長寿遺伝子を研究する札医大教授
脳の神経幹細胞が神経細胞に分化する仕組 みの一部をマウスを使って同僚らと解明し、世 界的な学術雑誌「米科学アカデミ-紀要」に10 月、研究論文を発表した。「長かった」と振り返 る。寿命を延ばすという長寿遺伝子がつくる酵 素の働きを6年前から研究。今回、この酵素が 分化の過程で働いていることを突き止めた。国 からの研究費は最初の2年間のみ。「道の研究 費に支えられた。でも厳しかった」と言うだけに、 喜びはひとしおだ。1999年、大阪大助教授から 札医大医学部薬理学講座の教授に就任し、北海道へ。以来9年間、 長寿遺伝子の研究に一貫して取り組んでいる。「当時、最も解明さ れていなかったのが老化の分子メカニズム。札医大か゛自由な雰囲 気で新しいテ-マにも取り組めた」自身のこれまでの研究で、長寿 遺伝子の酵素の働きを促進する薬を遺伝性心不全のハムスタ-に 投与すると、寿命が延びることが分かってきた。「長寿遺伝子は、い ろいろな病気にかかわっているようだ。解明していくことで、ヒトの病 気の治療や予防に役立ちたい」と、目標を見据える。日々の研究の 気分転換は、水泳や読書、それに料理作り。「たいていの家庭料理 ならできます」。生まれは大阪府豊中市で「根っからの大阪人です」と も。妻と2人の息子と札幌市で暮らす。53歳。
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