Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

日本の小学3年生の社会とは~地域学習「さいたま市」を学ぶ

2008-12-18 | 日本の小学校
昨日は、下の息子の小学校の「さわやかディ」で、担任の先生との教育相談日。毎月設けられているようで、先月も息子の担任の先生に「さわやかディ」で、息子の学校の様子を教えてもらったり、こちらで不安に思っていることなどをぶつけた。

息子の担任の先生は、若い女の先生で、とてもしっかりされていて、息子の様子をこまやかにみてくださっている。11月から、日本の小学校に通いだして、足りない物などが結構あった。船便が届いてなくて、学校で必要な物もない。そのたびに、うまく対応してくださった。

息子にとって、一番の日本の小学校の難関事項は、給食であった。もともと生野菜が苦手で、シカゴ日本人学校は、木曜日を除いて、弁当であったので、息子が食べられる範囲の野菜を入れ、好きな肉や魚中心だった。だが、給食は、野菜が待ったなしで出てくる。「給食があるから、学校にいきたくな~い!」と叫んでいた。最初の頃、無理に食べて、吐いたときもあった。ミカンが大嫌いで、ミカンがでる日は、学校に行くことさえ憂鬱そうであった。しかし、担任の先生のご指導のおかげで、少量にしてもらい、最近やっと少しづつ食べれるようになった。本人も全部給食を食べれるんだと自信がでてきて、12月に入って、だんだん文句を言わなくなった。

通いだして1ヶ月ぐらいたったとき、「みんなが僕の悪口を言う!」とぼやいていたのも、このごろいつの間にか言わなくなった。かなりひどいことを言われたときもあったようだが、前からの息子の友達のお母さんの話だと、みんなひどいことは言われた経験があるという。最近の日本の小学3年生ぐらいというのは、かなり口が悪い子供がいて、そういう子供たちにうまく対応していかなければならない。

さて、昨日の相談日では、日本の小学校の3年生のこのクラスでの理科・社会の今までやってきた内容を詳しく教えてもらった。理科は教科書も違い、進度がやや日本の方が早く、抜けた部分の実験等を冬休みに家でやってみることにする。社会は、3年生は、自分たちの住んでいる地域、さいたま市の学習をしていて、「新しいさいたま市」という教科書に沿ってやっている。社会の教科書自体は、日本人学校と同じだったが、ほとんど使っていないという。

シカゴ日本人学校の3年生の社会は、日本人学校があるアーリントン・ハイツ市についてやっていたので、こちらと内容がかなり違う。たしか日本人学校の4年生の社会ではシカゴのダウンタウンの勉強だったと記憶している。アーリントンもシカゴもプリントを使って勉強をしていたが、親が見ても勉強したくなるぐらい、内容はとても面白く、充実していた。しかし、日本にもどってきたので、自分の住んでいる町、さいたま市のことをまたまた一から勉強しなくてはならない。私たちの住んでいる地域は、さいたま市のかなり南側に位置する。

先生の話では、この教科書に沿って、まず、さいたま市の市章を教え、市のシンボルであるケヤキの木、サクラソウ、サクラを教えたという。さいたま市が成り立っている5区を地図で学び、自分の住んでいる区の位置を確認。各区の色まで決まっているという。たとえば、浦和区は、浦和レッズがあるから、赤、緑区は緑などとなかなか面白い。

そして、東コースと西コースと2つのグループに分かれ、学校の周りの地域を探検し、地図に地図記号などを書き込んでいったという。

その後、学校の屋上で東西南北にどんなものが見えるか確認。さいたま市で田や畑が多い地域、県庁おや市役所などいろいろな施設が集まっている浦和駅西側の様子、岩槻区のように工場が集まっている地域といろんな地域のことも学んだという。これらのことをふまえて、全体の土地の様子も地図を色で塗りながら地形を学んだという。

この「新しいさいたま市」という教科書は、さいたま市の全体像が、とてもわかりやすくビジュアルに説明されている。私は、この教科書を見ながら、先生の説明を受けて、私が授業を受けているような感覚におちいった。「ああ、もう一度3年生を最初から受けさせたいものだ」とさえ思ってしまう。しかし、もう時間はとりもどせない。よし、少しづつ息子と一緒に歩きながら、さいたまのことを親子で学ぼう。冬休みは、小学校の周りを息子と探索してみよう。

校外学習は、国内でも人気で話題の大宮の鉄道博物館、そして、さいたまスーパーアリーナに行ったという。途中の旧浦和市の市役所や県警などの主要な建物も子供たちに説明したというから、すごい!

アメリカでいろんなことを経験できたのも素晴らしいと思うのだが、こういう日本の地域での基本的な生活に必要な機関、施設、神社のような建物、田畑、用水などの自然体系など、日本で本当に学ぶべきものがあるのだということに気づいた。こういうものの実体験がすっとんでしまった上の息子は、(小学校1年の終わりから中2の途中までずっとシカゴ)どうなるのだろう。先日、上の息子の中学校の友達は、みんな近所の神社の恒例のお祭りに喜んで出かけたというが、息子はまったく興味を示さず行かなかった。しかたないよなあ。ま、いっか!