映画は、ひとりで創るものではない。
訂正、ひとりで創ることが出来る、、、ものではない。
いくらワンマンの映画監督―チャップリンや塚本晋也―といっても、演出から撮影、編集、音楽、美術、衣装、そして演技までも担当することは不可能。
総合芸術といわれるゆえんだが、それぞれのパートが複数によるものでも「いちおうの」代表者がクレジットされるルールが出来上がっている。
ヤヌス・カミンスキーの撮影(=スピルバーグ映画組)が凄いと映画小僧の多くがいうけれど、あの映像美はカミンスキーだけでなく、助手を含めた複数の努力の賜物なのだ。
監督もそう。
やることがいちばん多いリーダーだから、多いときには助監督が4人くらいついていたりする。
でも前述したように、監督のクレジットは代表者のみである。
ただ稀に、その代表者が複数の場合がある。
主に兄弟監督だが、そうともかぎらない。
えらいなー、すごいなー。と思う。
よく衝突しないものだ。
いや、衝突はするのだろうけれども。
今宵はそんな、世界映画的に珍しいとされる「共同監督たち」をリストアップしてみた。
ひとつだけの作品で共同演出したもの、キャリアの途中でコンビを解消したもの、この先もずっと共同演出するであろうもの・・・いずれにせよ、個人では成し遂げられなかったところがあるのだろうね。
(1)ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
『ウエスト・サイド物語』(61)を共同で演出。
ドラマ部分は「もちろん」ワイズが担当、振り付けのみをロビンスが担当することによって、ドラマ/ダンスとも見応えのあるものに仕上げた。
(2)ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン…トップ画像(中央は、神スコセッシ)
兄弟監督といえば、このひとたち。
演出部分を兄のジョエルが、脚本をイーサンが―というのは形式だけだろうと、ほとんどの映画小僧が思っている。
(3)ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
コメディを専門とする兄弟監督だが、日本ではあまり馴染みがない。
やっていることはすごいんだけれどね。
笑いの限界を超えようとする野心的な兄弟だから、もっと評価されてほしい。
(4)ロッキー・モートン、アナベル・ヤンケル
ただいちどだけ、『D.O.A.』(88)というサスペンス映画でコンビを組んでいる。
デニス・クエイドとメグ・ライアン共演の佳作であり、この出来に震えた自分なんかは次回作をずっと期待していたのだが、その後の活躍をまったく聞かないのだった。
やっぱりコンビは、難しかった?
(5)ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
『マトリックス』(99)公開時は「兄」弟だったのに、いつの間にか「姉」弟になっていた、変り種の監督。
そう、ラナは(おそらく成功した金で)性別適合手術を受けたのである。
(6)ヴィットリオ・タヴィアーニ、パオロ・タヴィアーニ
兄弟監督の元祖といえば、コーエンではなく、じつはこのひとたち。
70~80年代は映画界を牽引する存在だったが、最近は日本公開も少なめ。
ちょっと寂しいよね。
(7)ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
母国ベルギーで地味だけれど革新的な映画を創り続ける、カンヌ「受賞」常連の兄弟監督。
観るには覚悟の要る社会派ばかりだが、日本はこの兄弟監督に優しく、必ず新作を上映してくれている。
(8)リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二
『トラ・トラ・トラ!』(70)の、演出トリオ。
当初、日本パートは黒澤が担当するはずだった―有名なエピソードだが、まぁ黒澤の性格からいって(ちょっと知ったかぶり)それは不可能なのだろうな・・・と思いつつ、ぜひ実現してほしかったと思う。
(9)ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
ジュネ&キャロの愛称で、日本でも人気を博した。
ジュネが『エイリアン4』(97)で独り立ちしたことから、コンビ解消。
再び組むことは、ないのだろうか。
(10) ピート・ドクター、デヴィッド・シルヴァーマン、リー・アンクリッチ
アニメーション、『モンスターズ・インク』(2001)を3人で担当する。
実写映画よりも制作工程が複雑なアニメーションは、たしかに分業にしたほうがやり易いのかも?
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(233)津田寛治』
訂正、ひとりで創ることが出来る、、、ものではない。
いくらワンマンの映画監督―チャップリンや塚本晋也―といっても、演出から撮影、編集、音楽、美術、衣装、そして演技までも担当することは不可能。
総合芸術といわれるゆえんだが、それぞれのパートが複数によるものでも「いちおうの」代表者がクレジットされるルールが出来上がっている。
ヤヌス・カミンスキーの撮影(=スピルバーグ映画組)が凄いと映画小僧の多くがいうけれど、あの映像美はカミンスキーだけでなく、助手を含めた複数の努力の賜物なのだ。
監督もそう。
やることがいちばん多いリーダーだから、多いときには助監督が4人くらいついていたりする。
でも前述したように、監督のクレジットは代表者のみである。
ただ稀に、その代表者が複数の場合がある。
主に兄弟監督だが、そうともかぎらない。
えらいなー、すごいなー。と思う。
よく衝突しないものだ。
いや、衝突はするのだろうけれども。
今宵はそんな、世界映画的に珍しいとされる「共同監督たち」をリストアップしてみた。
ひとつだけの作品で共同演出したもの、キャリアの途中でコンビを解消したもの、この先もずっと共同演出するであろうもの・・・いずれにせよ、個人では成し遂げられなかったところがあるのだろうね。
(1)ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
『ウエスト・サイド物語』(61)を共同で演出。
ドラマ部分は「もちろん」ワイズが担当、振り付けのみをロビンスが担当することによって、ドラマ/ダンスとも見応えのあるものに仕上げた。
(2)ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン…トップ画像(中央は、神スコセッシ)
兄弟監督といえば、このひとたち。
演出部分を兄のジョエルが、脚本をイーサンが―というのは形式だけだろうと、ほとんどの映画小僧が思っている。
(3)ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
コメディを専門とする兄弟監督だが、日本ではあまり馴染みがない。
やっていることはすごいんだけれどね。
笑いの限界を超えようとする野心的な兄弟だから、もっと評価されてほしい。
(4)ロッキー・モートン、アナベル・ヤンケル
ただいちどだけ、『D.O.A.』(88)というサスペンス映画でコンビを組んでいる。
デニス・クエイドとメグ・ライアン共演の佳作であり、この出来に震えた自分なんかは次回作をずっと期待していたのだが、その後の活躍をまったく聞かないのだった。
やっぱりコンビは、難しかった?
(5)ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
『マトリックス』(99)公開時は「兄」弟だったのに、いつの間にか「姉」弟になっていた、変り種の監督。
そう、ラナは(おそらく成功した金で)性別適合手術を受けたのである。
(6)ヴィットリオ・タヴィアーニ、パオロ・タヴィアーニ
兄弟監督の元祖といえば、コーエンではなく、じつはこのひとたち。
70~80年代は映画界を牽引する存在だったが、最近は日本公開も少なめ。
ちょっと寂しいよね。
(7)ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
母国ベルギーで地味だけれど革新的な映画を創り続ける、カンヌ「受賞」常連の兄弟監督。
観るには覚悟の要る社会派ばかりだが、日本はこの兄弟監督に優しく、必ず新作を上映してくれている。
(8)リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二
『トラ・トラ・トラ!』(70)の、演出トリオ。
当初、日本パートは黒澤が担当するはずだった―有名なエピソードだが、まぁ黒澤の性格からいって(ちょっと知ったかぶり)それは不可能なのだろうな・・・と思いつつ、ぜひ実現してほしかったと思う。
(9)ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
ジュネ&キャロの愛称で、日本でも人気を博した。
ジュネが『エイリアン4』(97)で独り立ちしたことから、コンビ解消。
再び組むことは、ないのだろうか。
(10) ピート・ドクター、デヴィッド・シルヴァーマン、リー・アンクリッチ
アニメーション、『モンスターズ・インク』(2001)を3人で担当する。
実写映画よりも制作工程が複雑なアニメーションは、たしかに分業にしたほうがやり易いのかも?
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