦さんは72年から始め、試行錯誤                          の末、小寒(今年は1月8日)から31日間の天気を基にしている。まず、                        その間の温度と湿度の変化を連続して記録し、約2時間分の記録を1日                         分として考える。次に、31日間の平均気温を計算し、①その2時間の気                        温が平均より高ければ、その日の気温も平年より高く、平均より低けれ                         ば平年より低くなる②湿度が高ければ雨や雪、低ければ晴-を基本に、                        過去の傾向や独自の解釈などを加味しながら、1年分を予想する。

湿度高ければ雨・雪/数ヵ月先の日付も対象                                       「スコアは無理」

100_0625 くしくも、松浦さんが冷害への備えを説いた同じ                           日、札幌管区気象台は8月までの道内の長期                            予報を発表した。気温については「平年並み」                           「高め」の言葉が並ぶ。3ヵ月予報の主な根拠は、異常気象の原因とな                 る「ラニ-ニャ現象」(ペル-沖の海面水温が低下する現象)が夏に                           向けて次第に弱まっていく見込みであること、北海道の北側で高気                           圧の勢力が強いこと、などだ。松浦さんの予想と随分違う。気象台は                          どのように予報しているのか。「ス-パ-コンピュ-タ-が計算した                           予報を、各地の予報官が評価した上で、完成品として発表します」。                           札幌管区気象台気候・調査課の長谷川昌樹予報官は、こう解説する。                         予報の基になる気温や大気の状態に関するデ-タ-は、地上での観                         測、衛星やレ-ダ-、気球で飛ばした機器や計る高層気象、航空機                          や海上での観測など、多岐にわたる。日本各地はもちろん、世界各                           地のあらゆるデ-タ-が、東京都清瀬市のス-パ-コンピュ-タ-に                          送られる。ス-パ-コンピュ-タ-がデ-タを解析・計算して予報をは                          じき出し、各地の気象台へ。気象台の予報官は個別のデ-タを読み                          解いたり、過去の気象傾向を踏まえて微調整したりして、最終的な予                          報として発表する。長期予報は1週間、1ヵ月、3ヵ月、暖候期(6-8                          月)などの平均的な天候を確率で予報する。慎重に、かつ、できるだけ                         踏み込んで予報しているが、長谷川予報官はプロ野球の順位予想に                          たとえて言った。「どのチ-ムが優勝するかは予想できても、1ヵ月先                          の試合のスコアまでは予想できません。予報も同じです」

百貨店も関心

ところが、松浦さんの寒試しはそのスコアまで予想する。昨年、1、2月                         が暖冬、3-6月が低温、7-9月は高温・干ばつと予想したところ、                          「75%くらい当たった」という。寒試しの根拠は「先人の知恵」としか言                          いようがない。かつて松浦さんは、低温やひょうの被害にしばしば遭っ                         た。「天気を前もって予知できたら」と思い、寒試しに注目。長年取り組                          んでいた空知管内北竜町の農家に習った。なぜ当たるのか、なぜ寒の                         内なのか、松浦さんにも分からない。ただ、道内の農家の言い伝えには、                       寒の内の気候に関するものが多い。「雨があれば豊作」「粉雪があれば                         凶作」北風と東風は貧乏」また、「正月の鏡餅にカビが多く生えた年は豊                       作」というのもある。カビは湿度の高さを意味している。松浦さんは「昔の                        人が培った知恵をデ-タで実証し、後世に伝えたい」と思いを語る。現在、                       寒試しをしているのは、渡島・檜山、空知、上川、北見、十勝の5地方。                         一つにまとめた天気予想を三千部作り、無料で配っている。営農の参考                        のつもりだったが、最近は各地の除雪業者や百貨店、電気店などから問                        い合わせが相次ぐ。除雪の仕事の受注量を予測したり、扇風機や冬物衣                       類など季節商品の発注の参考にしたりするためだ。プレッシャ-はない                         のか?松浦さんは笑って、首を横に振った。「当たるもはっけ、当たらぬ                         もはっけ。気象庁が大金をつぎ込んでも、なかなか当たらないのが天気                         予報ですから」

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