省力化で規模拡大の好機 牧草ロ-ル対応給餌機・生乳検査の集計自動化
← 牧草ロ-ルをそのまま投入できるようになった 北原電牧の自動給餌機
酪農作業の省力化に向けた機器の開発が相次 いでいる。裁断したデントコ-ンの巻き取りと包 装を同時にできる機械を今夏、スタ-農機(千歳)が販売するほか、 NTTは生乳の検査結果の集計を自動化するシステムを開発。道内 一戸当たりの飼育頭数が増える中、省力化をめぐるビジネスチャン スが広がっている。
デントコ-ンを保存、運搬するためには通常、裁断後に帯状に巻き取 る作業と、ラップで包んでサイレ-ジにする作業を別々に行っている。 スタ-農機はこの機能を一体化した機械を開発。作業中にこぼれた デントコ-ンを再投入する機能も備え、無駄な経費の削減効果もある という。デントコ-ンは栄養価が高く、高騰する輸入飼料の代替品とし て見直され、道内でも作付け率が向上している。同社は新商品につ いて「長期保存や輸送面で使い勝手が格段に増した」と話し、主力と して売り出す考えだ。一方、NTT東日本道支店が開発したのは、これ まで手作業で行っていた生乳の検査デ-タの集計、転記とフックス 通信を自動化するシステム。従来二時間かかっていた作業が六分と 大幅短縮された。生乳は抗生物質を使用した場合の検査と、2日に 1度の乳質検査が義務づけられている。自動システム導入後は、酪 農家の携帯電話に直接通知するため、牛舎から離れたフックス端末 に何度も足を運ぶ必要がなくなった。すでに函館、北斗など十四市町 にまたがる新函館農協の275戸で運用を開始。同社は今後、道内の 農協を中心に売り込みを強化する。また、北原電牧(札幌)が製造販 売する新しい自動給餌機も好評だ。今までの製品は刻んだ牧草しか 投入できなかったが、自動裁断機を組み合わせることで、牧草ロ-ル をそのまま投入できるように改良した。給餌機内部のかき出し機構を 長い牧草でも絡みにくい形状に変えたほか、予備ロ-ルを自動セット する省力化機能も付けた。北原慎一郎社長は「牧草ロ-ルしか使わ ない酪農家にも販売の機会がが広がる」と期待を寄せる。道の調べ によると、道内の一戸当たりの乳牛数は年々増加し、2006年は99・ 6頭と過去最高を記録。乳価引き上げ、チ-ズ工場増設などの動きも あり、省力化対策としての設備投資への関心も高まりそうだ。
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