野菜くず、落ち葉・・・堆肥に=西條さんの菜園だより
近年、家庭菜園がブ-ムになっています。僕も友人を道連れに菜園生活の仲間入りをして今春で4年目。現在、札幌市東区にある農地約1㌶を借り、10組の家族(グル-プ)で共同運営しています。僕たちの農園では、それぞれが自由に耕作する菜園作業のほか、毎月1回の共同作業日(自主参加)を設け、周辺の草刈り、堆肥用の落ち葉集めなどを行います。また、トラクタ-や耕運機は共同利用し、燃料代なども会費でまかないます。グル-プには特に決まりはないけれど、無農薬、無化学肥料、除草剤も使わない有機栽培が信条。自分で栽培した安心野菜が並ぶ食卓は、健康的な暮らしには欠かせないもので、恥ずかしながら、「豊かな暮らしとはこういうことなのか」と、人生半ばにして感じています。同時に、同じ考えを持つ人たちが、菜園生活をより楽しめる、ということも実感しています。僕たちの農園い゛は、毎年4月、ごみ拾いで畑開き。菜園仕事は土起しで始まります。この際、堆肥や有機肥料をすき込むのですが、化学肥料を使わない有機農法には、肥料自体を一切使わない方法や、畑を耕さない方法などもあるので、各自がそれぞれのやり方を選び、実験気取りで楽しんでいます。僕は昨年、鶏ふんや牛ふんなどの動物性の肥料は使わずに、米ぬかや油かすの植物性肥料のみを、ほんの少しだけ使って、野菜作りに朝鮮しました。タマネギ、ジャガイモ、ニンニクといった根菜類から果菜、葉菜、ハ-フなど約80種類の作物を栽培してみました。結果的に、育ちがいまひとつの作物もありましたが、これが気候のせいなのか、肥料のせいなのか、未熟に私には判断できません。でも、今年もこりずに、再度、チャレンジしてみるつもりです。さらに、今シ-ジンは強い味方が加わります。冬の間中、僕の会社の事務所の片隅に置いておいたコンポスト容器の中で、コ-ヒ-やお茶葉、野菜くずを、ミミズたちがせつせと食べて作り出した貴重な堆肥と液肥です。また、昨年秋に、山から集めて来て積み上げておいた落ち葉堆肥、近所の田んぼで集めてきた稲わら、米屋さんの米ぬか、わが家のきまきスト-ブの木炭なども使う予定です。僕は、自分の身近にある資源を生かした野菜作りを心がけることで、循環する暮らしを実感できるようになった気がします。僕たちが食べたものが分解され(堆肥などの肥料)、栄養(作物)として戻ってくるのです。連休前には、いよいよ土起し。今年もまた、楽しい季節がやつてきました。
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道内でもやっと春耕の季節。仲間と共同で農園を借り、菜園暮らしを楽しむ札幌の西條正幸さんが、グル-プの取り組みを報告します。畑作りの喜びや失敗談、栽培の工夫などを盛り込み、掲載。
さいじょう・まさゆき 1960年伊達市生まれ。一級建築士事務所ビオプラス西條デザイン(札幌)代表。環境に配慮したエコ住宅づくりを行う一方、有機栽培による農的暮らしを実践している。
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