空耳 soramimi

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「特捜部Q 知りすぎたマルコ」 ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫訳 角川ポケミス1885

2015-01-13 | 読書



待っていました、昨年7月から半年。予約の1/1になってから6ヶ月、私の前の返さない人は誰かと思いつつ、読みたい本は次々に出てくるし、マァいいか。でもやっと「用意できました」のメールが来たので、窓口で言ってしまった。「半年も一人目になったままで、待ちくたびれました」「そうなんですが長かったですね」そんな返事でいいのだろうか。おまけに、「次の方がお待ちなので延滞しないでくださいね」
二段組、566ページ。ますます長くなってきたが、読みかけの本を置いて急いで読んでメモして返す。これぞ男の中の男「武士道」だ。あの占いはシバリだ、これから何度でも使わせてもらう(笑)


これが特捜部Qは5作目。長いのであとがきから引用させてもらう。

ーーー2008年秋、カメルーン。熱帯雨林で原住民の農業指導にあたっていた青年が非業の死を遂げた。死にぎわに青年は最後の力をふりしぼって1通のメールを打つ・・・。
   2010年秋。デンマーク。コペンハーゲンから50キロ北の小さな町で、一人の少年が家を飛び出した。少年の名はマルコ。15歳。幼いころから、叔父が率いる窃盗団で物乞いやスリをさせられてきた。その腕はピカイチ。組織の秘密を耳にしてしまい、逃げ込んだ森で偶然、あることを知る・・・。
    2011年5月。コペンハーゲン警察本部特捜部Qのリーダー、カール・マーク警部補は釘打ち機事件の情報交換会議が行われていたロッテルダムから戻ってくる。そして、助手のアサドがいまだ完全復帰できないことに乗じて一人でのんびりしようと、聞き込み捜査の研修と称してローセを街に出す・・・。ーーー


のんびりするどころか、ローセはヨット爆発事件を拾ってくる。てんやわんやで解決したかに見えたが、更に厄介な事件が飛び込んでくる。
アフリカ、カメルーンに多額の開発資金援助をしていたが、現地視察に出かけた政府の高官が行方不明になる。その前に現地の窓口になって指導していた青年の不審死。これが公金横領につながることを特捜部チームは確信する、そこまでの捜査がなかなか長い。
カールはプロポーズして振られ悶々としている。重傷を負ったアサドは次第に回復し得意のラクダねたも出るようになる。ローセは今回はぶっ飛んだ方が活躍するが、新入りのゴードンに付きまとわれ、陥落寸前。寝たっきりのハーディはミカの介護で車椅子に乗れるまでに回復する。

一方逃げ出したマルコは、追っ手を逃れて隠れた森の穴で、官僚の死体と一夜を明かす。ここで事件の手がかりを掴んだマルコは、組織や横領仲間が雇った兵士といわれる殺し屋にまで追われることになる。

このマルコという少年、敏捷で頭がいい。隠れながら図書館で多方面の知識を吸収する。自由な身になって知識を生かし、暖かい家庭を持つことを夢見ている。

カールたちはやっと、マルコが決定的な証人になることに気づくが、なかなか出会うことが出来ない。
マルコは命がけで逃げ、何度も危ういところで命拾いをするが、警察にはいけない身分なので、いつカールたちが見つけるのか。
帯にあるように ”お願い!早くマルコを助けてあげて” どうなるのか、読みすすめなくては。

サイドストーリーのような横領事件も関係者がお互いに疑心暗鬼に陥り次々に事件を起こす。公金ついては洋の東西を問わず、群がって甘い汁を吸う。吸い過ぎて身を滅ぼす。騙しあいの面白さはあるが。
マルコの逃走劇も長いはなしで、特捜部の面々に親しみがなければ途中で緊張感が薄れそうになる。今回はいつもの緊張度は低い。物語として面白いけれど、シリーズを読み続けていなければここからはじめるのはきついかもしれない。
犯人探しの部分も一部あるが、今回は特捜部Qチームのやり取りの面白さと、マルコがどう逃げ切るか、彼の将来は?と言う点が読みどころ。

コメント
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