客先の上場企業で見かけたスラリとした体型で色白のあの娘。
年の頃なら20代半ばか。
おそらくしているのだろうが、それとは判らないような自然な化粧。
サラサラのロングヘアーも清潔感があって濃紺のビジネススーツも
いかにも仕事の出来るキャリアウーマンなのが伺えた。
挨拶程度の会話しかしたことはないが笑顔を絶やさずその受け答えもそつがない。
男なら誰もが振り返ってもう一度見直すくらいの美人である。
いやおそらく男に限らず同性からもきっと憧れや
羨望の眼差しで見られていることだろう。
その彼女を再び見かけたのはそれから半年ばかり過ぎたある日曜日の昼下がり、
職場へ向かう道中で煙草を買おうとコンビニに寄った時だった。
日用品を買っているように見えたのは案外近くに住んでいるのだろうか。
チェックのシャツにジーパンというカジュアルな服装もよく似合っている。
後ろにまとめて括られれている長い髪の毛もなかなか魅力的だ。
以前は気づかなかったが細身な体の胸は弾力のありそうな豊かなものだった。
こりゃ目のやり場に困るなよあ。
なんて思いながら疾しくはないが少し気恥ずかしい気がして
窓際の雑誌コーナーに移ろうとした時に一瞬視線が合ってしまった。
気づかないふりをしてすぐに目を逸らせたつもりだったのに
声を掛けてきたのは彼女の方だった。
「あの~○○さんじゃありません?ご無沙汰してます。
このお近くにお住まいなんですか?」
『あっ、いや、その・・・。』
何となくの流れでお茶を一緒に飲むことになってしまった。
コンビニから徒歩圏のマンションに一人で住んでいて、
就職に合わせて地元の九州から出てきているらしい。
見るからに都会人風だと思い込んでいた俺には大分の片田舎出身とは
意外な話だった。
独身なのは判るとしても彼氏がいないというのもこれまた不思議なことだ。
きっとあれこれ選り好みしてるか理想が高すぎるからだろうという俺に
「いえ私全然モテないですよ。過去に片思いの男性は何人かいましたけど、
自分から告白する勇気もありませんでしたし、
向こうから声を掛けられたりも全くなかったんです。」
この世の男の見る目のなさ、いや案外高嶺の花と考えてしまって
簡単に声をかけるのも憚れるくらいの存在だったのかもしれない。
そうと判れば話は早い、多少の気後れもなんのその。
携帯番号とアドレスを交換し時々連絡をするようになり、
食事やコンサートなんかにも一緒に行く仲となっていった。
素朴でいて優しい心の持ち主なだけでなく自分の考えをはっきりと持っている
芯のある彼女はある意味まさに俺にとって理想とも思える女性で
それ以外は考えられなくなるほどの存在となっていくのにそう時間は掛からなかった。
そして遂に初めての出会いから2年後無事に結婚することになったのである。
これ以上にない理想的な家庭で何の不満もないはずだったのだが・・・?
みたいな話を書きたかったのではない。
あまりに久々の投稿で勢いにまかせて書き出してしまった為に、
いつもの前振りが単に長くなってしまっただけなのさ。
だが今度は本文にこのまま行こうと思いながらも更に長く続くとなると
某Wさん辺りから読む気がしなくなるとの不満や苦情が来ることも
大いに予想されるのも自明の理である。
次は本文からスタートすると予告して今回はリハビリがてらで終わらせていただこう。
(カミング スーン!)