Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(222)

2017-05-24 00:10:00 | コラム
いつ、なにが起こっても対応が出来るように、頭のなかでシミュレーションをしている・・・という男子は、意外と多いと思う。

それが実際の場面で効力を発揮するかどうかは、またべつの話。
なにも考えていないより、マシでしょうってことで。

ただ残酷? なのは、実際にトラブルが起こったとして、瞬時に動けるのは「意外と、なにも考えていないひと」だったりするという事実。

考えているひとは、考え過ぎちゃっているのかな・・・なんて汗汗


15年くらい前の、平日の夕刻―。

新宿で映画を観て、友人の家に遊びにいくため西荻窪の駅で降りる。

荻窪は町田より美人が多いな、、、などとヘラヘラ顔で歩いていると、後ろから「万引き! 捕まえて!!」というおばさんの叫び声が聞こえた。

振り返ると、ちょうど自分の横を中年の男が通り過ぎるところで、自分は深く考えることなく男の下半身に自分の右足を引っかけるように出し、男はこっちの期待どおりに転倒した。

男が持つビニール袋から、窃盗したと思われる缶ビールが転がり、それの衝撃で破裂し、路上にビールの泡が吹き出ていた。

おばさんは、いわゆる万引きGメンではなく、スーパーの店員さんだった。
だから、その後の処置に慣れていない。
自分だって保安員になる「3ヶ月前」だったので、なにをどうしたらいいか分からない。

とりあえず男をスーパーの事務所に連行するのがベストだろうと考え、男を起こし、彼のベルトをつかんで、おばさんの案内でスーパーの事務所まで歩いていった。

ベルトをつかんだのは、たまたまだった。
ただ3ヶ月後、私服保安員になるための面接時、この経験を話した際にえらく褒められた。

「そうそう、手や袖はNG、ベルトをつかむのが鉄則なんだよ。知っていたの?」
「いえいえ、なんとなくなんです」

不思議なことに、胴の部分を捕えると、こっちの意思で手を離さないかぎり、相手は「ほぼ」逃げられない。

「ほぼ」だからね、例外はあるということ。

そしてこの距離感が大事で、相手が殴ろうとしても、「近過ぎるから」力をこめてうまく殴ることは出来ないのだった。

これも「ほぼ」をつけておこうか。
犯人が元ボクサーで、クリンチアッパーとかが得意であれば、そりゃうまいこと殴ってくるだろうから。


それはともかく。

スーパーの店長さんは、こっちが恐縮するくらい感謝してくれて、出来たてだという総菜を2000円分くらいくれた。

被害額は1500円くらいだったはずだから、マイナスじゃん!!


そしてこの経験から、自分は私服保安員に向いているのかもしれない、、、と思った。

しかし求人広告を開いても、「万引きGメン募集!」なんていうのは探せない・・・はずだったのだけれど、その翌々月「たまたま」募集広告を発見したのである。


いろんな「たまたま」が重なり、その後の数年間、私服保安員として万引き犯や盗撮犯と対峙することになる。


笑ってしまうのは―。
さすがに最近はなくなったけれど、オフの日に街を歩いていると、自分の顔を見て逃げ出す男が数人居たこと。

こっちは日に何人も捕まえるから「よほど特徴的なヤツ以外」は覚えていないが、向こうにとっては「俺を捕まえたヤツだ」となるんだよね、だから逃げ出すと。

いやいや笑

そんなに怖かったのだろうか・・・・・。


おわり。


※この映画の主人公は、自らの罪を作り出すために盗撮に手を染める




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明日のコラムは・・・

『俳優別10傑 海外「さ行」女優篇(7)』
コメント (2)
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