東京ではそこそこ老舗の旅館と聞いていた大倉屋だったが、
いつも九州出張で使うビジネスホテルと比べても
若干広いスーペリアーだった(但し今回はツインルームである)のを除けば
たいして変わりはない気がした。
殆ど酔って帰る俺にとっては寝るためのベッドと
翌朝用にシャワーだけあれば事足りるってことだからな。
ある意味シングルでも良かったかなあ。
隣に誰か美女でもいればその印象は100パーセント違っただろうと思うが。
地方のビジネスと比べては失礼かもな。
ある種そこらのビジネスと違うと感じたのは外国人、
とりわけ欧米系の宿泊客の多さかも知れない。
それも若者達の気ままな旅というより中年夫婦(仲間)の
落ち着いたシルバームーン的な方々のように見受けられた。
一泊のそれも夜と翌日の早朝までの間で客室から出た数回に限れば
3回に2回は出会ったかと思う。
彼等(彼女等)に話しかけられなかったのは幸いだったが、
おそらく世界の中の日本、その首都たる東京のホテルとして、
彼らを誘致するような宣伝やサービスをしてるはずで、
推測ながらこれは航空券や鉄道なども同様で国内の日本人よりも
主に価格的な面でかなりの優遇がされているからではないだろうか。
また翌朝8時頃ロビーのソファーに腰掛けてると
見たことあるようなダークスーツの親父が
玄関に横付けされた車から降りて一人で入ってきた。
見間違いでなければ与党の大物で
1Fでも3Fでもないような名前の幹事長だったように思う。
どこかのVIP対応かと思ったもののそれなら秘書も連れていないのはおかしい。
後から聞けば政治勉強会とやらがあったらしい。
まあ会議と名のつく体の良い朝食会ってことなのかね。
いずれにせよこんな光景も東京にいるから見ることがあるということだな。
その足で向かったのは靖国神社。
やはり時間の早い平日で参拝客もまばらだった。
どこの神社や仏閣でも感じることだが清々しい気がするのと
何やら厳粛な雰囲気もあるのが良いね。
お参りした帰路、ふと覗いた社務所で意外な物を見つけた。
どこの神社にもあるようなお守りとかおみくじとか絵馬とかでないもの。
そいつを今回の東京旅行で唯一自分用に購入。
さてお次は皇居。
何処を見渡しても高層ビル群ばかりで圧倒される東京で
こんなに広くて緑の多い場所があるのは不思議な気持ちになるなあ。
周囲全てがコンクリートジャングルみたいなところばかりで、
外周をランニングやウォーキングする人が行き交うのも頷けるというものだ。
二重橋から手を合わせたところで振り返ると皇宮護衛官が乗る
馬車隊と遭遇した。
その隊列の前後にはパトカーも配置されており、
馬車の中まで見ることが出来なかったが
どこかの国の大使が乗っていたのかも知れない。
だがそのパトカー最後尾から少し離れて軽トラックが追随しているのは
どうにも似つかわしくない。
近くのガイドの説明に聞き耳を立てているとお馬ちゃんが粗相(糞)を
した際にサッと回収する役目だそうな。
なるほどねえ。
楠正成像に別れを告げてからも次に行くところは決まっていた。
そう国会議事堂である。
空いていれば見学も出来るのだ。
衆議院本会議場をゆっくりと廻る。
外観より中が広いのに驚いた。
またこれも意外だったのは議事堂の外壁がとても綺麗だったこと。
あちこちに高所作業車が止められていたのを見れば、
日頃から頻繁にメンテナンスされてるのだろう。
今回突然「お江戸詣で」をしようと思ったのは
人生を半世紀以上生きてきて数回しか来たことのない首都東京を
一生に一度くらいはきちんと見ておこうというのが目的だった。
元々人混みが多いところは好きではないし、
仮に今後また来ることがあったとしても
ある目的地にピンポイント的に来る程度だろうと思われたのもあった。
江戸時代の人々が伊勢参りをしたのと同じ気持ちと書いたら大袈裟だろうか。
時間にして20数時間の東京滞在である。
少々強行軍ではあったがある程度は「THE TOKYO」ってのを廻れて
目的の「お上りさんツアー」はなんとか達成出来ただろうと思う。
さあそうなれば後は昼飯食って飛行機に乗って帰るだけ。
てことで築地に廻って「すしざんまい」で締めるとしましたとさ(笑)。
(おし~まいっ)