beatitude

好きなことだらけさ…

『幕が上がる』

2015年03月05日 | 映画 邦画

地区予選敗退。最後の大会を終えた先輩たちに代わって、
部長として富士ヶ丘高校の演劇部をまとめることになった高橋さおり(百田夏菜子)。
部員たちの前では意気込んで見せたものの、悩める日々が続く。
どうやったら演技が上手くなるのか……?演目はどうすればいいのか……?
そんな時、元学生演劇の女王だったという新任の吉岡先生(黒木華)が学校にやって来た。
美人だが少々変わったその先生は、地区大会すら勝ったことのない弱小演劇部員たちに告げる。
“私は行きたいです。君たちと、全国に。行こうよ、全国!”
気迫に充ちたその一言で、彼女たちの目標は決まる。
演目は『銀河鉄道の夜』。演出を担当するのは部長のさおり。
演じるのは、看板女優でお姫様キャラの“ユッコ”(玉井詩織)、黙っていれば可愛い“がるる”(高城れに)、
一年後輩でしっかり者の“明美ちゃん”(佐々木彩夏)、
そして演劇強豪校からのスーパー転校生“中西さん”(有安杏果)といった演劇部員たち。
吉岡先生と、頼りない顧問の溝口(ムロツヨシ)と共に、富士ヶ丘高校演劇部は、
見たことも行ったこともない無限の可能性に挑む……。
(Movie Walkerより)

どの子がももクロZなのかも分からないオバサンが誘われて観て来ました。
(主人公のさおりがももクロってのは最初から分かりましたがw)
平田オリザの原作は未読。
友人の話では原作だと劇部員は女子だけじゃないし、部長だった先輩は男子なんだそうで。
その辺は青春の葛藤に焦点を絞って、恋愛は絡ませない事にしたのかな?
正統派の青春映画、面白かったです。
ももクロメンバーの演技も立派なもんでした。等身大の高校生を妙な臭さ無しに演じていました。

少しでも演劇に興味がある人にとっては、ぷぷってシーンが数か所。
予告にもある灰皿飛ばす黒木華とか面白すぎww
 っていうか黒木華、大物女優になったなぁ。
それこそ、学生時代に野田の舞台に突然出てきて「誰だオマエ!?」って感じだったのに。
頑張って、いろんなところで賞もらってるんだから当然だよなぁ。
演劇から足抜けできない女をカッコよく演じてました。
「演劇は一発勝負じゃないの。本番のたびに同じことを繰り返さなきゃいけないの。
偶然に頼らない。最後に勝つのはちゃんと計算された演技だけ。」

 このセリフは同じ舞台を何度も観る自分にも少しは理解できる。
そう、舞台は変化する。
同じ人が同じセリフで同じ舞台をやっているのに、初日、中盤、千秋楽と観ていくと化ける。
これが面白くて、同じ舞台を何度も観に行く。
これは、演じている当事者たちも変化を感じ、それを楽しんでいるんじゃないだろか。

でもこの世界は厳しい。
元学生演劇の女王だって悩み、一度は身を引く選択をしてるんだから。
人生のほとんどを捧げても何者にもなれず、消えていく人の方が多い。
彼女たちは全国を目指した後、どうするのか。
若い人には共感できる部分がたくさんあるんじゃないだろか。

5月には舞台版「幕が上がる」やるんですね。
映画には全幕は出てこなかった『銀河鉄道の夜』が観られるんですかね。