群馬の片田舎の高校だから、文化祭といっても高が知れている。
当時はバンドブームだったわけで、ボウイやBUCK-TICK、女子バンドであればパーソンズのコピー演奏がメインだろう、どうせ・・・などと、ハグレモノ? の映画小僧は思っていたわけ。
映画『リンダリンダリンダ』(2005…トップ画像)みたいにね。
だから、実行委員会が頑張って芸能人を呼ぶと聞いたときは、心底驚いた。
当初は、時代を感じさせるが・・・
モノマネタレントのコンビ、「しじみとさざえ」を予定していたという。
松下桂子のほうが、太田出身であることからのチョイスであろうか。
皆は「えー、もっと有名なひとを!」とブーイングしていたが、そのほどんとは内心ワクワクしていたことだろう。
だってこの地で、ブラウン管の向こうに居るひとを見ることは「ほぼゼロ」に近いことだったから。
けれども本契約? の直前、「しじみとさざえ」が「モノマネタレントであるにも関わらず」、日本レコード大賞の新人賞を受賞してしまう。
これで一気に、ギャランティが跳ね上がってしまったのだった。
おまいがっ!!
実行委員会は悩みに悩み、低いギャラで呼べる芸能人を探しまくった。
そうして、「コント山口君と竹田君」に決定したのである。
またまた、一同がブーイングを送った。
なにもしていないクセしてね、ひどいやつらだ。(自分も、だけど)
知名度では「しじみとさざえ」の何倍も上、けれども彼らは「もう古い」と解釈していた、、、がゆえのブーイング。
だから多くの生徒たちは、あんまり期待していなかったはず。
それでも体育館が満員になったのは、「どんなもんか、見てやろうじゃないか」という思いがあったのだろう。
生意気な高校生だもん、彼ら彼女らの性悪さは、こんなものだろう。
しかし・・・。
数百人規模の会場がひとつとなって、大爆笑が巻き起こる―そういう展開を、初めて経験したかもしれない。
大袈裟じゃなく、ほんとうにウケた。
よくいう、「お腹痛くなるほど笑う」状態となった。
プロってすげぇんだ、クラスでいちばん面白いAくんなんかじゃ歯が立たないだろうな、と感心した。
文化祭でも学園祭でもなんでもいいが、「ぜんぜんウケなかった」というのは「芸人あるある」のひとつだろう。
「コント山口君と竹田君」も、きっと経験があるにちがいない。
それで技を磨いたのか、
あるいは調子がよかっただけなのか、
はたまたイナカッペが素直に笑っただけであり、じつは東京の学校で同じことをやっても、さっぱりウケないのか。
真の実力者であったと思いたいが、ひょっとしたら「コント山口君と竹田君」は、「群馬のガキ、楽勝だぜ」と軽くバカにしていたかもしれない。
それはそれで、面白い。
だって見る前までは、散々プロをバカにしていたのだもの。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『傷モノ、という価値』
当時はバンドブームだったわけで、ボウイやBUCK-TICK、女子バンドであればパーソンズのコピー演奏がメインだろう、どうせ・・・などと、ハグレモノ? の映画小僧は思っていたわけ。
映画『リンダリンダリンダ』(2005…トップ画像)みたいにね。
だから、実行委員会が頑張って芸能人を呼ぶと聞いたときは、心底驚いた。
当初は、時代を感じさせるが・・・
モノマネタレントのコンビ、「しじみとさざえ」を予定していたという。
松下桂子のほうが、太田出身であることからのチョイスであろうか。
皆は「えー、もっと有名なひとを!」とブーイングしていたが、そのほどんとは内心ワクワクしていたことだろう。
だってこの地で、ブラウン管の向こうに居るひとを見ることは「ほぼゼロ」に近いことだったから。
けれども本契約? の直前、「しじみとさざえ」が「モノマネタレントであるにも関わらず」、日本レコード大賞の新人賞を受賞してしまう。
これで一気に、ギャランティが跳ね上がってしまったのだった。
おまいがっ!!
実行委員会は悩みに悩み、低いギャラで呼べる芸能人を探しまくった。
そうして、「コント山口君と竹田君」に決定したのである。
またまた、一同がブーイングを送った。
なにもしていないクセしてね、ひどいやつらだ。(自分も、だけど)
知名度では「しじみとさざえ」の何倍も上、けれども彼らは「もう古い」と解釈していた、、、がゆえのブーイング。
だから多くの生徒たちは、あんまり期待していなかったはず。
それでも体育館が満員になったのは、「どんなもんか、見てやろうじゃないか」という思いがあったのだろう。
生意気な高校生だもん、彼ら彼女らの性悪さは、こんなものだろう。
しかし・・・。
数百人規模の会場がひとつとなって、大爆笑が巻き起こる―そういう展開を、初めて経験したかもしれない。
大袈裟じゃなく、ほんとうにウケた。
よくいう、「お腹痛くなるほど笑う」状態となった。
プロってすげぇんだ、クラスでいちばん面白いAくんなんかじゃ歯が立たないだろうな、と感心した。
文化祭でも学園祭でもなんでもいいが、「ぜんぜんウケなかった」というのは「芸人あるある」のひとつだろう。
「コント山口君と竹田君」も、きっと経験があるにちがいない。
それで技を磨いたのか、
あるいは調子がよかっただけなのか、
はたまたイナカッペが素直に笑っただけであり、じつは東京の学校で同じことをやっても、さっぱりウケないのか。
真の実力者であったと思いたいが、ひょっとしたら「コント山口君と竹田君」は、「群馬のガキ、楽勝だぜ」と軽くバカにしていたかもしれない。
それはそれで、面白い。
だって見る前までは、散々プロをバカにしていたのだもの。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『傷モノ、という価値』