年月経るほど風合い 木目も鮮やか 新築時に活用・・・5年で6倍
道内で豊富な資源量を誇りながら、林業関係 者から「厄介者」扱いされてきたカラマツが、住 宅建材として注目を浴びている。道産カラマツ 材を柱や梁に使った住宅は、年月を経て赤み が増す特有の風合いもあって、素材にこだわる 若い家族を中心に人気を集め、道内の着工件 数は右肩上がりに推移。「地産地消」として経 済効果にも期待がかかる。
札幌市厚別区で来月、二世帯住宅の完成を控える会社員吉田英紀 さん(43)は、2階の梁やロフト部分、柱などに道産カラマツの集成材を 使った。吉田さんはカラマツ材を選んだ理由について「その木が育った 土地で、家の材料として使われるのは自然なこと。子供の健康を考え ると、産地がはっきりしているという安心感もある」と指摘。「道産財に 愛着を持つ人、潜在的な需要は、まだまだあるはず」と話す。道による と、カラマツ材を使った道内の住宅着工は2002年度に96棟しかなか ったが、03年度に243棟、07年度には579棟と着実に伸びている。 道内で新築される住宅は年間約1万2千棟。道林業木材課は「カラマ ツ住宅の比率は全体で見るとまだ小さいが、住宅市場が冷え込む中 で大健闘だ」と期待を掛ける。かラマツは戦後、炭鉱の坑木用として広 く植林され、今でも道内人工林(150万㌶)の半数を占める。しかし、ヤ ニが多く曲がりやすい材質が敬遠され、機械を保護する梱包材や紙な どの原料用チップ向けが主流だった。転機は10年ほど前。新たな人工 乾燥技術が確立され、ヤニを抜き、曲がりにくい材質にすることが可能 になった。合板や集成材の加工技術も向上し、普及を後押しした。ただ、 輸入材に比べ、価格が約2割高という弱点もあった。しかし、これについ ても道木材産業協同組合連合会が一昨年、金融機関などと協力し、建 材の半分以上にカラマツなどの道産材を使うと、住宅ロ-ン金利が優 遇される「北の木の家」認定精度をスタ-ト。道も同制度を積極活用す る工務店を「推進業者」と認定している。道産材利用に力を入れる札幌 市白石区のヨシケン一級建築士事務所の吉田純治専務は「カラマツ集 成材は強度に優れ、木目の美しさもある。輸入材に比べて輸送距離が 短く、地球環境にも貢献する」と強調している。
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