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引っ越し祝いでもないけれど

2019-11-23 16:24:27 | 日常
11月も下旬に入り朝夕は肌寒く感じる今日この頃。
どんより曇った天気予報では午後から雨らしい。

JR京都駅から車で10分ほど北に上がったここは人もまばらで
静寂と厳粛さが漂う空間だった。
入ってすぐの唐門横の表示を見れば国宝指定されているのも頷ける。
豊国(とよくに)神社である。

豊国神社というのは全国にあり豊臣秀吉を祀る神社で
関西では大阪にもあるがあちらは「ほうこく」と読まれている。





受付で案内された部屋も質素ながらかなりの歴史や伝統のありそうな
純和風の平屋だった。

社寺仏閣巡りに然程興味がないのに初めてここを訪れたのは
参拝する為ではなく今日妹の結婚式が行われるからだった。



両親共に10数年前に逝ってしまい
身内ではもう姉と妹だけになってしまっていた。

1つ違いの姉は35年前にアトランタで目の青い旦那と結婚し、
1男1女をもうけ既にどちらも成人している。

また色々と居を転々とした妹も姉の影響のせいかハワイに落ち着き、
そこで知り合った現地男性と結婚することになったのだ。

既に2年前に現地で入籍も済ませており今更ながらの感もあるが、
日本で式を挙げるという本人の強い拘りがあり、
おそらくは神式の結婚式とか和装してのお披露目や
我々国内にいる者や友人知人だけでなく
(墓前や仏壇になるが)両親への報告などがあったのかも知れない。



こちらは素直に祝福するだけなのだが招待客のリストを見れば
国内居住の日本人はうちの家族4人と妹の友人3人だけ。
後は海外からの参加となればノリはジャパン観光ツアーご一行様だ。

今後日本でビジネス展開していくつもりの妹は横浜のタワマンを賃借し、
前日ご一行を引き連れ京都入り。
移動途中の新幹線でも自由気ままに集合、離散する連中を相手の
ツアコンで本番以上に大変だったらしい。
姉の家族も昨日妹と同じホテルに合流していた。

由緒ある神社だけでなく、その後のささやかな披露宴会場となった場所も
京料理の老舗というのは最近では日本人でもあまり見かけないものだが、
それら全ては妹と相手の男性とのプランニングなのである。

ひょっとすれば私が思っている以上に施設側は海外に向けて
アピールしているのかも知れないね。

式は11時からと聞いており1時間前に神社に来たものの、
まだ誰ひとりとして参列者がいないのも日本人的感覚では理解出来ない。
国民性の違いなのだろうか。

30分前くらいからポツリポツリと数台のタクシーとマイクロバスが
横づけされてようやく新郎新婦もご登場。



拝殿で行われた式は何本もの丸い柱に支えられた上に
藁ぶきの屋根が乗っているだけの殆ど屋外の状態で、
さながら昔の大相撲の土俵のようである。

唐門から先は関係者以外立ち入り禁止ながら参拝客から丸見え状態。
主役でなくて良かったが一般の参拝客からビデオやカメラを
向けられたままの結婚式は初めての経験だった。

荘厳且つ厳粛な儀式は気を凛とさせてくれるし、
思っていた以上に良い式だったと思う。
ホテルや結婚式場でのものが主流になった今、自分でしたいとは
決して思わないが、こういう結婚式も案外アリかもな。

神社からマイクロバスで10分程度の披露宴会場も合掌造りの
旧家のような「竹茂楼」という料亭だった。
グルメではない私も名前は知っている美濃吉の本店なのだが、
この部分の建物だけは富山県越中五箇山から移築された物で
200数十年前の古民家だと聞けば年季の入ってるのも納得。

だが関西に住む一般人より海外に住む者の方がこういう場所を
知っているというのはなんだか不思議な気がするなあ。

総員30数名の小さな和風披露宴ながら手順は通常と同じとなれば
新郎に続いて親族代表の挨拶が私の最後の役目。



いつもと少々違うのは新郎や新郎側の挨拶は後追いで日本語で、
こちらの分は英語で司会者が翻訳する形だったこと。

全て無事に終わって何よりだった。
気がつけば一度も雨に降られず予報も外れる嬉しい誤算。
式や披露宴の予約を1年前からしていたのを考えると
この日が11月22日で「イイ夫婦の日」だったのは偶然だった気がするのだが。

とにかくめでたし、めでたしの巻。