Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

Merry Christmas! ~しかし、経済危機のため、日本は節約中!

2008-12-25 | 日本生活雑感
今日は日本に帰国して、初めて迎えるクリスマス。近年の日本は、年々飾りつけが派手になって、玄関にもイルミネーションを飾る家をときどき見かけるようになったほど。しかし、今年は、アメリカのサブプライムローンを発端とした世界的な金融危機のあおりで、企業業績が悪化し、この12月に急激な人員削減が進んだため、人々のさいふの紐は堅くなった。

12月23日、トヨタの今年度の業績予想として営業赤字が1500億円と発表になり、その責任もとり社長も交代する。前年度が過去最高で2兆2703億円だったというから、わずか1年後に赤字転落とは、信じられない事態といえよう。トヨタの工場は各地で、ライン停止や夜間操業停止などに追い込まれている。無敵と呼ばれたトヨタ。この現在の急激な経済の減速を象徴する「トヨタショック」が、日本全体に波及していく可能性が大きい。

自動車メーカー各社は、派遣社員を大幅に削減しだした。日産は、2000人の派遣社員全員、いすゞも1400人の派遣社員全員削減という厳しい措置だ。テレビのニュースでは、派遣社員が寮から追い出されて、ホームレスになった姿や大手メーカーの下請け工場の人々の苦しい状況を映し出している。経済が悪化すると、真っ先に切られるのは、ハケンか!経済動向に左右される派遣社員。もしも自分がその立場だったら・・・と思うと、やりきれない気持ちになる。

ソニーも12月9日に全世界で8000人の社員を削減すると発表した。いよいよ電気メーカーに人減らしの波は波及した。大手電気メーカーが、順に社員のリストラを推し進めるのは、時間の問題だ。これだけ円高が進んでは、輸出製造業はたまったものではない!「1日に1億損しているようなものだ」「やってられない!」と電気メーカーに長年勤める主人は吐き捨てるように言う。みんなが声をそろえて、100年に一度の経済危機だという。私たち主婦は、その危機感というものが薄いが、海外に輸出している商品を扱っている主人たちの会社は、金融危機のあおりで、押しつぶされそうだ。なぜ、日本の製造業が、あやまったアメリカの政策で、つぶされなければいかないのか、理不尽な限りである。

しかし、このアメリカ発の深刻な金融危機を誰も予想できなかったのだろうか。まちがいなく何人かの有能なエコノミストたちは、きっとずっと前から警告していただろうに・・・80年代後半のバブル経済の破綻。なぜ、堅実な方向へと向かわなかったのだろうか。

先日、テレビのニュースで、兜町の金融マンたちにインタビューをしていた。その中で、昔から長年兜町でうなぎ屋をやっている人がインタビューに答えていた。「今の兜町は、兜町じゃない。人のために何かをするという気持ちが必要だ。まじめに働いていれば、何とかなる」とその人はあっけらかんと放った。地道にこつこつ働いてきた人ならではの重い言葉である。

大手のメーカーとはいえ、来年主人の会社は、存続できるのだろうか。もし、主人がリストラされでもしたら、生活はどうなるのであろうか。12月のさまざまな暗いニュースが自分たちの生活にも現実的にものとなり、駐在生活で浮かれていた気分は、またたく間にぶっとんでしまった。シカゴのみんな、駐在生活を今のうちに楽しんでおいてください。こちらでは、みんな節約に勤めている。少しでも安い食品を買おうといろんなお店を物色して、いろいろと努力している。日本の食品が、全体的に高くなっているせいだ。肉、魚なども高くなっている。昨日買ったクリスマスケーキの高かったこと。マルエツというスーパーで、2000円代のケーキだらけだった。うちは、1唯一残っていた1000円代のを買ったけど。

とにかく非常事態に備えて、私も来年は働かなくてはと思っている。年齢的に、いい仕事を見つけるのはむつかしいが、今までのキャリアと英語力を生かした仕事を見つけたい。あるいは、次のキャリアへの準備を着々としなくてはと思う。子供達がシカゴにいる間に成長してくれたので、今後自分自身のことに目を向けていこうと思う。