山本一力 著 「深川駕籠」を紹介します。
深川の駕籠舁き・新太郎は、飛脚、鳶といった男たち三人と足の速さを競うことになった。
いずれ劣らぬ早駆けの達人である。
しかも、深川から高輪への往復のうち帰りの大川は泳いで渡らなければならない。
江戸の町は大いに盛り上がり、勝ち札が売りに出された。
新太郎は相肩尚平の秘策を胸に師走の町を走る。
しかし、道中、同心の大野が卑劣な罠を仕掛けていた…。
喧嘩っぱやくて、お祭り好きな下町の男たちが生き生きを描かれています。
筋を通す一本通す生き方に共感を覚えずに入られない。
クライマックスは、深川かいわいで往復三里を、四人の男(駕籠舁き、飛脚、鳶)が男の矜持(きょうじ)を賭けて徒競走をする。
読み終わって清々しさが残る時代小説です。