北大の医師ら 原因解明に弾み
中途失明の原因として最も多い緑内障について、北大大学院研究員の藤川恵子医師らの研究グル-プは、緑内障の発症に関与する遺伝子を初めて特定した。緑内障の詳しい原因や発症メカニズムは分かっていないが、研究グル-ブはメカニズムの解明や新薬開発につながることが期待できるとしている。
この遺伝子は、人の免疫や神経系をつかさどる「Vav2」「Vav3」。藤川医師らは、遺伝子操作でこの2つの遺伝子が欠損したマウスをつくったところ、このマウスには、幼児の緑内障で起る、眼球が腫れ上がる現象が見られ、眼圧上昇や視神経節細胞の減少など人の緑内障と同様の症状が確認された。その上で研究グル-プは、緑内障患者と健常者のそれぞれ100人について、遺伝子の変異状況を解析。その結果、「Vav2」「Vav3」遺伝子に異常がある人は、緑内障患者が健常者より約5倍多いことが分かり、この2つの遺伝子が緑内障の発症に関与していると結論づけた。藤川医師は、「緑内障の発症メカニズムを解明する大きな手掛かりになる。今後、遺伝子・分子レベルの研究がさらに進めば、眼圧降下薬などの治療薬の開発に弾みがつく」と話す。研究結果は2月4日付けの米科学雑誌「プロスワン」で発表した。緑内障は、視神経が委縮し、視野が狭くなる病気で,中途失明原因第一位。
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