録音にせよ録画にせよ、CMカット機能などあるはずもない時代―80年代前半―なので、観ながら聴きながら録る、、、というのが基本で。
テレビの前でラジカセの録音ボタン/ビデオデッキの録画ボタン、停止ボタンに指を置き、CMをカットする技術は、自分の世代くらいまでなら皆が習得していたのではないかな。
初めてカセットテープに録音したのは、アニメ『夢戦士ウイングマン』(84、テレビ朝日)のエンディングだったと記憶する。
そのあとは、番組全体を録音していた『斉藤由貴 ネコの手も借りたい』(ニッポン放送)だったかな。
初めてビデオテープに録画した映画は、香港産の『燃えよデブゴン』(78)である。
サモ・ハン・キンポーが主演、大流行したカンフー映画のパロディ作品。
原題は(ひどいことに)『肥龍過江』という。
まぁでも、監督も務めたサモ・ハンが自身で冠したタイトルだからね、その自虐性が素敵じゃないか。
「肥龍」は読んで字のごとくだが、「過江」とはなにか。
これはブルース・リーの『ドラゴンへの道』(72)に由来し、この原題が『猛龍過江』なのである。
タイトルそのものがパロディになっているわけで、だからほんとうは『デブゴンへの道』としたほうが、しっくりきたはず。
ただ『燃えよドラゴン』(73)のほうが有名だから、こっちに寄せたということだろう。
特別サモ・ハンが好きだったわけではない。
もちろん嫌いじゃないよ、成龍ジャッキーの兄貴的存在であったし。
元祖「動けるデブ」といったらいいのか、このひとを彷彿とさせるのが、芸人「タイムマシーン3号」の関ちゃんだろう。
嫌いでも、好きでもない。
というのは、たぶん、自分がまだ肥満児だったから、親近感を覚えつつも、弱めの近親憎悪? を抱いていたのかもしれない。
この映画を録画したのは、結局「たまたま」だったんだ。
成龍の映画が「先に」放送されていれば、そっちを録ったろうし。
成龍がシュワ氏やスライに代わっても、それは大きな問題ではなかった。
単に、我が家にビデオデッキがやってきた「その日」に放送されていたのが『燃えよデブゴン』だっただけ、、、なのだよね。
リモコンを持ち、荻昌弘の解説が始まったと同時に録画ボタンを押す。
CMに入れば一時停止を押し、始まればそれを解除する。
こうして2時間、テレビの前に居座り緊張しながら録画したものである。
そうして、きちんと録れているかを確認するために再度、鑑賞する。
そんなわけだから、べつに好きでもないのに傑作とも思えないのに、『燃えよデブゴン』の、ほとんどのシーンを覚えている映画小僧なのだった―。
おわり。
※成龍は石丸さん、サモ・ハンは水島裕さん。
これゼッタイ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『いちれつ!!』
テレビの前でラジカセの録音ボタン/ビデオデッキの録画ボタン、停止ボタンに指を置き、CMをカットする技術は、自分の世代くらいまでなら皆が習得していたのではないかな。
初めてカセットテープに録音したのは、アニメ『夢戦士ウイングマン』(84、テレビ朝日)のエンディングだったと記憶する。
そのあとは、番組全体を録音していた『斉藤由貴 ネコの手も借りたい』(ニッポン放送)だったかな。
初めてビデオテープに録画した映画は、香港産の『燃えよデブゴン』(78)である。
サモ・ハン・キンポーが主演、大流行したカンフー映画のパロディ作品。
原題は(ひどいことに)『肥龍過江』という。
まぁでも、監督も務めたサモ・ハンが自身で冠したタイトルだからね、その自虐性が素敵じゃないか。
「肥龍」は読んで字のごとくだが、「過江」とはなにか。
これはブルース・リーの『ドラゴンへの道』(72)に由来し、この原題が『猛龍過江』なのである。
タイトルそのものがパロディになっているわけで、だからほんとうは『デブゴンへの道』としたほうが、しっくりきたはず。
ただ『燃えよドラゴン』(73)のほうが有名だから、こっちに寄せたということだろう。
特別サモ・ハンが好きだったわけではない。
もちろん嫌いじゃないよ、成龍ジャッキーの兄貴的存在であったし。
元祖「動けるデブ」といったらいいのか、このひとを彷彿とさせるのが、芸人「タイムマシーン3号」の関ちゃんだろう。
嫌いでも、好きでもない。
というのは、たぶん、自分がまだ肥満児だったから、親近感を覚えつつも、弱めの近親憎悪? を抱いていたのかもしれない。
この映画を録画したのは、結局「たまたま」だったんだ。
成龍の映画が「先に」放送されていれば、そっちを録ったろうし。
成龍がシュワ氏やスライに代わっても、それは大きな問題ではなかった。
単に、我が家にビデオデッキがやってきた「その日」に放送されていたのが『燃えよデブゴン』だっただけ、、、なのだよね。
リモコンを持ち、荻昌弘の解説が始まったと同時に録画ボタンを押す。
CMに入れば一時停止を押し、始まればそれを解除する。
こうして2時間、テレビの前に居座り緊張しながら録画したものである。
そうして、きちんと録れているかを確認するために再度、鑑賞する。
そんなわけだから、べつに好きでもないのに傑作とも思えないのに、『燃えよデブゴン』の、ほとんどのシーンを覚えている映画小僧なのだった―。
おわり。
※成龍は石丸さん、サモ・ハンは水島裕さん。
これゼッタイ。
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明日のコラムは・・・
『いちれつ!!』