秘書にゃんこ*山の上ホテル その2

2021-12-07 | 建築が好き
 今回の「山の上ホテル」宿泊は、【首都圏在住者限定】(朝食付きプラン)を利用しました。

普通に泊まるよりお得なのか、年末年始も徐々に予約が入り始めているようです。



こちらが名物の和朝食 (今は和洋とも朝食はルームサービスです)

美食家としても有名な池波正太郎の「いろいろな物を少しずつ食べたい」

という提案で実現した理想的な朝食は十品目を超え、

テーブルに乗り切らないお櫃のために、折りたたみ式の補助台がお目見えします。

長逗留するお客様もいらっしゃいますので、献立は毎日異なると聞きました。

品数は多いものの量は少なめ小さめで薄味。

美味しくてお箸が進み、ひとつも残さずいただきました



食後の腹ごなしにホテル内を散策し、ロビーの一画にあるライティングデスクで
絵画は両方とも池波正太郎の作品
一通りの調べ物ができるよう、辞書から医学事典まで用意されています


 「カンヅメ」に憧れて、チェックインからチェックアウトまで一度も外に出ることなく、

また、外からお菓子や飲み物を持ち込むことをせず、「山の上ホテル」を堪能しました。

バスタブにはお湯と水を加減しながら出し、一旦止めるとまた温度調節をしなくてはなりません。

いまどきのホテルと違って手間がかかりますが、そういうことも含めて楽しんで参りました。

 廊下ですれ違うとき、スタッフの皆さんが立ち止まって向き直り一礼してくださるのが印象に残り、

そのような教育を受けているのですかと、チェックアウトのときに尋ねましたら、

お若いお嬢さんお二人とも首を傾げて否定していらしたので、

おそらくマニュアルには載っていない、このような所作もまた受け継がれている伝統なのでしょう。

日帰りできる距離ではありますが、時間的に遠い昔にタイムスリップしたような旅でした。



クラシックでありながらどこかモダンな雰囲気を持つアールデコ様式


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秘書にゃんこ*山の上ホテル その1

2021-12-02 | 建築が好き
 10年以上前に見た旅番組で印象に残った、中国料理「東華菜館」(京都)の建物。

そして数年前、神戸で見かけて心惹かれた「旧居留地38番館」(大丸百貨店)

そのどちらも 建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの作品と知って以来、

いつかきっと・・・と願っていた氏の設計「山の上ホテル」に宿泊しました。


 御茶ノ水の駅を降りると、そこは大学や各種学校が軒を並べる、日本のカルチェラタン。

「学生街の喫茶店」のメロディーが頭の中に流れます

「山の上ホテル」は HILLTOP HOTEL というだけあって小高い丘の上にあります。


坂道を上ると、クリスマスのイルミネーションが出迎えてくれる時期

 ホテルと名の付く所には数え切れないほど宿泊しましたが、

チェックインをカウンターではなく、ゆったり座って行うのは初めてかも。

これも部屋数35室の、こぢんまりとしたホテルならではおもてなしでしょう。



チェックイン専用デスクで手続きをしていると、熱いおしぼりとお茶のサービスが (翌朝撮影


 部屋に籠もって原稿を書く「カンヅメ」を楽しんでいるようにさえ思える文士たち。

三島由紀夫に「ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」と言わせ、

長逗留する池波正太郎が、預金通帳ごと預けて支払っていたという文豪たちの定宿は、

豪華ではないものの上質、超高級ではないものの品と格式のあるお宿でした。



メールも FAX も無かった時代、原稿を待つ編集者で賑わっていたというロビー。



漆喰の壁と瑠璃色のタイル
1937年(昭和12年)当初はホテルではなく「佐藤新興生活館」として誕生。
日本人が上りやすい、秘書にゃんこの背丈と変わらない18センチの階段。



戦後 GHQ に接収されて陸軍婦人部隊の宿舎となった名残でドアノブの位置が高く、
ご覧のように内側からのロックもチェーンもありません。



ビロードのカーテンに、母の実家の応接間を思い出しました。
一輪の薔薇が嬉しく、そして机の前に鏡が無いのは実に落ち着きます。



クローゼットではない箪笥に備え付けてあるハンガーは、もちろん木製。



小さなホテルにレストランやバーは7軒
それはそれは美味しいコースのお料理でした

それでは、この続きは後日。。


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