Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん男優列伝(233)津田寛治

2014-07-11 08:06:06 | コラム
65年8月27日生まれ・現在48歳。
福井出身。

公式サイト


90年代にデビューし芸歴は約20年、そのあいだに100本を超える映画に出演。
テレビドラマも含めると250本以上のキャリアがあるのに、顔と名前を一致している受け手が少ない。

津田寛治(つだ・かんじ)さんは、そんなひと。

なぜ?

多くの作品に出演するも、ほんのちょっとしか出ていないからです。

端役専門俳優?

そんなこともありません。
堂々の主演を飾るときもあれば、重要な助演者を務めることもある。

そのへんのところを本人が「あまりこだわらない」からこそ、こうした不思議なキャリアが出来上がったのでしょう。
そう、こういう俳優さん、多く居そうで、じつは意外と少ないのです。

北野映画に連続出演し、そのころから「いいツラをしているな」と気になっていました。

とくに印象的だったのが、『キッズ・リターン』(96)。
ヤクザの親分・石橋凌に可愛がられる中華料理屋のバイトくん―というキャラクターだったのに、「殺し」が起こり、親分からピストルを渡され「これ持って、警察行ってこい」と命じられる可哀想な展開。
「あの世界」では「よくあること」らしい、身代わりキャラですね。

それから5年ほど経って、話題作『模倣犯』(2002)で犯罪者・中居正広の相棒を演じます。
映画の内容も「・・・」でしたが、津田さんの演技も「ちょっと、アレ」でした。
米国かぶれというキャラクターだったのですけれど、役を作りこみ過ぎたというか、観ていて不愉快でしたねぇ。

せっかくのビッグチャンスなのに―と思ったものですが、これは監督・モリタの所為かな。
以降も「ときどき躓く」ことはありましたが、順調に「妙なキャリアの俳優さん」というポジションを強固なものにしていきました。




<経歴>

映画俳優を目指し、高校を中退して上京。
アルバイトを続けながら劇団員として様々な舞台で経験を積みました。

アルバイト先のひとつが、録音スタジオのなかで営業する喫茶店。
そこを訪れた北野武に自身を売り込み、北野映画の傑作『ソナチネ』(93)で映画俳優デビューすることに成功する。

俳優を目指す若者に「おおいなる大志」を抱かせるエピソード、ですよねぇ!!

このひとの、とくに90年代のキャリアを眺めてみると「横のつながり」って大事だな・・・そう思わせてくれます。

『119』(94)、『GONIN』(95)、
前述した『キッズ・リターン』、
『四月物語』(98)、『鮫肌男と桃尻女』(99)、『ひまわり』(2000)、『MONDAY』(2000)、『連弾』(2001)、『GO』(2001)。

分かります?

竹中直人に起用され、竹中が石井隆に紹介したり。
石井克人とSABU、行定勲のルートも見えてきますし。

チャンスをつかむ運だけでなく、熱意、人柄のよさも「持っている」ひとなのだと思います。

『模倣犯』、『ロックンロールミシン』(2002)、『八月の幻』(2002)、
『壬生義士伝』(2003)、『月の砂漠』(2003)、
『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)、
『いらっしゃいませ、患者さま。』(2005)、『妖怪大戦争』(2005)、
『最終兵器彼女』(2006)、『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)、『日本沈没』(2006)、
『さくらん』(2007)、『Watch with Me ~卒業写真~』(2007)、
『山のあなた~徳市の恋~』(2008)、『トウキョウソナタ』(2008)、
『誰も守ってくれない』(2009)、『余命1ヶ月の花嫁』(2009)、
『今度は愛妻家』(2010)、『シュアリー・サムデイ』(2010)、『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』(2010)、『ヘヴンズ ストーリー』(2010)、
『ツレがうつになりまして。』(2011)、『恋の罪』(2011)、『アントキノイノチ』(2011)、
『デッド寿司』(2013)、『暗闇から手をのばせ』(2013)。

うん、やっぱり、これだけの出演作(しかも、半分以上省いてます)があるのに顔と名前が一致しないって不思議ですよ。
『Watch with Me ~卒業写真~』では、きっちり主演を務めているというのに!!

本年も『東京難民』、『猫侍』、『六月燈の三姉妹』と好調を維持。
最新作は『花宵道中』で、これは秋に公開予定です。

もうこの際、「名前は知らないけど、よく見かける俳優さん」として突っ走ってもらいましょう。

出来れば一致してほしいのですけれどね、津田さんの場合は特例的に「あり。」のような気がするのでした。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(234)筒井道隆』

コメント (3)
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