7月末某日の暑い日のことだった。
昼前の西名阪自動車道の郡山インターからの帰路は
エアコンの調子がもうひとつなのも苦にならない、
いや場合によっては効きが良くなったのかと思うくらいの
ご機嫌なドライブとなった。
往路に比べて車が軽い。
車重が変わった訳じゃない。
踏み込むアクセル開度が浅くても進むという意味だ。
今朝と同じように踏むと思った以上にスピードが出てしまう。
空いている道路も浮かれて覆面の御用になっちゃならんと
慌てて速度を落とすこともしばしば。
法隆寺インターを過ぎてpapaさんのお膝元の
香芝インターも軽快にやり過ごす。
丸きりの受け売りになるが非分解エンジンオーバーホールの
TEREXSのS氏からはこれをした効果を実感出来るのは
それをする前の状態を知っている者、
つまりオーナーしか判らないかもと聞いていた通りだった。
本来走行距離は10万キロを越えた車に推奨のもので、
まだ44000キロを過ぎた程度の2号にはどうかと思ったのも
全くの杞憂だったと言えるだろう。
考えれば28年前の車でエンジン内部の洗浄などは
おそらく1度もしてなかっただろうからね。
今日のところは仮退院中の身でもあり一旦ディーラーへと
2号を戻すとしよう。
帰宅してからすぐにS氏にメールで報告すると
「今回のTEREXSでオイル系統はリセットされたのでしばらくは問題ないです。
吸気ラインにも汚れが蓄積されている可能性がありますので
機会があればワコーズのRECSの施工をお勧めします。
吸気バルブや燃焼室の汚れを効率的に排出することが可能です。」と返事が来た。
ワコーズ(WAKO'S)というのは正しくは
株式会社ケミカル和光という会社の商品ブランド名であり、
その名の通り潤滑剤やオイル、クリーナー等の自動車関連の
製品を数多く販売していて、
一般ユーザーの認知度はどうか不明ながら
大手量販店や専門ショップ等の店頭ではお馴染みだ。
特にモータースポーツに力を入れているのもあって、
レースをする者や走りに拘るドライバーには御用達の商品群なのである。
http://www.wako-chemical.co.jp/recs/product-info/
RECSは価格も排気量によって違うものの野口英世が数人分と
これまた微妙に食指のそそる範囲の金額ではないの。
施工店舗を調べてみれば自宅から車で10分の場所に
主に欧州車のメンテナンスを扱うBという専門店があり、
電話をすると国産車も施工してくれるとの話だった。
ドックインしているディーラーは盆休みで1週間休業だし、
明けても暫くは電装屋の手が空くまではそのままの状態だ。
再度連れ出してRECSに行くとしよう。
早速予約を入れたのは書くまでもない。
カーショップBは近くの国道沿いにある店で、
日常頻繁に通っている場所だというのに
京町屋のように間口が狭くてつい
普段は全く気づかず通り過ぎてしまっていた。
入って見て案外広いのと入庫している車を見て驚いた。
聞いてはいたものの国産車は1台もない。
ポルシェ、ベンツ、BMW、VWとさながら輸入車ディーラー
顔負けのフルラインナップ。
これら全てが点検や整備、チューニング等で順番待ちを
しているのだから忙しいのは間違いない。
社長のN氏は長身でモデル体型のイケメン。
服装や店内の雰囲気はシックでお洒落な
ラウンジかブティックのような感じ。
やはり高級外車オーナーにきっちりとターゲットを向けた
経営方針なのだろう。
2号の作業は短時間(約30~40分)なのでBMWやAUDI達の間に
割り込ませてもらおう。
価格面では圧倒的な差があっても希少性や所有する自己満足度は
それらのオーナーに負けてないなんて心の中で一人ほくそ笑んでると、
N氏も「この時代の車でこのコンディションの個体があるのは
全く信じられないですねえ!」と心憎い台詞が出るのも
外車オーナー向けのストロベリートークなのだろうか。
空調の効いたラウンジのような部屋の1面には大きなガラスが
嵌めてあり作業をそこから見学出来るようになっている。
RECS掲載写真は他車のものだが専用のボトルから滴下して
注入する姿から通称「点滴」とも呼ばれている。
点滴が終われば最後の儀式。
溜まった薬剤を完全燃焼させる為に大きく空ぶかし。
信じられないくらいに白い煙がモクモク、ボワッ~と出て、
排気ガスが透明になったらおしまい。
さて効果は如何に?
もうお決まりのワンパターンはご承知ですね。
(つづく)