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味と風味「當瀬規嗣解説」

2007-10-30 18:00:00 | 健康・病気

嗅覚で「おいしい」判定                                                    

収穫の秋、旬の食べ物がたくさん出回って、私もおなか周りに気を                            使う季節です。おいしい食べ物に出会ったときはとても幸せな気分                            になります。この「おいしい」って、どういうしくみなのか考えてみまし                            た。食べ物を楽しむときには、さまざまな感覚が働いています。とく                            ににおいと味、つまり嗅覚と味覚は重要です。皆さんの中には「お                            いしい」は、「よい味」と同じと考えている方が多いと思います。でも、                           味覚だけでは食べ物は判定できないことが分かっています。人は                            目隠しをして食べ物を口に含んでも、それが何であるのか、ほとんど                           当てることができます。ところが、その状態で鼻をつまんでおくと、と                           たんに、食べ物の判定ができなくなるのです。口の中に入っている                            ので、甘い、しょっぱいなどの味は分かっているのですが、たとえば、                          甘いものだけど、メロンなのかリンゴなのかスイカなのか、判別にか                           なり苦しみます。鼻をつまむと、鼻腔内の空気が入れ替わらないので、                         口のなかの食べ物のにおいを感じないためです。口の中にある食べ                           物のにおいは、鼻とのどがつながっているので鼻の後ろ側(後鼻孔)                          から上がっていきます。ですから、通常のにおいとは少し違い、味と                           においが一体となった感覚になります。一般に言われる「風味」はこ                           れをさしているのではないかと思います。ですから、カゼで鼻が詰ま                           っていると、食べ物はおいしくありません。食べ物を味わうとき、わざ                           とにおが鼻に通るようにすると、一段とおいしくなりますよ。                                (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長) 

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