一気に寒くなってきた12月の初旬の神戸。
恒例（？）のプチサミットが行われた。
機密保持を重視した面子で俺とD氏というシンプルな構成。
いや厳密にはD夫人同伴の3名だった。
週の初めから神戸入りした多忙なD氏、
精力的に業務をこなして次の日には北方へと旅立つ前日の週末のこと。
今回は以前の轍は踏むまいと早めに約束の三宮に到着した。
久しぶりの神戸はえらい賑わいで阪急三宮駅改札出口付近は
どこに誰がいるのか判らないくらい。
花の金曜日というだけでなく後から知ったことだけど
ルミナリエの初日だったのもあったかも知れない。
とにかく何処を見ても人、人、人ばかり。
関西在住と言っても繁華街には疎い俺、
今更ながらもネットで見つけた居酒屋でも予約しといて良かったと思うぜ。
駅から徒歩で約5分。
生田神社の近くの雑居ビルの地下にある個室。
積もる話のその前にとにかく2年ぶりの再会を祝して乾杯だ。
俺は焼酎、D夫妻はビールを注文。
刺身もなかなかイケルじゃないの。
何度も酌み交わした仲のD氏と違い
奥方とは軽い挨拶しかしたことがなかった。
要はほとんど初対面ってことやね。
俺の緊張もアルコールを口にするまでのことなのは予想された話だった。
刺身の後でD氏が豚の角煮、俺がサーモンとホタテの炙りサラダを
頼んだくらいまでは覚えてるのだが・・・。
それから後の記憶は思い出そうとしてもどうも定かではない。
相変わらずどれだけ飲んでもその表情や穏やかな語り口も変わらぬD氏、
量は少なめながらも飲むほどにキリッとしていくD夫人。
推測するしかないけれどさ、8割くらいは酔っ払いの俺がウダウダと
喋り続けていた気がするなあ。
何をどれだけ言おうとも黙って「ウンウン、そう。」と頷くだけのD夫妻という
構図をイメージしてもらえればほぼ間違いないだろう。
腹も膨れて店を出てからどこか河岸を変えましょうかと
嬉しいお誘いで飛び込んだ店も超満員。
震災で変わり果てた神戸が復興するのは大歓迎だが、
どこからこれだけの人達が集まってきてるのだろうか。
結局、目ぼしい店を見つける前に
駅まで戻ってきてしまったのである。
数時間前に比べて益々人が増えてるようだ。
忘年会なのかグループ、団体さんも沢山見かける。
ここで有名人のD夫妻ならではのサプライズが。
たまたま通りがかったグループがD氏の仕事仲間だったんだ。
お別れ前の記念にと一団の一人に頼んで写真をパチリと1枚。
後からじっくり見れば夫妻の介添えなしにまともに立ってられない状態なのが
写真でも判るのが少々恥ずかしいね。
結局サミットの内容は機密保持以前に俺の脳内から完全消去されてしまっており、
D夫妻しか知らない超トップシークレットのままで終わってしまいましたとさ。
何か相談事をした気もするんだけどなあ・・・。
（おしまい）