俺には関係ないが世間の多くがお盆の休みだった先月の中旬のこと。
正確には15日の火曜日、唯一夜に京都まで出かけたのがスポーツ観戦。
ボクシングの試合だった。
TV中継を観た者も多かっただろう、
WBCバンタム級チャンピオン山中慎介の防衛戦である。
勝てば具志堅用高の持つ防衛日本記録13に並ぶことになるはずだった。
しかし結果はもうご存知の通り4ラウンドTKO負けとなった。
山中とは両親と知り合いということで以前から力を入れて応援していたが、
試合会場にまで足を運んだことは一度もなく、
もうボクサーとしては晩年期に差し掛かったであろう彼の夢である
ラスベガスでのタイトルマッチを視野に入れると地元で開催する試合も
もうあまりない気がして1度くらいは行っておこうと思ったのである。
地元後援会にも多くの知人がいるのでチケットの不安はなかったものの、
わざわざ手を煩わせるのもどうかと考えていたところ幸いにも
ぴあでリングサイドA席のA列が入手出来た。
挑戦者は同級1位23戦23勝無敗の強豪のルイス・ネリ。
まだ22歳で上り坂の真っ只中にいる選手だ。
山中といえば「神の左」と称される左からのフックやストレートで
数々のKO劇を見せてくれてきたが、
1回から単発でやや様子見の雰囲気があると思っていたのもつかの間、
4回にラッシュを受けセコンドがタオルを投げ入れ試合は終わってしまった。
リングサイド下からはかなり打たれていたように見えたものの、
帰宅してビデオを見ればまだ決定打を受けてはおらず、
本人も十分やれたとのコメントでセコンドが早まったのではないか
なんて批判も結構見受けられたのも頷けた。
その後、山中からは再挑戦するのか引退するとかのコメントはなく、
暫くじっくりと考えたいと答えただけであった。
試合から10日程して今度はメキシコに帰国したネリが
ドーピング検査で陽性になったとのニュースが飛び込んできた。
他の検体で再度検査した上で正式にWBCから
裁定が下されるだろうとされていて、
仮に陽性だった場合はネリのチャンピオン剥奪で先の試合は無効となり
山中にベルトが帰って来るとか王者空位での再決定戦が行われるとか
言われているのが現在の状況。
最初の検査結果から2週間以上経つのに
未だに2度目の結果が出ないのも不思議なのだが、
もっと不可解なのは山中の所属する帝拳ジムの本田会長が
ネリとの再戦以外は拒絶し引退させるとしている点だ。
また結果論的に京都でネリに勝っていたならば、
それを以って引退させるつもりだったともコメントしている。
ネリが陽性確定だった場合は何らかの処分がなされるはずで、
軽いものでも半年とか1年間の公式試合出場停止などの処分となるだろう。
山中の年齢やモチベーション、諸々の条件を考えると長い間待つのも無理。
となれば即ネリとの再戦はあり得ないレベルの話を意味することになる。
何故か?
ここである知人からの情報、信憑性については眉唾と思ってもらって結構。
まあボクシング評論家きどりの素人の噂話と解釈してもらうとしよう。
実は山中は既にパンチドランカーになっているというのである。
ダウンの応酬で手に汗握った前々回の幽霊のニックネームのモレノ戦でも
既にその兆候はあったラ・シ・イ。
勿論、世界タイトルマッチに臨むには事前にCT検査等を受診し
脳や血管に異常があれば成立させることは出来ないので
レントゲンに引っかからないか若しくは
ぎりぎりクリアできる程度の軽度のものとされている。
但しプロのボクサーのパンチ力の衝撃は凄まじく、
ましてや世界トップランカーとなれば想像以上の破壊力であろう。
まだ30代と人生ではまだまだこれからの人間の命にかかわる状況と
なれば比べるべくもないことである。
もしそうならば軽々しく再挑戦だとかタイトル防衛記録なんて
もうどうでも良いではないか。
帝拳側では事前にそういう状態になれば試合を止めると
取り決めがされていたのではないだろうか。
セコンド一人が悪者になることだけで全てが丸く収まる話だ。
まあ尤もらしい話だけどあくまでウ・ワ・サ・話。
いずれにせよ今後どんな結論になろうとも山中の今までの栄光や実績、
我々を楽しませてくれたそのパフォーマンスは永遠に輝き続けるものだろう。
慎介!今まで本当に有難う。