2007年列島フォトリレ- 北風受け親子舞う
山の端の雲間から差し込む陽光を受け、収穫を
終えた田畑が黄金色に染まる。そこに国の特別
天然記念物コウノトリの親子三羽が、じっとたた
ずんでいた。兵庫県北部の豊岡市は、絶滅した
野生コウノトリの最後の生息地。かっての姿を取り戻そうと、県立
コウノトリの郷公園が中心となり人工繁殖や飼育に取り組んできた。 二年前から放鳥を開始。今夏には、自然界に戻ったペアから一羽の
ひなが生まれ巣立った。国内て゜は四十六年ぶりの<慶事>だった。
三羽がねぐらへと飛び立つ瞬間、北風があぜのススキを揺らした。 秋の深まりは冬の入り口。間もなく風花が舞い、やがて辺り一面に
雪が降る。育ち盛りのひなに十分な餌が与えられるのか、家族の
力が試される季節は目前に迫っている。 (宮路博志=神戸新聞)
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