Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

空と君とのあいだに

2017-05-28 00:10:00 | コラム
黒澤と小津を比較する際、よく指摘されるところは・・・

(1)感情が爆発する(=黒澤)、逆に抑制される(=小津)台詞回し

(2)キャラクター心理が投影されるかのような(=黒澤)、常に穏やかな(=小津)天候


それは、たしかにそう。

どっちが上等というのではなく、まぁ好みの話かな。

歳を取るごとに小津さんの凄みというものに気づいて戦慄はするものの、自分はやっぱり黒澤信者。

唾飛ばしながら絶叫する三船に、土砂降りのなか戦う侍に映画的興奮を覚えるっていうね。


そろそろ梅雨の時期なのでチャリダーにとっては憂鬱だが、きょうは、雨にかぎらず、天候の描写が印象的な映画の10傑を展開してみよう。


(1)『羅生門』(50…トップ画像)

回想時の、ぎらぎら太陽。
そして現在進行では、羅生門が崩れるのではないかというほどの雨。

それにしてもトップ画像の、陽気な感じといったらない笑

(2)『夜がまた来る』(94)

夜と雨とネオン。

この三点において、石井隆は黒澤以上に巧いと確信している。



(3)『ファーゴ』(96)

背景の白と、惨たらしい血の赤。




(4)『六月の蛇』(2002)

セピアブルーの雨は、梅雨にぴったり。

(5)『沈黙』(2016)

原作小説で印象的なのは、「干した魚の味、喉の渇き」。

そこに太陽の映像を挿しこみ、渇きを強調しているところがうれしかった。

(6)『七人の侍』(54)

アンケートでは、これが1位にくるかもしれない。

(7)『セブン』(95)

ジョン・ドゥが名乗り出てくるまでは、ずっと雨。



(8)『マッドマックス』(2015)

水とガソリンが希少となっている世界で、この気候は酷だろうな。



(9)『マグノリア』(99)

そう、こんなことだってあるのだ。




(10)『十九歳の地図』(79)

チラシ入れをしながら、『あめふり』を合唱する登場人物たち。

♪ ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃっぷ、らんらんらんらん ♪

このヤケクソ感、すげー分かる!!

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(207)』
コメント (2)
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