「邪魔細胞」実は修復支援系
脊髄損傷で神経細胞が傷つくと、周囲にある「アストログリア細胞」 が傷の拡大を防ぎ、修復を助けていることを慶応大医学部の研究 チ-ムがマウスを使った実験で突き止め、米医学誌ネイチャ-・メデ ィシン電子版に発表した。新しい治療法や新薬の開発につながる成 果として注目される。アストログリア細胞は神経細胞の働きを支える とされる「グリア細胞」の一種で、機能はよく分かっていない。脊髄が 傷つくと、1~2週間後にアストログリア細胞が傷の周りに集合。こ の固まりは神経の修復を邪魔すると考えられていた。チ-ムは、ア ストログリア細胞を移動しやすくする遺伝子STAT3の機能を失った マウスの脊髄を傷つけると、傷は大きく広がった。逆にSTAT3が過 剰に働くようにしたマウスでは、アストログリア細胞が素早く傷を包 囲。1週間後の傷の大きさは、普通のマウスで実験した結果の半分 だった。脊髄損傷で傷害を受けた足の機能を示す指標も、普通のマ ウスの約1・5倍と良かった。
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