今回は諸般の事情により若干の無理やり感は否めないが、
ここ1週間程度はゆったりと焼酎を飲むことが出来なかった為ご理解賜る。
西岡恭蔵 『プカプカ』 1971年
『第18話 由美子4』
デリバリーヘルスをご存じだろうか、略して「デリヘル」。
ご存じなければ下記参照。
デリバリーヘルス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9
派遣型の風俗業だが正博は利用したことはなかった。
似たようなソープランドとの主な違いは店舗を構えていない事と
原則的には本番行為は認められていない点である。
デリヘルは事前に予約し駅前や出先で待ち合わせしてラブホ等に
しけこむ形態で第3者にはデートと区別がつかないだろうが、
ラブホ等と書くのはデリバリーの名の通り自宅訪問も可能なのだ。
とにかく色々な事をスケベ業界人は考えるものだとつくづく感心する。
彼女のいるのは熟女・人妻タイプに特化した梅田の「マダムの館」。
自由出勤らしく週に何回か出て日銭を稼いでいるらしい。
ここは完全歩合制なので客がつかなければ一銭も入らない。
登録名は当然ながら誰もが本名でなく源氏名だ。
最早正博年代以上の者はその感覚や常識を100%改めなければならないと
由美子の話を聞いて痛烈に感じるのは性風俗で働く女性は
親が借金を背負ったとかタチの悪いヒモやヤクザ者に騙されてとか
仕方なく可哀そうにと思うようなタイプは
殆ど死滅してしまっていない事実、現実である。
勿論未だにそういう不幸な女性も中にはいるだろうがレアケース。
単に彼女達は手っ取り早く「金」を得たいだけ。
フリーターのアルバイト的感覚に近い気がする。
自分自身の生活費や遊興費を簡単に稼ぐ事が出来るという点と
チェーン店を持つような規模の経営だと主にセキュリティや衛生面、
身バレなどの安心感が違うからだと彼女は言う。
ある夜、愚痴かボヤキか判らんようなラインが由美子から来た。
『今日は一日坊主だったのよねえ。』
要はその気(毛)、客が無かったって事だ。
完全歩合制の為、日当は1円も出なかったことになる。
根がスケベな事もありつい、
「ちょっとだけやけど協力してやろか?」
『ぜひお願いします。』
みたいなやり取りの結果店を利用してみることになった。
待ち合わせの駅前道路に現れた由美子を見て驚いた。
流石の営業仕様はメイクもバッチリ、髪の毛サラサラの胸を強調した
バブル期のボディコンみたいな服装で街中ですれ違っても気づかない程。
費用的にも諭吉1人半程度でどれだけ実入りがあるかとは思うし、
連日何人もこなすには体力的にもかなり辛い仕事なのは想像できる。
たとえ結果は瞬殺されるにしても時間を限った「60分1本勝負」ではなく
プライベートでの「無制限一本勝負」がやっぱり正博向きなのが判っただけ。
改めて思うのは家族や近隣の者などには内緒で勤めているはずの由美子が
何故正博に打ち明けたのかという事だ。
パパ活候補者にとでも考えたのかとも思ったが、
それなら黙っていても可能だし今回店を利用した以外は
彼女からそういう具体的な金銭的な援助希望や、無心も全くない。
寧ろされたところで出来ないだろう甲斐性の有無も
既に見透かされている可能性が高い。
恋愛関係の男女で深い仲と言えば「肉体関係」を指すのは常識だ。
但し独身同士でない限りは不倫とか不貞と配偶者や世間から
非難を浴びるのは著名人だけでなく民法上でも規定されているのは
皆さんご存じの通り。
と、固い話を書きたい訳では決してない。
正博自身はそうなるまで(未満)の過程が欲しいだけ。
達成してややこしいのは正直避けたいくらい。
今回ほぼ逆の順序になる由美子との場合はどうか。
50代半ばで年上の旦那は関東に長期出張中。
子供3人は有名大学まで行かせた後、
それなりの企業に勤めていたり結婚したりで独り立ちしている。
家庭人、特に子を持つ親としては立派なものだと思う。
問わず語りに数年後に控える旦那の退職を機に
半分の退職金をもらって離婚する話がついているとか。
どうも連れ合いには女性がいるようだ。
タイガース熱もかなりのもので甲子園にも頻繁に行っているらしい。
結局は色々な事情を正博に告白する理由は判らずじまいだが、
男女関係に関しては赤子とグレイシー並みの自覚があれば
こちらからの中途半端な駆け引きは一切必要ないだろう。
ラインが来なくなってもう2度と会わないかも知れないし、
来れば返信するのを躊躇う事もない。
同様に由美子も正博から連絡なければする気が無い場合でも
彼女は蚊に刺された程度にも思わず、
何事もなかったかのように日常をそのまま継続するだろう。
今後どちらかと言うことなく連絡しあう時があるとして
それは精々飲食程度のレベルになる気がする。
どうしても衝動が抑えられなくなった時は店を利用すれば良いだけではないか。
つまりそちら方面は割り切った関係が出来る予防線、保険があるからだが、
ドキドキワクワク感は半減するに決まっている。
その時あちらは普通に馴染み客の一人として接するだけの話。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/dc/e521a046287acf2db598b36569f21014.jpg)
もしかするとセリーグ覇者が確定した際には何かの連絡が来るかも知れない。
付かず離れず、離れず付かずが理想形の一つであろう。
(ようやく本シリーズは完結)
ここ1週間程度はゆったりと焼酎を飲むことが出来なかった為ご理解賜る。
西岡恭蔵 『プカプカ』 1971年
『第18話 由美子4』
デリバリーヘルスをご存じだろうか、略して「デリヘル」。
ご存じなければ下記参照。
デリバリーヘルス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9
派遣型の風俗業だが正博は利用したことはなかった。
似たようなソープランドとの主な違いは店舗を構えていない事と
原則的には本番行為は認められていない点である。
デリヘルは事前に予約し駅前や出先で待ち合わせしてラブホ等に
しけこむ形態で第3者にはデートと区別がつかないだろうが、
ラブホ等と書くのはデリバリーの名の通り自宅訪問も可能なのだ。
とにかく色々な事をスケベ業界人は考えるものだとつくづく感心する。
彼女のいるのは熟女・人妻タイプに特化した梅田の「マダムの館」。
自由出勤らしく週に何回か出て日銭を稼いでいるらしい。
ここは完全歩合制なので客がつかなければ一銭も入らない。
登録名は当然ながら誰もが本名でなく源氏名だ。
最早正博年代以上の者はその感覚や常識を100%改めなければならないと
由美子の話を聞いて痛烈に感じるのは性風俗で働く女性は
親が借金を背負ったとかタチの悪いヒモやヤクザ者に騙されてとか
仕方なく可哀そうにと思うようなタイプは
殆ど死滅してしまっていない事実、現実である。
勿論未だにそういう不幸な女性も中にはいるだろうがレアケース。
単に彼女達は手っ取り早く「金」を得たいだけ。
フリーターのアルバイト的感覚に近い気がする。
自分自身の生活費や遊興費を簡単に稼ぐ事が出来るという点と
チェーン店を持つような規模の経営だと主にセキュリティや衛生面、
身バレなどの安心感が違うからだと彼女は言う。
ある夜、愚痴かボヤキか判らんようなラインが由美子から来た。
『今日は一日坊主だったのよねえ。』
要はその気(毛)、客が無かったって事だ。
完全歩合制の為、日当は1円も出なかったことになる。
根がスケベな事もありつい、
「ちょっとだけやけど協力してやろか?」
『ぜひお願いします。』
みたいなやり取りの結果店を利用してみることになった。
待ち合わせの駅前道路に現れた由美子を見て驚いた。
流石の営業仕様はメイクもバッチリ、髪の毛サラサラの胸を強調した
バブル期のボディコンみたいな服装で街中ですれ違っても気づかない程。
費用的にも諭吉1人半程度でどれだけ実入りがあるかとは思うし、
連日何人もこなすには体力的にもかなり辛い仕事なのは想像できる。
たとえ結果は瞬殺されるにしても時間を限った「60分1本勝負」ではなく
プライベートでの「無制限一本勝負」がやっぱり正博向きなのが判っただけ。
改めて思うのは家族や近隣の者などには内緒で勤めているはずの由美子が
何故正博に打ち明けたのかという事だ。
パパ活候補者にとでも考えたのかとも思ったが、
それなら黙っていても可能だし今回店を利用した以外は
彼女からそういう具体的な金銭的な援助希望や、無心も全くない。
寧ろされたところで出来ないだろう甲斐性の有無も
既に見透かされている可能性が高い。
恋愛関係の男女で深い仲と言えば「肉体関係」を指すのは常識だ。
但し独身同士でない限りは不倫とか不貞と配偶者や世間から
非難を浴びるのは著名人だけでなく民法上でも規定されているのは
皆さんご存じの通り。
と、固い話を書きたい訳では決してない。
正博自身はそうなるまで(未満)の過程が欲しいだけ。
達成してややこしいのは正直避けたいくらい。
今回ほぼ逆の順序になる由美子との場合はどうか。
50代半ばで年上の旦那は関東に長期出張中。
子供3人は有名大学まで行かせた後、
それなりの企業に勤めていたり結婚したりで独り立ちしている。
家庭人、特に子を持つ親としては立派なものだと思う。
問わず語りに数年後に控える旦那の退職を機に
半分の退職金をもらって離婚する話がついているとか。
どうも連れ合いには女性がいるようだ。
タイガース熱もかなりのもので甲子園にも頻繁に行っているらしい。
結局は色々な事情を正博に告白する理由は判らずじまいだが、
男女関係に関しては赤子とグレイシー並みの自覚があれば
こちらからの中途半端な駆け引きは一切必要ないだろう。
ラインが来なくなってもう2度と会わないかも知れないし、
来れば返信するのを躊躇う事もない。
同様に由美子も正博から連絡なければする気が無い場合でも
彼女は蚊に刺された程度にも思わず、
何事もなかったかのように日常をそのまま継続するだろう。
今後どちらかと言うことなく連絡しあう時があるとして
それは精々飲食程度のレベルになる気がする。
どうしても衝動が抑えられなくなった時は店を利用すれば良いだけではないか。
つまりそちら方面は割り切った関係が出来る予防線、保険があるからだが、
ドキドキワクワク感は半減するに決まっている。
その時あちらは普通に馴染み客の一人として接するだけの話。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/dc/e521a046287acf2db598b36569f21014.jpg)
もしかするとセリーグ覇者が確定した際には何かの連絡が来るかも知れない。
付かず離れず、離れず付かずが理想形の一つであろう。
(ようやく本シリーズは完結)