しーす「るー」→「るー」と(ルート)
1年時は「5」、なのに3年時は「2」に―これ、中学時代の通知表、数学の評価である。
「5」を取っているのだから、最初から苦手なわけじゃなかった。
2乗3乗はついていける、もっといえば図形の相似を証明する「文章の問題」は大の得意だった。
ただ、教科書に平方根「√」や比例・反比例の文字が出現したあたりで眩暈や吐き気がしてきて、この勉強は「そっち側のひと」(?)に任せることにして、数学は「学ばなくていいもの」と解釈するにいたる。
平方根「√」の意味は、ひとには説明出来ないけれど、自分のなかでは「なんとなく」分かっている。
ウィキペディアには、「数に対して、平方すると元の値に等しくなる数のことである」と説明されているが、これだけだとさっぱり分からない。
いってしまうが、表現がヘタクソだなぁ! と。
繰り返すよ、自分じゃ説明さえ出来ないのだけれどもね!!
アルバイトをしていたころ、新人さんでネパールのひとが入ってきて。
在庫を数えてくれと頼んだら、日本人であれば数分で終わるところ、彼は30分以上を要した。
九九を知らないからである。
日本すげー! と思ったが、まぁ思う程度で、自分はあんまりエラソーなことはいえない。
映画鑑賞や批評、制作に数学的才能は「基本的には」要らないだろう。
だろうが、数学に携わる人物が描かれることはある。
映画ファンが真っ先に挙げるであろう作品は、ダーレン・アロノフスキーを一躍有名にした『π』(98)か。
「√」と双璧といえる数学界の大メジャー記号、「π」。
数式に取り憑かれた主人公は、あらゆる事象も数式で説明出来ると信じ、日夜その解明に取り組んでいる。
隣人としては気味が悪いが、マッドサイエンティストっぽい言動はじつに映画的で素晴らしい。
オスカー作品賞に輝く『ビューティフル・マインド』(2001)は、実在する数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた。
「ゲーム理論」を説いたノーベル賞受賞者だが、何度説明されてもさっぱり分からないので、そこはパス笑
ただ、ジョンの部屋がこんなになっているのを見ると、面白いな、素敵に狂っているなぁと感心はする。
同級生のなかに、ひとり神童が混じっていた―将棋の藤井四段も同じような感じかもしれない、そんな青春物語を紡いだのは『グッド・ウィル・ハンティング』(97)。
主人公ウィル(マット・デイモン)は数学の天才だが、こころに傷を負っているために、その能力を伸ばそうとする発想さえ持てない。
軸になるのは、ウィルとカウンセラー(ロビン・ウィリアムズ)の対峙。
しかしそれ以上に映画ファンの琴線に触れたのは、ウィルと、親友チャッキー(ベン・アフレック)の関係性だった。
チャッキー「―毎朝、お前を車で迎えにいってるよな。車を降り、お前ん家の玄関に向かって階段を昇ってく10秒間・・・。
いつも思うんだ、ノックしてもお前は出てこない。行き先も、サヨナラも告げず、お前はフッと消えて居なくなってる・・・そうなればいいなと」
ウィルの才能が無駄にならぬよう、ここから出ていけと諭すチャッキーの想いが胸に沁みて、グッとくる。
ふたりの、映画人としての才能を発見し、それを世に知らしめるため、いつもの「マイナーな感じ」を殺して職人に徹した、ガス・ヴァン・サントにも拍手を贈りたい。
次回のしりとりは・・・
るー「と」→「と」りせつ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『しろいひげ』
1年時は「5」、なのに3年時は「2」に―これ、中学時代の通知表、数学の評価である。
「5」を取っているのだから、最初から苦手なわけじゃなかった。
2乗3乗はついていける、もっといえば図形の相似を証明する「文章の問題」は大の得意だった。
ただ、教科書に平方根「√」や比例・反比例の文字が出現したあたりで眩暈や吐き気がしてきて、この勉強は「そっち側のひと」(?)に任せることにして、数学は「学ばなくていいもの」と解釈するにいたる。
平方根「√」の意味は、ひとには説明出来ないけれど、自分のなかでは「なんとなく」分かっている。
ウィキペディアには、「数に対して、平方すると元の値に等しくなる数のことである」と説明されているが、これだけだとさっぱり分からない。
いってしまうが、表現がヘタクソだなぁ! と。
繰り返すよ、自分じゃ説明さえ出来ないのだけれどもね!!
アルバイトをしていたころ、新人さんでネパールのひとが入ってきて。
在庫を数えてくれと頼んだら、日本人であれば数分で終わるところ、彼は30分以上を要した。
九九を知らないからである。
日本すげー! と思ったが、まぁ思う程度で、自分はあんまりエラソーなことはいえない。
映画鑑賞や批評、制作に数学的才能は「基本的には」要らないだろう。
だろうが、数学に携わる人物が描かれることはある。
映画ファンが真っ先に挙げるであろう作品は、ダーレン・アロノフスキーを一躍有名にした『π』(98)か。
「√」と双璧といえる数学界の大メジャー記号、「π」。
数式に取り憑かれた主人公は、あらゆる事象も数式で説明出来ると信じ、日夜その解明に取り組んでいる。
隣人としては気味が悪いが、マッドサイエンティストっぽい言動はじつに映画的で素晴らしい。
オスカー作品賞に輝く『ビューティフル・マインド』(2001)は、実在する数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた。
「ゲーム理論」を説いたノーベル賞受賞者だが、何度説明されてもさっぱり分からないので、そこはパス笑
ただ、ジョンの部屋がこんなになっているのを見ると、面白いな、素敵に狂っているなぁと感心はする。
同級生のなかに、ひとり神童が混じっていた―将棋の藤井四段も同じような感じかもしれない、そんな青春物語を紡いだのは『グッド・ウィル・ハンティング』(97)。
主人公ウィル(マット・デイモン)は数学の天才だが、こころに傷を負っているために、その能力を伸ばそうとする発想さえ持てない。
軸になるのは、ウィルとカウンセラー(ロビン・ウィリアムズ)の対峙。
しかしそれ以上に映画ファンの琴線に触れたのは、ウィルと、親友チャッキー(ベン・アフレック)の関係性だった。
チャッキー「―毎朝、お前を車で迎えにいってるよな。車を降り、お前ん家の玄関に向かって階段を昇ってく10秒間・・・。
いつも思うんだ、ノックしてもお前は出てこない。行き先も、サヨナラも告げず、お前はフッと消えて居なくなってる・・・そうなればいいなと」
ウィルの才能が無駄にならぬよう、ここから出ていけと諭すチャッキーの想いが胸に沁みて、グッとくる。
ふたりの、映画人としての才能を発見し、それを世に知らしめるため、いつもの「マイナーな感じ」を殺して職人に徹した、ガス・ヴァン・サントにも拍手を贈りたい。
次回のしりとりは・・・
るー「と」→「と」りせつ。
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明日のコラムは・・・
『しろいひげ』