室内高温シャツ1枚/ごみ多く再利用下手 温暖化デ-タ 軒並み全国上回る=資料クリックで拡大
「環境サミット」の開催地となるのに北海道は地 球に優しくない?道などがまとめたデ-タで、そ んな耳の痛い現実が浮かび上がってきた。原因 は、寒い冬も室内をポカポカにして過ごす北海道 特有の生活習慣だ。来年夏の北海道洞爺湖サ ミットでは地球温暖化問題が最大のテ-マ。本 格的な冬の到来を前に日常生活を見つめなおしてみませんか。 「冬でも室内を汗をかくほど暖かくし、シャツ一枚でビ-ルを飲む 姿を恥ずかしい、と思わなくては」。道教大札幌校の住田和子教授 (環境教育学)は、こんな生活スタイルに警鐘を鳴らす。地球温暖化 の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量が多く なる原因が、道内の場合、家庭にあることを示すデ-タがあるからだ。
■目標値と差
道内の温室効果ガスの排出源は「家庭」が20・5%=グラフ①=で、 全国平均の1・5倍。北海道経済産業局などの調べでは、道民一世 帯あたりの灯油使用量は全国平均の3倍、ガソリンも全国平均より 一割近く多い。北海道は寒冷地で暖房か゛必要とはいえ、本州でも 冷房、暖房を使う。住田教授は「寒冷地という地域特性はよくわかる が、やはり少しひどい。家の中で1枚多く服を着るなど<シンプルラ イフ>は誰にでもできる」と提言する。道内は温室効果ガス排出量の 増加率でも、全国平均を大きく引き離している=グラフ②=。1990 年度から14年間で、全国を約6ポイント上回り14・2%増えた。一人 当たりの温室効果ガス排出量も全国より4割も多い=グラフ③=。寒 い地域だから、と簡単に言い訳できない数字だ。道は、実質的な温室 効果ガスの増加を2010年度に20年前よりも9・2%削減目標を立て ている。しかし、最新デ-タとなる03年度時点では逆に2・9%増加し、 目標と12ポイント以上も差が出た。「この状況では目標達成は難しい」 (道環境政策課)。道は「道民の生活スタイルが影響している」と特効 薬を見つけかねている。
■分別推進を
温室効果ガスは、ごみの運搬、焼却、埋め立て段階でも発生する。 道内は、こ゛み排出量でも全国平均を上回る。05年度の道民一人 あたり1日の一般ごみ排出量は全国に比べ、重さにして350ミリリ ットルの空き缶6個分(90㌘)多い=グラフ④=。年間では1人2千 缶以上も全国より多くこ゛みを出している計算だ。さらに一般ごみリ サイクル(再利用)率も17・2%で、全国より1・8ポイント低い。ごみ をたくさん出し、しかも再利用は少ないということになる。北大公共政 策大学院の吉田文和教授(環境経済学)は「土地の制約が少ない 北海道では、『ごみを減らさなくては』という意識が生まれにくい面も あるのでは」と指摘。「温暖化防止のためには、市町村を中心に分 別やリサイクルを進めてごみを減らす必要がある」と話している。
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