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 「幻の終わり」 キース・ピータースン 創元推理文庫

2012-11-13 | 読書


ジョン・ ウエルズ シリーズの二冊目、近所で探してもなくて、そのうちネットででも買おうと思っていたら、通りかかった大阪駅の本屋で聞くと早速検索してくれた。

友人に待ってもらって買って帰り、旅の疲れもそのまま一気に読んだが、一作目を凌ぐ面白さだった。

* * * 

マンハッタンは大雪だったそして、それは初雪の夕方だった。

若い女性が虎に腕を食われた事件も一息ついて、ウェルズたちは雪の中を「プレスクラブ」に行き、編集長をサカナに一杯飲んでいた。
そこに顔馴染みがいた、その中にいた見知らない一人は海外通信員だった。だがコルトという名前の通信員とはウマが合ったのか、最後まで付き合い、ついに彼のホテルでまた飲み、酔いつぶれて泊まってしまう。

朝になって気が付いたときにはすでにコルトはセンスのいい服装で身じまいを済ませていた、そこにノックの音がして、朝食を運んできたベルボーイだと思ったコルトがドアを開け、チップを払おうとして刺されてしまう。彼は最後に「エレノア」とつぶやいて死んだ。

目撃してしまったために殺し屋に襲われ、九死に一生を得たウェルズは、この「エレノア」という名前を調べるためにコルトの過去を辿り始める。

かってアフリカにあった「セントゥー」という国の政変に巻き込まれた記者たちは今ではニューヨーク新聞界の大物になり、この政変の渦中にいた記者はその記事でピュリツァー賞を受賞していた。
彼らに何があったか、ウェルズを付け狙う殺し屋は何者か。

彼は「エレノア」に執着し魂を奪われる。彼女はセントゥーから生きて出られたのか。

登場してすぐに死んでしまったコルトとエレノアの関係、
二人の歴史が10年後のニューヨークで明らかになり始める。
ウェルズは命を懸けても、調べずにはいられない。

 * * * 

戦場から生き延びてきたコルトや記者たちの過去と現在。

政治背景とともに、展開はハードだがストーリーの面白さは抜群だ。

相変わらずランシングは可愛らしい。



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