Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(198)

2016-10-11 00:10:00 | コラム
群馬の片田舎の高校だから、文化祭といっても高が知れている。

当時はバンドブームだったわけで、ボウイやBUCK-TICK、女子バンドであればパーソンズのコピー演奏がメインだろう、どうせ・・・などと、ハグレモノ? の映画小僧は思っていたわけ。




映画『リンダリンダリンダ』(2005…トップ画像)みたいにね。

だから、実行委員会が頑張って芸能人を呼ぶと聞いたときは、心底驚いた。

当初は、時代を感じさせるが・・・

モノマネタレントのコンビ、「しじみとさざえ」を予定していたという。



松下桂子のほうが、太田出身であることからのチョイスであろうか。



皆は「えー、もっと有名なひとを!」とブーイングしていたが、そのほどんとは内心ワクワクしていたことだろう。

だってこの地で、ブラウン管の向こうに居るひとを見ることは「ほぼゼロ」に近いことだったから。

けれども本契約? の直前、「しじみとさざえ」が「モノマネタレントであるにも関わらず」、日本レコード大賞の新人賞を受賞してしまう。

これで一気に、ギャランティが跳ね上がってしまったのだった。

おまいがっ!!





実行委員会は悩みに悩み、低いギャラで呼べる芸能人を探しまくった。

そうして、「コント山口君と竹田君」に決定したのである。



またまた、一同がブーイングを送った。

なにもしていないクセしてね、ひどいやつらだ。(自分も、だけど)

知名度では「しじみとさざえ」の何倍も上、けれども彼らは「もう古い」と解釈していた、、、がゆえのブーイング。

だから多くの生徒たちは、あんまり期待していなかったはず。

それでも体育館が満員になったのは、「どんなもんか、見てやろうじゃないか」という思いがあったのだろう。

生意気な高校生だもん、彼ら彼女らの性悪さは、こんなものだろう。


しかし・・・。


数百人規模の会場がひとつとなって、大爆笑が巻き起こる―そういう展開を、初めて経験したかもしれない。

大袈裟じゃなく、ほんとうにウケた。

よくいう、「お腹痛くなるほど笑う」状態となった。

プロってすげぇんだ、クラスでいちばん面白いAくんなんかじゃ歯が立たないだろうな、と感心した。


文化祭でも学園祭でもなんでもいいが、「ぜんぜんウケなかった」というのは「芸人あるある」のひとつだろう。

「コント山口君と竹田君」も、きっと経験があるにちがいない。

それで技を磨いたのか、
あるいは調子がよかっただけなのか、
はたまたイナカッペが素直に笑っただけであり、じつは東京の学校で同じことをやっても、さっぱりウケないのか。

真の実力者であったと思いたいが、ひょっとしたら「コント山口君と竹田君」は、「群馬のガキ、楽勝だぜ」と軽くバカにしていたかもしれない。


それはそれで、面白い。
だって見る前までは、散々プロをバカにしていたのだもの。


おわり。


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『傷モノ、という価値』
コメント (2)
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