ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

黙示の意思の合致

2012年01月15日 23時52分32秒 | 労働法
労働契約において、業務請負などにより、別会社を経由して本会社に労務を提供する場合があります。

この場合に、別会社が労働者との契約を切った場合、労働者は本会社との黙示の意思の合致による労働契約が生じていたとして、本会社との労働者としての地位確認訴訟を提起することができます。


この黙示の労働契約の成立は、
・使用従属関係
・黙示の意思の合致
が必要になります。



労働契約において、
・使用者が労働者に対して賃金を支払う
・労働者は使用者に対して労務の提供を行う
ことが本質的要素です。

よって、別会社との契約ではあるが、労働者と本会社との間に使用従属関係があり、労働者の賃金を本会社が決定し、労働者は本会社に労務を提供しているという関係にあれば、使用従属関係と黙示の意思の合致があるといえることになります。


もう少し具体的には、
労働者が本会社に労務を提供していること、
別会社が本会社の賃金支払代行機関化していること、
別会社と本会社の業務委託に基づく代金が労働者の賃金と連動していること
などが黙示の意思の合致に必要となります。



使用従属関係が認められるだけでは、派遣業などはすべてそのようになってしまうため、黙示の意思の合致が要求されています。

附款

2012年01月15日 20時17分05秒 | 行政法
行政行為の附款には、以下の4種類があります。


・条件
行政行為の効力の発生・消滅を将来の発生不確実な事実にかからしめる附款。

・期限
行政行為の効力の発生・消滅を将来の発生確実な事実にかからしめる附款。

・負担
法令に規定している義務以外の義務を付加する附款。

・撤回権の留保
行政行為をするにあたって、将来撤回することがあることをあらかじめ宣言しておくことを内容とする附款。



附款は、法律が当該行政行為を行政庁に認めた裁量の範囲内になければならない。
条件は、行政行為の効果に直接影響を及ぼすが、負担に反したとしても行政行為の効果に直接影響を及ぼさない。
ただし、負担に反した場合、行政行為の撤回事由となる場合がある。



平成23年の新司法試験論文試験公法系行政法で、通達に附款の効力を認められるかのような問題が出ていたと思います。