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ピロリ菌<がん発症マウスで確認>

2008-01-10 19:48:00 | 健康・病気

北大グル-プ 「胃」以外も関係か

ヘリコバクタ-・ピロリ菌が胃がんを発症させる仕組みを昨年世界で                           初めて解明した、北大遺伝子病制御研究所の畠山昌則教授(分子                           腫瘍学)と同大学院生大西なおみさんらの研究グル-プが、ピロリ                            菌が作るタンパク質を用いて実際の動物(マウス)にがんを発症させ                           ることに初めて成功した。試験管内の実験で解明したがん化の仕組                           みが、複雑な生体内でも働いていることが分かり、胃がんの新たな                           予防法や治療法開発に一歩近づく研究と期待されている。米科学                            アカデミ-紀要の電子版で今週中にも発表される。研究グル-プは、                           ピロリ菌が作るタンパク質CagA(キャグ・エ-)の設計図である遺伝                           子をマウスの受精卵に注入。生まれながらに全身の細胞でCagAを                           作り出すマウスを誕生させ、72週間、観察した。生後三ヵ月までに                            222匹の六~七割に、胃の上皮細胞が増殖し、胃壁が厚くなる異                           変が発生。その後、6匹に胃や小腸のがん、17匹が白血病やリン                           パ腫など血液がんを発症した。研究グル-プは「マウスが自然状態                           で消化器がんになることはまずなく、生体に入ったCagAでがんが                            発症したにちがいない。また、CagAが消化器以外のがんとも関係                           がある可能性もでてきた」と指摘している。畠山教授らがこれまでに                           明らかにしてきた胃がん発症メカニズムは、①ピロリ菌がCagAを上                           皮細胞に注入②CagAが細胞内のタンパク質(PAR1)と結合し、上                           皮細胞同士の密着構造を破壊、炎症やかいようを起こす③さらにCa                           gAが細胞内の別のタンパク質(SHP2)と結合し、異常な細胞増殖                           が始まり、がんになる-という過程。畠山教授は「私たちが解明した                              細胞レベルのメカニズムが個体レベルで発展的に確かめられたのは                          大きなステップ。CagAが世界初の細菌に由来するがんタンパク質で                           あることも最終的に実証できた。今後研究を進め、予防や治療開発                           につなげたい」と話している。

ヘリコバクタ-・ピロリ菌=1982年に発見された、らせん状(ヘ                            リコ)の細菌(バクタ-)。ヒトの胃の粘膜、特に胃の出口付近の幽                            門部(ピロリ)に生息。長さ2・5~5マイクロメ-トル(1マイクロメ-                            トルは千分の1㍉)で、数本のぺん毛を持つ。経口感染するとされ、                           感染すると8割が委縮性胃炎になる。全感染者の2~3%程度が                            かいようになるが、抗生物質による除菌治療がある。

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