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せきとせき払い「當瀬規嗣解説」

2007-11-29 12:10:00 | 健康・病気

反射か意識的かで区別

寒い季節がやってきました。風邪がはやりますね。風邪の症状とい                           えば代表的なものに発熱、鼻水、せきがあります。発熱と鼻水は病                           気の症状で、通常はありませんね。しかし、せきは違います。せきは                          健康なときにも、意識して出すことができます。これをせき払いといっ                           たりしますね。つまり、せきは健康な通常の状態でも必要な体のしく                           みで、病気のときにそれが強く出るようになるものだと考えられます。                          せきは、のどや気管、気管支など、のどから肺に至る息の通り道(気                           道といいます)の粘膜についた異物を排除する反射です。せきを起こ                           す異物とは、空気中のほこりやごみなどや、刺激ガス、冷たい空気な                          どです。これらは、粘膜にある神経を刺激します。この刺激は副交感                           神経を通して脳の延髄にあるせき中枢に伝えられます。せき中枢は                           命令を出し、いったん声門を閉じて、次に強く息を押しだすように胸の                          圧力を高めます。次の瞬間に声門を開いて、強い気流を生じさせ、気                          道の中の異物や空気やガスを一気に排除します。これを反射ではな                          く、意識的に行うのが、せき払いなのです。風邪のウイルスが引き起                           こした炎症が気道の粘膜を刺激してせきを起こします。さらに、炎症は                          気道の分泌を高めて、たんを生じます。これも粘膜を刺激して、せきを                          起こします。せき反射は副交換神経を介しています。この神経は夜間                          に強く働きます。ですから、せきは夜間、とくに寝入りに強くなります。                           ご用心を-。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)

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