パン教室「カフェ・タブリエ」主宰 森本 まどか 健康志向で「黒」も人気に
「アルプスの少女ハイジ」があこがれた「白いパ ン」、皆さんもよくご存じですね。今、私たちは白 くてやわらかいパンを簡単に食べられますが、 昔の人たちにとって「白いパン」はぜいたく品。 冨の象徴だつたのです。ハイジの舞台となつた 1800年代後半のヨ-ロッパでは、民衆の日々 の糧は「黒いパン」でした。やせた土地でも収穫できるライ麦や大麦、 穀物などが原料の、色が黒くて硬めのパンです。パンを週1回、村の 共同の窯で焼いて保存し、薄く切っては大切に食べました。硬くなっ たパンは、粗末なス-プに浸して食べていたようです。白いパンを食 べることができるのは、年に一度のお祭りの日だけでした。実は最近、 この黒いパンが、欧米や日本で人気です。ミネラルや食物繊維の豊 かさと、摂取後の血糖値の上昇が遅く太りにくいとして、注目を集め ています。白米に代わり、玄米や雑穀が見直されているのと同じで すね。製造技術の進歩で、おいしい「黒パン」が食べられろようになり ました。とはいえ、かつての民衆が食べたくても食べられなかった「白 いパン」ではなく、健康志向で「黒いパン」を食べる現代人。なんだか 不思議な感じもします。
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