車好きオヤジのブログ

車好きオヤジのブログです

みんなオイラが悪いのさ

2020-05-30 18:00:07 | 日常
日中と夜、素面と酩酊状態では360度になるとガッツ石〇、
いや180度程度の違いが出てくるのも困ったもんだ。

オークションの特性でもあるが最後の最後に価格が競り上がってしまうのは
仕方のない話だが本当にそれが必要かと考えれば答えはノーとなる。

余計なことを考える時間があり過ぎる上に自室でアルコールが加わると
もう完全自己中、自己陶酔状態に突入してしまうのである。

まあ入札時点では最高額入札者であるのは間違いないし、
出品者とも何度もメールのやり取りをして
親切丁寧な応対であることも判ったので最後まで楽しむとしましょうか。
若隠居さんのコメントより急遽久々のクイズ問題となりました。



問題1. 車種は何だったでしょうか?(シンプルでしょ)
※車種だけでなくグレード名(例えばスカイライン GT-Rとかスープラ RZ-Sなど)

ヒントは3つ

1つ目  3ナンバー車である
2つ目  車体色はシルバーメタリック
3つ目   記事掲載の写真
見事当選の方1名に粗品進呈としましょう。

複数名の場合は先着を当選者とします。
※車種が合ってもグレードが違う場合は両方共正解が優先





購入した(出来た)のかダメだったかも含めて後日回答しましょう。
では皆さん奮ってお答えくださいね。





誰が一体悪いのか・・・?

2020-05-28 20:16:38 | 日常
非常事態宣言は一昨日の東京や神奈川、北海道なども解除され
日本全国で表面的には落ち着いてきました。

でもその実はあくまで一見というだけで騒動前とは世間全般の景気、
もっとはっきり言うとあらゆる業種が冷え込んでしまい
元に戻るのにどのくらい掛かるのか全く判らぬ状況となってしまった。
実際既に倒産や閉店、閉鎖された店や会社は元に戻ることはないだろう。

いくらボンクラの総理と言っても少しは何とかならんものなのか。
うちの近所では未だにアホノマスクすらまだ届いていない。
500億も出して胡麻化すつもりなら
サッサとアビガンの承認せんかいと思うだけ。
ワクチン出来るまで引っ張るようなことはないだろうけど、
治験する患者の数が減ったので臨床データが足りなかった程度の
言い訳はしそうに思うね。


幸い我が家にはそのマスクは届いたものの
小学生用としか思えぬ大きさの代物だけに使い道はなく
福祉関係の知人が寄付用に集めているのを聞いて即寄付に廻してしまった。

未だに自粛モードの飲み屋も多いとなれば
必然的にステイホームとならざるを得ず、
そうなると宅飲みするか本を読むくらいしかすることもない。

折角自宅での飲酒は控えていたのに以前より時間が早いだけに
却って深酒になってしまうではないか。
これに似たような状況が家庭内であったのは3年前の正月休みのことである。

賢明なガズ友は既に気づいたかも知れないね。
酔っぱらってネットサーフィンしていたあの時の話を。

そういう状態の私はもう己の為だけに世の中が回っていると錯覚し、
後から後悔するとも思わずやってしまうのであった。

干支を既に一巡した齢になって恥ずかしい話だが、
20歳前後の若者の出来ちゃった婚を馬鹿にすることも出来そうにない。
もっともそれも今では「授かり婚」と呼ばれるらしいのだが。


悪いのは俺じゃなくきっと1号、2号達に違いない。

そりゃそうだろう1号はそこそこ軽快に走るのは数少ない長所だが、
どうしてもその前のカムリと比べてしまうのは仕方ない話じゃないか。

割り切って使ってはいるがやはり総合性能、
とりわけ日常の使用では燃費が悪いのが非常に不満である。
下道だけなら一桁、リッター9前後、高速で大人しく流して12、13程度。
自粛ムードで距離は落ちたペースでも現在17,000キロ弱。


また2号も2号だ。
これだけ大事に可愛がってやってるというのにどこまで我儘なのか。
過去の遍歴に口を出す気はサラサラないが余程金持ちと付き合っていたのか
あまりの贅沢ぶりに閉口してしまったとしても決して変ではないだろう。
惚れた弱みとは言えやはり経済的にも限界があるというものだ。
こちらは購入後未だに6000キロしか走れていない。

全くナンセンスだが1キロ走るのに購入後今まで一体幾らの対価を
つぎ込んだか計算するとゾッとすると思うぜ、
少なくともオーディナリーピープルなら納得してもらえるだろう。


酩酊状態でネットサーフィンをしていて自動車のサイトに向かった時のこと。
バナー広告的に次々とポップアップしてくる車達はどれも高額、高性能な
物ばかり。

よせば良いのに新車は無理でも中古車なら、中古店で高けりゃネットオークションでと
どんどんマウスは進み見つけたのがヤフオクの某車種だった。

気になる点などを質問すればすぐに丁寧な説明があり、
現車も確認出来る距離の物と判れば益々現実味も増してくる。

結果はもうすぐ出るだろうが取り敢えず現車確認のアポは取った。
どうなりますかな・・・?

どんな結末になろうともコロナ騒動が悪いと思うのは私だけだろう。


(つづく)

トヨタだ、本田だと見渡してみても

2020-05-18 21:15:15 | 日常


例によって在宅時間が長くなりかなり以前のGAZOO時代のように
飲酒→思い付き→適当→後から若干後悔的な話となるのはご勘弁。
今日は酔っ払いながらそれなりに真面目に書こうと思っているつもりなのだ。

コロナ騒ぎで日本の経済が完全に麻痺して中小、零細を始めとして
多くの企業が倒産や閉店になっている今日この頃です。

勿論それは大企業でさえも例外ではなく裾野の広い自動車産業を見渡しても
あの世界トップクラス、日本を代表するトヨタ自動車が1兆円の借り入れを
三井住友銀行と三菱UFJ銀行に申し込んだ記事を見た者も多いだろう。
https://www.businessinsider.jp/post-210324

世界のトヨタでそうなら他の自動車会社は推して知るべし。
マツダも3,000億円の融資を都銀3行に要請している。
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2020/05/275161.php
こと自動車産業に限ってもこの調子である。
当然マツダも1部上場の大企業だ。

個人的には辛くもあるが日産なんてもう悲惨的な状況。
あの世間を騒がせたカルロスゴーンからも2、3年で潰れるとか言われる始末だ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/268015/2

普段一般の日本人は頓着ないだろうがゴーン問題も元々経営破綻を
きっかけにルノーに助けてもらったのを忘れてないのだろうか。
株主構成を見てもフランス政府を筆頭に既に過半数が外国資本で
国内の工場や社員、ディ-ラーを見て日本企業と認識しているのは
はっきり言って間違っていると言わざるを得ない。

日本法人やディ-ラーがあるからというだけならベンツやBMW、
ボルボなんか皆そうではないかね?

自動車業界の再編が世界的な規模で行われると言われていたのは
もうかなり以前の事である。
表面的には穏やかでも実は既にもうそうなってきつつあるのだ。
一年生さんのように株式投資をしている者には周知の話になるが
民間企業である上場会社はその株を投資家に買ってもらい資金を調達し、
成り立っている。

あくまで推測ながら国内株式の6割から8割は既に外国人資本だと
言われているのをご存じだろうか。
アベノミクスの数少ない功績(?)と言われている株価の押し上げは
その実は大半の外国人資本家を喜ばせる為の政策だったのがよく判る。
これについて書くと紙面の都合上、若隠居さん辺りから苦情が来るので
一旦自動車会社の話に戻るとしましょう。

4年前にダイハツがトヨタの完全子会社(100%トヨタが保持することで上場廃止)
となったのは知っていたとしても
その他の企業に対しては販売している車の良し悪ししか関心ないのではないのか。

先の日産(当然三菱自動車やルノーは同じグループ会社)だけでなく
日本の自動車会社も今後更なる統合が進むのではないかと思う。

大株主を見ると既に大巨人トヨタはスバルの17%近くを保有する筆頭株主だし、
マツダに対しても5パーセント超を持つ大株主となっているのである。
同様にスズキは会長の修氏の要請でこれまた5%程度の大株主にトヨタが
なることが昨秋に発表されているのだ。

まだ予断は許さないがそうなると残るは唯一の独立メーカー本田がどうなるか
という点だけで国内メーカーは整理できるのである。

当然外国の自動車メーカーも同様である。
憧れの高級車ベンツはドイツを代表する老舗の会社だが、
その筆頭株主は中国の吉利汽車で既に10%近く持っている。
因みにこの吉利汽車はボルボの実質的経営をしていると書けば
更に驚く者もいるのではないだろうか。

自動車産業に限れば近い将来には国内はトヨタ連合と期待を込めて本田、
ルノー日産連合はどうだろうかな?
後はVWグループとGMやフォード等のアメリカメーカーがどうか程度に
落ち着くのではないだろうか。

これは世界中のあらゆる業種、産業にも共通していることで、
今回のコロナ騒動前から注目を浴びている米中貿易戦争は単にアメリカが
中国に不満を持っているレベルの話ではないのだ。

共産党という一党独裁の共産主義国でありながら、
その実は民間企業を隠れ蓑にして全世界に国を挙げて知らず知らずの間に
浸食していくような、まさしくウイルス的な方法で支配しようとしていると
書いたとしても全く大袈裟な話ではないのである。

またその人口すら公的には発表されていないが地球全体の
1/4とも1/5とも言われているのだから良くも悪くも、
それは最早圧倒的な多数なのだと認識するしかないのである。

人口に限れば唯一の対抗馬はインドだが統一した国力というのは
現状では遥かに及ばないし、
可能性だけなら現時点ではロシアの方が有利だろうと思う。
今のプーチン路線が続けばという条件つきでね。

はてさてどうなって行くことでしょうな。
俺が生きてる間にガラガラポンが見れるだろうか・・・?
なんて酩酊オヤジは思ってしまうのだった。

では皆々様おやすみなさいなせ。

エリック・アラン・ドルフィーは知らないけれど

2020-05-08 18:07:01 | 日常
実名で登場させている以上いくら人前に出るプロの演奏者とはいえ
勝手に使用せずに本人の許可を取るのは当然である。

事後承諾にはなってしまったが高阪照雄氏にも連絡し既にここを訪問済みでもある。
尚、前回2枚目に掲載の写真に高阪氏のHPより拝借したのに許諾もしてもらった。

少なくとも客観的な部分については間違いないと返答もらったのは
私の書いた彼の演奏能力の高さや姿勢について謙遜しているからであり、
性格も皆さんきっと私の説明通りだと考えるに違いないだろう。

流石にライヴやレッスン等は自粛の為、暇にはなったようだが、
大学のテレワーク、オンデマンド授業の準備の為、
ハード、ソフトの新たな勉強はドラムを叩くようにはいかないらしく、
「頭がパンクしそうですが、落ち着いたらまた一杯やりましょう!」
と締めくくられていた。

早くそういう日が来るのが待ち遠しい。



第10話「TERUOⅡ」



真新しいウッドのカウンター席は7、8名程度。
静かなジャズがBGMで流れている。
店主は痩せて柔和、優しそうで寡黙なスキンヘッド、
例えりゃ大勢が並んで待つ法律事務所の弁護士Kのよう。
一番奥に常連と思しき男性客が一人だけ座っていた。

阪急宝塚駅から梅田に向かう東方向は二人とも帰路になる。
タクシーで15分ほど行った線路沿いにある店だった。
入ったのは初めてだったが通りすがりに開店したのを目にしたのは
は丁度一年くらい前だったろうか。



米国人ジャズメンに因んだ店名も余程マニアックなジャズファンしか
知っている者は少ないだろう。
串揚げ屋で散々飲み食いし馬鹿話をした男二人の仕上げには
静かに語るバーが良い。
と言っても酔って調子の良かったのは俺の方だけなのだが。

洋酒だけでなく焼酎を置いてくれていたのも丁度良い。
俺が麦の水割りとミックスナッツ、チーズの盛り合わせを注文すると、
照雄の頼んだのはスミノフ、ロシアのウォッカである。
指定する度数を聞くと『ン?』と思うような40度、それのロックだった。



飲んだことはないが同じような40度みたいな酒はかなり前に
沖縄に行った時の宴席で話半分とネタ代わりに出された泡盛しか記憶にない。
お猪口で舐めた程度だったがとてもじゃないが飲めたものじゃない。
冗談抜きに喉が焼けると表現すべき酒だったのは覚えている。
テーブルに垂れた滴を指で触れば粘々でライターを翳せば本当に火がつきそう。
間違っても胃や腸に入れては危険だと本能的に感じたあの時以来だ。

「いやボクこれが結構好きで割とよく飲むんですけど置いてる処、
案外少ないんですわ。」と平然と口にする。
思った通りやっぱり酒が強そうではなく間違いなく強い。
相変わらず照雄は平然と落ち着いて飲んでいる。

プロのドラマーとジャズバーで音楽談義なんてこれくらい王道の利用の仕方はない。
マスターに紹介すると「何かリクエストがあればお掛けしますよ。」
照雄も「いやそれほどボクもマニアでないのでオスカーピーターソンでも」
と応えBGMは多分オスカーピーターソンの曲だと思われるピアノ演奏に変わった。

因みに照雄はジャズ専門ではなくクラシックからロック、ブルース、演歌まで
何でも演奏するオールマイティプレーヤーである。
現実的に何でもやらんと食っていけない厳しい世界だとも言えるのだが。



その内に奥の客が先に勘定し出て行ったのと入れ違いに入って来たのが
一人のトランジスタグラマーな中年女性だった。

「あらっ?」
『おっ、いや、こんばんは。』

この店の近所の飲み屋でちょくちょく見かける女性だった。
年の頃なら50代半ばか?
名前も知らないが滅多に行かない店なのに何故か毎回彼女がいたのは
そこの店の常連だったからだろう。
決まったように入り口近くの隅に一人で座っているので印象に残っていた。

俺も一人で行くのもあって店のマスター相手に喋っているのを黙って
聞いているようなタイプで自然と気にはならない存在になっていた。
となればやはり彼女も素の俺、カッコつけないと書けば聞こえは良いが、
やれ女を口説いたとかフラれたみたいなグダグダ加減も知っている女性とも言える。

「今日はご来店有難うございます。」
『うっ、ぅうん?』

聞けばバーのマスターは彼女の亭主。
定年後の生活を考えた時に趣味で集めた多くのジャズアルバムを活かして
出来る商売と1年前に開業したという。

彼女も昼間は働いているが定年まではまだ何年かあるし、
お互い好きにやりたいように生活しているのだという。
所帯臭さがないのは子供がいないからではないだろうか。

おそらく儲けより家賃が出れば御の字と考えているようだ。
通りすがりでも防音もあるし、中の見えない造りの建物で、
重厚な木製の扉ではスキ者、いや同好の士しか入ってはこないだろう。

彼女にも照雄を紹介して引き続き色々と話していると、
「だけどオヤジさんいつもと全然違うね。ちょっと見直しちゃった。」

どういう意味か聞くのも野暮、毎回一人で飲んだくれて
ウダウダ言うだけのジジイとして認識されているに違いない。
そういえば彼女が酔っぱらっているのも見た記憶もない。
折角テルちゃんと来た記念にとスマホを渡しパチリと1枚撮ってもらおう。



気がつけばもう22時を過ぎていた。お互い翌日も仕事がある。
マスターにタクシーを手配してもらい最寄り駅で別れることに。
照雄のお陰で今日は俺の株もちょっぴり上がったかな?

「また行きましょう!」
『いや、テルちゃんこちらこそおおきに。』

次に彼と一緒に飲む時は体調を整えておかねばなるまい。
今度は大阪辺りになるかな。

リアル投稿連続で少々疲れ気味、次回はリハビリ記事になるだろうか。


(おわり)

この世は全て虚実混在

2020-05-06 18:30:04 | 日常


皆さん、こんばんは。
未だリハビリ中の身ながら社会復帰も近いと考え、
今日は久々にリアルなお話を。
単にフィクションストーリーが続かないという理由もありますが。
そこへのツッコミはご遠慮願いたい、十分自覚はしとります。


第9話 「TERUO」


阪急電車の大阪梅田駅と宝塚駅とを往復する宝塚線の途中駅で
待ち合わせしたのは高阪照雄、テルちゃんと俺は呼ばせてもらってる。

ヤマハPMS講師であり、大阪芸大でも講師をしているのだが、
一番本人としては現役のプロのミュージシャン、ドラマーが適切だろう。
ギタリストの竹田和夫氏の紹介で知り合った男である。
同じ竹田ファミリーのベース大森成彦(しげひこ)とは
もう相当以前からバンドを組む親友でもある。



関西近郊でライヴがある時には案内もらって度々行かせてもらっていたが、
竹田氏が組むだけにその演奏能力の高さは大森同様に素晴らしいの一言。

素人の俺には具体的な演奏技術や楽器類のことは全く判らないが、
二人とも現役で大学や専門学校でも教えている先生だけに
おそらく基礎がしっかりしているだけでなく自身も弛まぬ日々の訓練を
欠かさず実践しているからだろう。

単に音をかき鳴らしているアマチュアとは天と地くらいに違うのは
ライヴハウスの前座から聴いていると非常によく判る。
プロとアマを比べては失礼だしその差は当然なのだが、
単に上手な演奏をするという意味ではアマチュアにもおそらくいるだろう。

違うのはそれで生業を行っているという矜持の部分である。
更に超主観で書けば彼らの人間力も演奏能力並み以上に高いのが不思議。
おそらく知り合った誰もが褒めたたえる竹田氏が選んだメンバーだと
いう時点で人間性までクリアされているのかも知れない。

本人自身もあまり語らないし音楽通でもほとんど知られていないが、
昨年俄かファンが急増したワールドカップラグビーの
日本代表の臨時コーチをしたりK-1なんかの格闘技でも有名な
高阪剛はテルちゃんの実弟である。

たまたま夙川の老舗ライブハウスが閉めることになったので
良かったらJAZZを聴きにきませんかと誘いを受けたのが1月の半ばだった。

いつもの通り演奏の合間の小休止時間に席まで来てくれて
杯を交わした時に『テルちゃん、いつか仕事が休みか夕方までに終わった時に
今度ゆっくりやりましょうよ』と話してはいたのだった。

1か月程過ぎた2月下旬のある日。

突然「行きましょか?今日か明日。」と照雄からラインがあり、
喜んで『ぜひ行きましょう!』と返したのは書くまでもない。
今の時期では考えられないが武漢肺炎もまだ他人事だった頃だ。

大阪に住む照雄の方に出向くという俺に対してあちらからやってくるという。
食べたい物のリクエストを聞いても
「何でも良いですよ。ボク好き嫌いありませんし。」
と低姿勢は有難いが逆にこちらが困ってしまうのだ。

結局宝塚駅から徒歩数分の串揚げ屋に行くことに。
実はここは俺の隠れ家的お店で同伴した者達からの評判も上々の店。
人数は数える程度ながらも特に女性には100%喜ばれてもいる実績もある。

面白いのは何を食べても旨いと感じる俺に比べて、
食べるものに好き嫌いのある中年女性の多い事。
なまじ食に口うるさい大人は子供の野菜嫌いより性質も悪い・・・はず。

『何を贅沢我儘言うとんじゃ』と心で思うだけで口にはすることはない。
なのにここで出されたものを黙って美味しそうに食べた後で
実はこれ苦手だったのよ、だけど食べれちゃうのなんて言うのである。

経営しているのは俺より少し人生の先輩になるだろう兄弟二人。
一見すると微笑みを絶やさず非常に穏やかな感じの店主達だが、
やっぱりというかかなりの頑固者で良くも悪くも客を選ぶ雰囲気がある。

たまたま波長が合ったのか何とかその眼鏡に叶ったのか
ここでも厚遇してくれるので美味しさも倍増、リピートすることになる。
地元では人気店でもあるので予約は必須だ。


ここの店だけでないが助かるのはお任せコースがあるからだ。
事前に嫌いな物があれば外してくれるし、
食べる量も一人一人のペースでアツアツを揚げて出されるので、
手持無沙汰にもならず同伴者もこちらも満腹で帰ることが出来るのだ。





本来2名ならカウンター席が多く、その日も予約客で詰まっている中、
案内されたのは6名用のテーブル席。
俺は焼酎の水割り、照雄はウォッカのロック。
こりゃテルちゃん酒も強そうだ。

やっぱり音楽関係の話題が中心になるのだが、
その世界の話も聞けば非常に面白くて楽しい。
毎度のことながら酒も入り気分上々で声も大きかったからだろうか。



勘定を頼んだ際に店主の兄貴の方がポツリと
「実は私、若い頃ギターを少しかじってましてね。
今日は楽しいお話も懐かしく聞かせてもらいました。」
と言うではないか。

今まで何度も来させてもらっていたが初めて知ってちょっとビックリ。
普段は黒子に徹して決してプライベートな話なんてするタイプではない。
増してや客の話題に口を挟むなんて珍しいどころか全く考えられない。
おそらくはプロのミュージシャンが語る真剣でリアルな話の数々が
店主の青春時代の熱い血をも沸き起こし滾らせたからとしか考えられない。

時計を見れば20時過ぎ。
時間的にもまだ早い。
『テルちゃん、もう一軒寄ってく?』
「いいですね、よろしくお願いしま~す。」


(つづく)