仕掛け にぎわい創出知恵絞る
「車から見る風景とは一味違う。風を切り、山を眺めながらペダルをこぐのは本当に気持ちいい」。友人3人と自転車で後志管内二セコ町内を巡った。横浜市の会社員大田健介さん(27)は笑顔を見せた。視線の先には、夏空に映える二セコ山系があった。
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同町は7月、五ヵ所で乗り降りできる無料貸自転車「二セコグリ-ンバイク」をスタ-トさせた。中古自転車25台を修理し、車体を緑色に塗装、1ヵ月間で約200人が利用した。町は「自然豊かな二セコを楽しむには、環境にやさしい自転車が似合う」と話す。二セコ地域ではここ数年、夏を楽しむイベントやサ-ビスといった「仕掛け」が次々と生まれている。30日から始まる自転車のイベント「二セコサイクルウィ-ク」。二セコ地域の企業に勤める外国人愛好者らが昨年、初めて開催した。山道を集団で数十㌔走ったり、スキ-場の斜面を駆け降りるなどのプログラムが1週間にわたって組まれ、約200人が楽しんだ。今年は台湾からも参加する予定だ。倶知安、二セコ、蘭越の地元3町の事業者か゛連携したイベントも昨年誕生した。9月から10月にかけて開かれる「二セコフェスティバル」。各事業者がサケの遡上見学やガイド付き温泉巡り、星空散歩といった約50もの体験メニュ-などを用意し、滞在客に「毎日何かが楽しめる二セコ」を売り込む。10月には地元食材を集めた青空市場を2ヵ所で開催、実行委は「閑散期ににぎわいを創出したい」と意気込む。
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冬だけの「季節商売」だった飲食店にも変化が見られる。倶知安町ひらふ地区では、通年営業する店がここ数年で倍増、今夏は40店ほどになった。シ-クレットレストラン「KAME」もそんな一つ。冬には外国人客が殺到、なじみ客を断ることもしばしばだった。客が減るのを覚悟で約4㌔離れた場所に移転、通年営業に切り替えた。オ-ナ-の原田朋久さん(44)は「夏も予想以上に来てくれる。口コミで知った日本人滞在客も多い」と手応えを感じている。夏観光の魅力が増し、滞在客は増える傾向にはあるが、倶知安町の夏季(6~10月)の宿泊述べ数は、まだ冬季(12~4月)の6割ほどの27万人(昨年度)にとどまる。事業者らでつくるPR組織「二セコプロモ-ションホ゛-ド」の久野賢策統括業務執行理事は「まだ冬のスキ-のような目玉がない。「夏の二セコ」のイメ-ジを育てるには、長期的な取り組みが必要」と語る。発信2009
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