地下茎に鎮咳(ちんがい)、抗菌作用
それまで、ほとんど笹だられだった北方系生態観察園の植物調査を行ったのが1997年。以後、繁茂していた笹を駆除しながら林床を整備するうちにいろいろな植物たちが増え続け、荒れていた森がどんどん元気になっています。雪解け後の森でも早く動き始めるクルマバックバネソウも増え続けている植物です。日当たりの良い所では3月下旬に芽出しが始まります。雨が降った翌日の早朝には、たくさんの水滴をつけたみずみずしいクルマバックバネソウの葉っぱを見つけることができます。降り注ぐ陽光の中で楽しく踊っているかのようで、心がとても温かくなります。「大地に流れる生命エネルギ-を感じる」ことも病気予防に欠かせないことです。「心身一如」は漢方の基本なり。衝羽根草は、秋、熟した紫色の果実が羽子板に使う羽根の重り、ガク片が羽根のようになることからついた名。春の芽出しから秋の実になるまで、ずっと見守り続けるのも楽しいものです。地下茎部分は、王孫と呼ばれ、鎮咳、抗菌作用のある薬用植物でもあります。(堀田清・北海道医療大准教授=写真も)
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