Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

Big Mouth

2016-10-02 00:10:00 | コラム
自分が敬愛するモハメド・アリも、たしかにいっていた。
いた、、、というか、その本家だったりする。

アリをモデルとした、とされる『ロッキー』(76)のアポロも、だから当然のようにいっている。

そうした伝統は自然と受け継がれ、

日本のボクシングでは亀田三兄弟が、
現在のK-1では武尊に敵意むき出しの小澤が、

先日開催されたMMAの大会では・・・

木村"フィリップ"ミノルが「ボクのパンチは、相手の脳味噌が飛び散る」といい、

山本美憂は「ぜんぜん怖くない。身体能力では上」といっていた。


けれども。
いかにもいいそうなマイク・タイソンは、じつはそんなこともなかった。

アリと同じくらい尊敬するヒョードルも、相手への敬意を忘れず、大口をたたくことは決してなかった。


あくまでも、好みの話だが。

いわゆるビッグマウスは好きじゃない。

分かるよ、気持ちは分かる。
それで盛り上げようというショーマンシップ的な側面もあるだろうし、緊張や恐怖の裏返しで「敢えて」発しているところもあるのだろう。

だろうが、それでも好きになれない。

ヒョードルやRENAのように、みんな「いい子ちゃん」になれとは、いわなけれども。

ただ、やっぱり誤解を受け易いスポーツだからね。
昔からのファンであれば「いいぞいいぞ、やれ」となるかもしれないが、新規顧客は、なかなか生まれない。

そういう時代じゃないんだよ、、、ということ。

とくに王者は、(横綱じゃないけど)王者らしい振る舞いをしてほしい。


いっぽうで新参者も、それゆえのアピールであることは分からないではないが、自ら煽る必要なんてない。

「怖いけど、アップセットを起こす機会をうかがいたい」

これくらいで、よくね? と、いつも思う。


今回、新参者としてMMAに挑戦したミノルと美憂ちゃんは、ビッグマウスを展開し、結果、それがブーメランとして返ってきて敗北した。

美憂ちゃんはそれなりに見せ場を作ったが、ミノルはなにかを起こす前にKOされ、煽りが激しかったぶん、ブーメランの強度は増して、それは笑いにまで昇華されてしまった。

それが本意であったとすれば余計なお世話なのだろうが、ミノルはそんなつもりでリングに上がったわけじゃあないでしょう。


ビッグマウスを展開しなくとも、煽らなくとも、それぞれの背景がきっちりしていれば、自ずと緊張感が生まれるよい試合になるはず。


ファイターのビッグマウスにも、知性が必要ってこと。
アリにはそれがあった、ユーモアというオマケまでついていたし。

その自信がなければ、予告編だけ盛り上げて本編がスッカスカ―みたいな映画にならぬよう、煽りなしでやってもらいたい。




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明日のコラムは・・・

『CHIRA―MI』
コメント (1)
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