古来の作法 理にかなう
味は塩味、酸味、甘味、苦味の四つの基本の味の組み合わせで 感じられると考えられています。さらにこの四つの味に当てはまら ない、うま味があねことは、かって日本の研究者の努力により、見 いだされていました。そしてうま味を生じる成分として、イノシン酸や グルタミン酸を発見しました。最近になってようやく国際的に認めら れました。やはり、日本人の味覚は鋭いのでしょうか?そういえば、 日本人はみそやだし汁などのうま味が好きですね。ところで、味は、 舌やのどの粘膜なにある味蕾というしくみで感じ取ります。味蕾は 五つの味それぞれの専用の ものが存在しているわけではなく、 五つの味を同時に感じているようです。しかし、味に対する感受性を 調べると、舌の部分でとくに感じやすい味覚が異なるようです。うま 味は舌全体で感じるようですが、塩味は舌先から舌の両縁で感じ やすく、甘味は舌先でとくに感じやすいようです。酸味は舌の両縁 から根元で感じやすくなっています。苦味は舌先と口腔の天井の奥 の部分(軟口蓋)でとくに感じやすいのが分かっています。そこで、 私が考えたお酒の味わい方です。甘味が強い日本酒は舌先でなめ るようするのがよく、酸味のあるワインは舌の縁に転がすようにすると 味わい深くなり、ビ-ルはのどの奥に流し込むようにすると苦味を楽 しめるのではないか、という訳です。つまり、昔から言われるお酒の 飲み方は理にかなっているのです。でも、こんな粋な飲み方は最初 のうちだけですね。とくに私は反省が必要で・・・・。 (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
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